いちよし盲導犬育成プロジェクト

いちよし盲導犬
育成プロジェクト

いちよし証券は、2005年度から「公益財団法人日本盲導犬協会」への支援活動を継続的に行っています。具体的には「いちよしポイントサービス」を通じた当社お客様の寄付活動(ポイントサービスは、2013年3月で終了致しました。)当社からの定期的な寄付活動、そして当社の役職員による寄付活動です。

2009年度からは、“いちよし盲導犬”の育成に取り組んでおり、現在、7頭の犬が盲導犬としてデビューしています。

いちよし盲導犬 第8号候補犬「マオリくん」のご紹介

3頭目のいちよし盲導犬 第8号候補犬が「マオリくん」に決まりましたのでご紹介します。マオリくんは、1月からパピーウォーカーの元を離れて訓練に入っております。 以下、日本盲導犬協会からの報告です。

盲導犬マオリくん

マオリくん基本情報

  • 性別/オス
  • 生年月日/2021年12月6日
  • 犬種/ラブラドール・レトリーバー
  • 毛色/ブラック
  • パピーウォーカー委託日/2022年1月29日
  • 神奈川訓練センター入所日/2023年1月15日

性格

体が大きくプライドも高い子ですが、人のことが好きな甘えん坊さんです。
精神的に繊細な面があるため、ちょっとしたことに緊張したり、興奮があがったりしやすいところがありますが、訓練での学習と経験、大人になることで落ち着いてくるかと思っています。

訓練の様子

人とコミュニケーションをとる意欲が順調に育ってきており、指示語を教え始めている段階です。
「COME」「SIT」「WAIT」など。
ハーネスをつけての歩行訓練も少しずつ進み始め、前に出ること(「GO」)を教えています。

(写真・文︓日本盲導犬協会)

マオリくんの訓練の様子が届きました(2023年5月)

第8号の「いちよし犬」となる「マオリ」は盲導犬デビューを目指して日々訓練中です。
パピーウォーカーの元から卒業した「マオリ」、センター入所後は訓練士や他の盲導犬候補犬達に囲まれながら基本訓練(犬から人とコミュニケーションをとろうとする意欲を育てる)や歩行訓練(「GO」の指示で発進すること、道路や歩道の左端に寄って歩くこと、角を見つけること、方向指示で示された方向へ歩くこと)を中心に力を入れて訓練を行いました。
「マオリ」は訓練士と信頼関係を築けており、基礎的な作業(GO/角の発見、寄って歩く、方向指示など)が出来ています。特にSIT、DOWN、COME、WAITなどでコミュニケーションをとりながら作業をすることがとても得意ですが、少しだけ気分のムラが出やすい性格のため、作業理解の向上と精神面の自己コントロール力を育むことが課題です。
これからは次の段階の訓練完了に向け、訓練士からの指示だけではなく、環境や状況をみて「マオリ」自身が判断し行動できる力を育てていくことを目指しています。
引き続きの応援を宜しくお願いいたします。

(写真・文︓日本盲導犬協会)

盲導犬マオリくん 盲導犬マオリくん

マオリくんが2回目の試験(TP2)に合格しました

マオリくん画像

第8号の「いちよし犬」となる「マオリ」ですが2023年12月に行われたTP2(TaskPerformance 2)という評価を通過いたしました。
キャパシティにはまだ少し課題が残りますが、各作業への理解度の向上に合わせて「マオリ」自身の頭の中も整理されてきており、訓練初期段階にみられていた慌てて動き出すという様子もほとんど無く、落ち着いて考えて行動できるようになってきました。
今後は「自分で考えて行動する部分(環境刺激)」と「人に聞く部分(人への意識)」がさらに整理出来るようにして、安定感を向上させることを目標に訓練を進めていきます。
1月中旬からは仙台訓練センターに移動し、新たな環境で次の段階の訓練を開始します。そこでは、パートナーとなる候補者の条件に合わせて、通常とは異なる“右手持ち” 歩行についても訓練を予定しています。
引き続きの応援を宜しくお願いいたします。

(写真・文︓日本盲導犬協会)

評価テストTP2 (Task Performance 2)

担当訓練士ではなく、別の訓練士がアイマスクをして犬が歩いたことのない場所を歩きます。これは、誰の指示でもきちんと従うことができるかを確認するためです。 この評価をTP2と呼んでいます。

日本盲導犬協会HP 盲導犬の一生
 

過去の活動報告

  • いちよし盲導犬 第8号候補犬2 ヴェンガくん

    ヴェンガくんはラブラドール・レトリーバーの男の子です。2022年4月、パピーウォーカー修了式の後に仙台訓練センターに移動して盲導犬となるため訓練を行っております。
    日本盲導犬協会から近況が届きました。

    犬舎での様子

    移動してすぐは、落ち着かない様子もありましたが、現在は、敷物でリラックスする様子も見られ新しい生活にも馴染めてきています。

    排泄

    ワンツーベルト(排泄の道具)をつけて排泄を促すワンツーコールにしっかりと反応し人の指示で排泄をすることができています。

    訓練の様子

    基本訓練では、上手に人と遊ぶことができていて、誉め言葉の「GOOD」でよく尾が振れています。また、「SIT」(すわれ)や「DOWN」(伏せ)にも上手に対応できています。
    人を意識しながらヒール(人の左側について歩くこと)ができるようになってきたため、誘導訓練ではハーネスをつけて「GO」(発進の指示)の練習を始めています。

    ヴェンガくんはキャリアチェンジすることになりました。

    ヴェンガくんが、評価テストをクリアできずキャリアチェンジすることになったと連絡がありました。前回のハイジちゃんに続き、改めて、盲導犬になることの難しさがわかります。
    しかし、なによりもヴェンガくんの幸せが一番!ボランティアの方にかわいがられて幸せに暮らして欲しいです。ヴェンガくん、訓練お疲れ様でした!
    以下、日本盲導犬協会からの報告です

    "第8号の「いちよし盲導犬候補犬・ヴェンガ」は盲導犬になるための訓練を2022年4月から仙台訓練センター(宮城県仙台市)で開始いたしました。
    盲導犬になるための訓練は、段階的に複数回のテストを経ることになりますが、6月に行われた協会内での評価テスト(TP1)においてキャリアチェンジ犬(CC犬※)に推薦され、盲導犬ではなくCC犬として暮らしていくこととなりました。
    CC犬となりました理由については、訓練の中で動物や大きな音などの刺激に対して急に興奮が上がり強く引っ張ってしまったり、ヴェンガの思い通りにならないことがあると強く吠えてしまうなど、盲導犬としての生活が、ヴェンガにとって負担になると判断されたためです。
    ヴェンガは人のことが大好きで甘え上手でもあるので、CC犬として幸せに暮らしていけると考えています。
    現在は、CC犬としてボランティアの方に譲渡するための準備を行っております。"

    • キャリアチェンジ犬(CC犬)について

      盲導犬に向かないと判断された候補犬は、進路を変更してキャリアチェンジ犬(CC犬)となります。CC犬を家族の一員として迎え、ともに暮らしていただくボランティアがCC犬飼育ボランティアです。盲導犬育成では必ずCC犬が存在しますので、CC犬ボランティアは欠かすことのできないボランティアです。
      CC犬は無償譲渡しますので協会の所有犬ではなくなりますが、CC犬ボランティアには、CC犬の命ある間は協会の個人賛助会員になっていただくお願いをしています。
      また、CC犬ボランティアには研修を受けていただき、イベントボランティアになっていただくお誘いをしています。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第8号候補犬1 ハイジちゃん

    ハイジちゃんは、ラブラドール・レトリーバーの女の子です。
    性格は、真面目で少し慎重、人懐っこく、人とコミュニケーションをとることが好き。繊細さが長所であり、それを活かして道路上の障害物や通行人にぶつからないように避けて歩くこと、公共交通機関での活動や繁華街を歩くことも得意です。
    2019年10月から神奈川訓練センターで訓練を始めました。

    ハイジちゃんは、キャリアチェンジしPR犬になります!

    2022年1月。ハイジちゃんがキャリアチェンジすることになったと日本盲導犬協会から連絡がありました。今後は、PR犬として活躍いたします!
    現在は、富士ハーネスの「団体見学対応」や児童に対する啓発教育を行う「学校キャラバン」、訪問先での「一般実演(デモンストレーション)」を複数回行っており、大活躍とのこと。
    人懐っこく甘えん坊のハイジちゃんはPR犬になってもみんなに愛される人気者になりそうですね!以下、日本盲導犬協会からの報告です。

    性格

    人懐っこく甘えん坊です。人に対して駆け引きをすることが少なく、そのため思いついたら体が動いてしまいます。また、元気でタフそうに見えますが、意外と不安なところがあり繊細なところがあります。また、不器用な性格で、ハイジなりの一生懸命のつもりが空回りしてしまうことがあります。

    キャリアチェンジの理由

    盲導犬としての訓練は最終段階まで終了しており、盲導犬としての能力は問題ないのですが、定期的に尿漏れをしており、ユーザーが飲水や排泄でコントロールし続けることが難しいため、キャリアチェンジとなりました。

    今後の活動について

    ハイジはPR犬として活躍することとなります。昨年末より富士ハーネスにおります。
    PR犬としての活動としては、富士ハーネスの来場者に対するデモンストレーションや、街頭募金活動などに参加いたします。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第7号 ゴマくん

    ゴマくんは、ラブラドール・レトリーバーの男の子です。2018年7月から神奈川訓練センターで訓練が始まっており、1次試験(TP1)をクリアしたようです。訓練の様子が届きましたのでご紹介します。

    現在、訓練犬としてTP2段階のゴマは、身体は大きいけれど(約33kg)気が小さい慎重派で、デパートや公共交通機関など騒がしい人混みでは緊張しやすく慌てやすいところがありますので、一つ一つゴマが落ち着いて対処できるペースで訓練を進めています。
    今後の課題は、色々な出来事に対して対処する力をつけ、平常心を保って仕事ができるようになることです。一度覚えたことは自信をもってやれるので、少しずつですがどっしりとした犬に成長していくと期待しております。

    2019年6月、ゴマくんが盲導犬デビューしました!

    2019年6月28日(金)に共同訓練を無事に終了し、晴れて盲導犬デビューとなりました。
    ユーザーは中部盲導犬協会からの移籍です。訓練担当からの報告では、ゴマの歩行速度と推進力がユーザーの求めるものと一致したことや以前は若干苦手だった繁華な場所・人が多く集まる場所でも慌てなくなった事がマッチングの決め手となり、盲導犬デビューとなったようです。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第6号 ダレンちゃん

    ダレンちゃんは、イエローのラブラドール・レトリーバーの女の子です。
    2017年7月から神奈川訓練センターで、盲導犬を目指して日々訓練中。訓練の様子が届きました。

    人と遊ぶことが大好きで、パピーウォーカーのご家族と一緒にいろいろな場所へ行って遊んだそうです。
    遊び好きで、まだまだこどもっぽいところがある「ダレン」、今後は盲導犬として自発的に動けるようさらに訓練を進め、繁華街等のにぎやかな場所でも落ち着いて仕事ができるように、訓練士と一緒に様々な場所を経験する予定です。
    繊細で素直な性格をしており、盲導犬の基本的な動作、「左に寄る」や「障害物をよける」が特に得意、来年度の春ごろにはパートナーと共同訓練に入れるように、訓練を頑張っています。

    2018年6月、ダレンちゃんが盲導犬デビューしました!

    第6号の「いちよし盲動犬」となるダレンは、訓練をクリアしていき2018年5月にQ犬※となり、盲導犬と歩くために職場の制度を利用し休職したユーザーさんと同年5月21日より共同訓練に入りました。慎重で相手を思いやる柔らかい物腰のユーザーさんと繊細なところがあるダレンとのマッチングはとてもよく、共同訓練も順調に進み同年6月18日には盲導犬としてデビューする運びとなりました。
    現在は、復職したユーザーさんと元気に通勤していますが、遅刻しないようにと焦って急ぎ足になるユーザーさんにダレンがゆっくり歩こうよ、といった仕草をすることも。また職場では(人懐っこいダレンですから)隣のデスクの下に入ることあり人気者のようです。

    • Q犬とは、Qualified(資格要件を満たし、資質・能力のある)の略で、盲導犬デビューできるレベルまできた犬のことです。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第5号 ベリーちゃん

    ベリーちゃんは、明るいクリーム色のゴールデン・レトリーバーの女の子です。
    2016年4月、神奈川訓練センターで始まった訓練の様子が届きました。

    性格は、少し気が小さい面から、生活環境が変わったり、知らない人と多く接すると慌てやすかったり落ち着かなかったりする傾向がありました。それらの気分の浮き沈みを読み取って、苦手なこともたくさん褒めてあげることで、ベリーはどんどん成長して自信をつけていきました。

    ベリーが盲導犬に向いていた点は、明るく元気で少し気が小さく、人と一緒にいるのが大好きな甘えん坊なところです。
    ユーザーにべったり寄り添いつつも、よく周りに気を配っているので、誘導して欲しい場所等によく気が付き、集中して仕事をすることが出来ます。また、素直で行動がはっきりしているため、目が見えない方もベリーの意図がわかりやすく、コントロールしやすい点は非常に盲導犬として向いています。

    ベリーの得意な事は角、段差、ドア、改札、椅子をみつけ誘導することや電車、バス等に乗り込む事です。
    また待機(よく寝る)することも得意で、使用者がレストランで食事しているときや、公共交通機関等を利用しているときは、足元で寝てリラックスしながら待機しています。

    2017年7月、ベリーちゃんが無事に盲導犬デビューを果たしました!

    ベリーとこれから一緒に歩かれる方は、盲導犬使用歴8年、ベリーで2頭目となる若い女性です。平日は毎日歩いて通勤、退勤後や週末は趣味の水泳等の余暇活動へと非常に行動範囲が広く、ほとんど家にいないほど活動的な方です。
    バスや電車等の交通機関を使った繁華な環境への外出も多いため、ベリーの活発且つ繊細な性格が非常にマッチしました。
    この方とベリーが、今後様々な場所に行き、多くの素晴らしい出会いや経験をされることを心より祈っております。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第5号候補犬 アトラスくん

    2015年6月、神奈川訓練センターで訓練を行っているアトラスくんに会いに行ってきました。
    アトラスくんは、ダウン(伏せる)・ステイ(休め)や横について歩く基礎的な訓練も順調で、同行させていただいた路上訓練では、小さな段差にも反応してユーザーへ伝えるなど、自分で考えて判断出来るようになっていました。
    訓練士の話では、アトラスくんはとても頭が良く優秀で落ち着いた性格も盲導犬に向いている。おそらく、2歳前にデビュー出来るのではないかとのことでした。
    (写真・文:いちよし証券)

    2016年7月、皆様に応援いただいておりました「いちよし盲導犬第5号候補犬アトラスくん」が、キャリアチェンジ犬として別の道に進むことになったと連絡がありました。日本盲導犬協会からコメントが届いております。

    訓練犬であったアトラスを振り返って

    アトラスは盲導犬になるため、2015 年4 月から12 月までの8 ヶ月間の訓練を重ねてきました。とっても素直で頭も良く、作業がとても良くできたのですが、散歩中の犬など自分が興味のあるものを見つけると、例え集中してお仕事をしている最中でも、思わずそちらに向かってしまうところがあります。そういった時に、目の見えない・見えにくい方がとっさに適切なコントロールをすることは難しいため、盲導犬以外の道に進んだ方が良いと判断しました。
    こういった興味の強さというのは生まれつきの要素が大きく、それを矯正しようとすると、アトラスの意思を無視した訓練を強いることになります。自分の興味に対して素直に向かっていくことは、盲導犬として考えると望ましくないですが、その反応自体は犬として自然な行動であり、悪いことではありません。それを否定しアトラスに過度の我慢や負担を強いてまで盲導犬を目指すことは、私たちの理念に反してしまいます。『犬を含めて誰の犠牲の上にも立たない盲導犬育成』を大事なポリシーとして、アトラスがアトラスらしく、幸せに暮らせる進路を見つけることの方がずっと大切であると考えます。
    人懐っこいアトラスは、部屋でフリーにしていても自分から人に寄り添って眠るような甘えん坊で、誰からも愛される魅力を持っています。宝探しや持って来いの遊びをいつまでも飽きずに楽しめる天真爛漫なところもあります。私たちはアトラスの持つそういった良さを最大限に生かせる進路を、責任を持って探したいと思います。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

    とても頭が良く、甘えん坊で人懐っこいアトラスくん。残念ながら盲導犬にはなれませんでしたが、アトラスくんの能力がより発揮できる分野で活躍できることを願っています。

  • いちよし盲導犬 第4号 エリンちゃん

    エリンちゃんの訓練の様子が日本盲導犬協会より届きました。

    2014年4月から訓練を始め、7月には1次試験(TP1)を行いました。その後、訓練のバリエーションを増やし、繁華街へ行ったり、部屋で留守番の練習をしたり、様々な訓練に取り組んでいます。得意なお仕事は「段差」です。段差を見つけ、縁石で停まるという作業です。人が右足を出したら段差でありことを確認できるよう、エリンは縁石の5cm以内に前足をかけて停止します。得意なお仕事なので、褒められた時の顔は得意げです。
    「角」のお仕事中です。犬が壁に体を沿わせ、角の中央で停まることで、人は曲がり角を認識します。エリンはまだまだ練習中です。考えてとった行動を、人に褒められたことで「これでよかったんだ!」と学んでいきます。
    左の写真は「ゲート」というお仕事です。人を改札に誘導するというものです。1次試験(TP1)が終わると、電車に乗る訓練も行います。エリンはこれから電車訓練を行う予定です。

    2015年3月、エリンちゃんが盲導犬デビューしたと連絡がありました。

    盲導犬ユーザーは、50代の女性の方です。 エリンは、2歳になる前に既にユーザーさんとの共同訓練に入ることのできた、非常にパフォーマンスに優れた盲導犬だと思います。
    現在盲導犬になりたてで、まだ年齢も若いことから元気が有り余っていますが、じきによりユーザーさんとの生活を送ることによって、生活サイクルや歩くスピード等、エリンももっと合せていくことができ、ユーザーさんが思い描く歩行ができるようになっていくと確信しています。

    盲導犬は、現在約1000頭が活躍しており、持ちたいと願っている方が約3000名います。
    折角盲導犬との歩行ができるようになっても、行く先々の飲食店や乗り物、宿泊施設で 受入を拒まれるケースがいまだに多くあります。
    盲導犬は、目の見えない、見えにくい方々の目の代わりです。
    是非、犬としてみるのではなく、身体障害者補助犬法によって、基本どこへでも一緒に 行くことができる認められた存在であることを、私達健常者は覚えて欲しいと願います。
    ハンディキャップを持った方と、健常者がより近い存在になる様に、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにて、障がい者が気持ちよく過ごせる国になるように、私達は努力しなければと思っております。
    是非これからもご協力賜りますよう、宜しくお願いいたします。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

    いちよし盲導犬 第4号「エリンちゃん」が引退しました

    エリンちゃん

    第4号「いちよし犬」として活躍していました「エリンちゃん」が、盲導犬の引退年齢に達したため、2023年8月に引退したと日本盲導犬協会より報告がありました。

    3月で10歳となっていましたが、健康面も問題なかったことから、通常より若干長く活動していました。
    現在は引退犬飼育ボランティアさんのお宅で新しい生活をはじめているようです。

    エリンちゃん、長い間お仕事おつかれさまでした。

    日本盲導犬協会HP 盲導犬の一生

    (写真︓日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第3号 ガウディくん

    ガウディくんは2011 年3 月15 日生まれの男の子で、毛色が黒のラブラドール・レトリーバーです。
    2012 年5 月、ガウディくんはパピーウォーカーのお宅での約1年間の生活を終え、訓練センターに戻ってきました。パピーウォーカーのお宅では、「ガウディ」という立派な名前をもらい、人間を愛すること、人間から愛されるということを学び、そして何よりも人と一緒に暮らすことの楽しさをたくさん学びました。

    訓練センターでは訓練士と一緒にたくさん遊んで、「人間と何かすることは褒められるし楽しい!」ということを学んでいきます。人が求めていることができたら「GOOD」という言葉と共に大好きな人が笑顔になる、楽しく遊んでくれる。訓練士に褒められると尻尾をふりふり。大きな体でおしくらまんじゅうをしたりもしました。そして、どうやったら訓練士に褒めてもらえるかということを考えているうちに、いつの間にか盲導犬としての仕事も覚えていきました。
    訓練が始まって3カ月後、TP1と呼ばれる試験をパスし、もっともっと実践的な訓練のステージに上がっていきました。
    今度は、「自分で考える」ということ学びます。盲導犬は、目の見えない人や見えにくい人を誘導するので、指示されたことだけの仕事だけでは務まりません。ストレートゴー(まっすぐ進みなさい)と指示されても、そこに段差があれば止まって、教えます。他にも、一緒に歩いている人が電柱などにぶつかってしまわないかどうか周りのことも良くみて歩きます。盲導犬が通れる幅であっても、並んで歩く人と一緒に通れる幅がなければ通りません。ガウディくんは細心の注意を払いながら歩き、上手に歩けたときには「できたよ!褒めて!」と自慢げに顔を見上げていました。
    訓練士は、ガウディくんの性格や体の大きさ、得意な仕事などを考慮して、どのユーザーのもとで盲導犬としてデビューするかを考えていきます。これから8年間生活を共にしていくのです。ユーザーが決まると、その方の生活スタイルや、歩き方の特徴を踏まえ、その方のパートナーとなれるように訓練を重ねます。ガウディくんはエスカレーターによりスムーズに乗り降りできるような訓練をしたり、近づいてきた自動車やバイクの音を聞いて危険を知らせるために止まる、といった訓練を繰り返しました。健康面の最終チェックも終え、いよいよ共同訓練に入ります。

    2013年7月、ガウディくんは無事にデビューを果たしました!

    ユーザーとの共同訓練の様子が日本盲導犬協会発行の『盲導犬くらぶ』第72 号(2013 年10 月15 日発行)で紹介されました。

    定期フォローアップを行なっている、担当訓練士からコメントが届きました。
    共同訓練を卒業してから4カ月経ち、犬も人も同じ屋根の下で過ごすことにすっかり慣れました。使用者の方は、最近、ガウディが何をしたいのか分かるようになったほどです。今までの外出先は、ご家族と一緒に自宅の玄関から車で病院へ通うくらいでしたが、一人で行ける場所も増え、盲導犬との旅行も計画中だそうです。一人気ままに外出することができるようになり、誰かの予定に合わせたり、時間に制約を受けることもなくなり、自由な外出を楽しんでおられます。今では朝と夕方のあわせて約1時間半の散歩が日課になっています。これからの季節はだんだんと寒くなりますが、盲導犬と颯爽と歩けば寒さも吹き飛びます。まだまだ新人の盲導犬使用者と新人の盲導犬ですが、安全に、そして楽しく歩いていって頂けると思います。

    実際にガウディくんと暮らしているユーザーの声を知り、改めて目の不自由な方にとっての盲導犬という存在の大きさを実感しました。ユーザーが喜んでいらっしゃる姿、ガウディくんの活躍を聞いて私たちもとても嬉しいです。

    (写真・文:日本盲導犬協会)

  • いちよし盲導犬 第2号 カリテくん

    いちよし盲導犬第2号の候補犬となったカリテくんは、ゴールデン・レトリーバーとラブラドール・レトリーバーのミックスです。性格は温厚かつ愛嬌のあるタイプで、生後1歳を超えた2010年4月に、パピーウォーカー(家庭で仔犬を育てるボランティア)のもとを離れ、神奈川訓練センターに戻りました。
    訓練士の方によると、「カリテは障害物を避けることがとても得意で、犬と人が通れる幅かどうかをよく見てぶつからないように上手に避ける」とのこと。
    上手にできた後、「GOOD(グー)」と褒めると、嬉しそうに尻尾を振るそうです。

    2011年の春、「カリテが、試験をクリア出来ず苦戦している」と担当者から連絡が入りました。
    盲導犬として要求される資質には、健康、性格、行動、学習能力などがあります。これらは遺伝によるところが大きく、選び抜かれた優秀な両親から生まれた子犬が、オルテガくんやカリテくんのような候補犬となるのです。
    盲導犬の試験は3段階。1回目の試験に合格したら、その約10週後に2回目の試験。2回目の試験に合格したら、4~5週後に3回目の最終試験があります。これに合格したら、パートナーとなるユーザーとのマッチングを行い、共同訓練を始める準備をします。相性が合えば、晴れてデビューです。こうして最終的に盲導犬となれるのは全体の3~4割。
    訓練の過程で盲導犬には向かないと判断された場合は、キャリアチェンジをして、それぞれにあった環境のもとで暮らすことになります。
    啓発活動の場でデモンストレーションなどを行う盲導犬PR犬や、手足が不自由な方のサポートをする介助犬として活躍することもあります。また「キャリアチェンジ犬飼育ボランティア」と呼ばれるボランティアのお宅で家庭犬(ペット)として暮らすなど、それぞれの性格にあった道に進みます。
    「カリテは、もしかするとデモンストレーションのPR犬になるかもしれません。」
    担当者の話では、カリテくんの性格は盲導犬に向かないかもしれないとのことでした。人が好きで、活発なのはカリテくんの良い所です。しかし、盲導犬には、どこにいてもあまり動じない順応性も必要です。私たちは改めて盲導犬になることの難しさを知りました。

    2012年3月、カリテくんが盲導犬デビューを果たしたとの連絡が入りました。
    入所から、すでに約2年の月日が経っていました。一度は諦めかけた盲導犬デビューでしたが、カリテくんは見事にやり遂げました。
    届いた写真を見ると、そこにはユーザーの足元に伏せて、立派に盲導犬として活躍しているカリテくんの姿が。2年間の訓練、よく頑張りました。デビューおめでとう!
    これからの活躍を期待しています。

    (写真・文:いちよし証券)

  • いちよし盲導犬 第1号 オルテガくん

    いちよし盲導犬 第1号候補犬となったオルテガくんは、2009年4月にパピーウォーカーの元を離れ、神奈川訓練センターに入所しました。
    盲導犬候補犬は施設内や市街地で約10カ月に及ぶ訓練を行います。もちろん、全ての候補犬が盲導犬になれるわけではなく、盲導犬になるための試験を全てクリアできるのは、全体の3~4割程度といわれています。
    オルテガくんはとても優秀でこの難関を次々に突破し、6月に行われた1次試験(第1評価)、8月の2次試験(第2評価)にも合格。10月には、訓練の場所を日本盲導犬総合センター(富士ハーネス)にました。訓練士さんのお話では、オルテガくんは人と盲導犬の仕事がとても好きで、自らハーネス(手綱)に頭を通すなど、率先して日々の訓練に取り組んでいたそうです。

    年が明け、2010年2月。オルテガくんが共同訓練を行うため、再び神奈川訓練センターへと戻ってきたと聞き、成長を見届けようと訓練に同行させていただきました。5ヶ月ぶりに会ったオルテガくんは立派な成犬になっており、“盲導犬 Guide Dog for the Blind”と書かれた赤いユニフォームを着て、脇目も振らず堂々と歩く姿は以前よりも頼もしく見えました。
    共同訓練では、ユーザーとなる目の不自由な方が盲導犬と生活を共にしながら、犬の世話や指示語の出し方、街中で歩く訓練を行います。 この日は、訓練士の付き添いのもと、ユーザーを先導して屋外を歩く訓練。オルテガくんの仕事は、道路の端を歩いたり、障害物を避けたり、段差や角を止まって教えたり、近くの目標物(ドアや改札など)まで誘導するなど、ユーザーが安全に歩くためのお手伝いです。
    オルテガくんは、ハーネスを通してユーザーに情報を伝えます。ハーネスが少し左に動いて止まると左に角がある、ハーネスが少し上に動いて止まると昇りの段差か階段がある、というようにユーザーの安全な歩行をサポートするのです。屋外での歩行訓練や共同生活を通して、お互いの相性を確かめながら共同訓練は進められます。
    取材の最後に、正面からオルテガくんの写真を撮ろうと何度も試みましたが、“ハーネス着用=勤務中”には決して視線を合わせようとはしてくれませんでした。とても真面目なオルテガくんです。

    2010年3月、オルテガくんは順調に試験をクリアし盲導犬デビューを果たしました。
    いちよし盲導犬第1号として、これからの活躍が本当に楽しみです。
    皆が応援していることを忘れずに・・・ガンバレ!オルテガくん!

    (写真・文:いちよし証券)

公益財団法人 日本盲導犬協会とは

公益財団法人 日本盲導犬協会

日本で最初に誕生した盲導犬協会で、設立は昭和42年8月10日です。公益財団法人日本盲導犬協会は、盲導犬の育成と視覚障がいリハビリテーション事業を通して視覚障がい者の社会参加を促進し、視覚障がい者福祉の増進に寄与することを目的に次のような事業を行っています。

  1. 盲導犬訓練施設の設置運営
  2. 盲導犬歩行指導員、盲導犬訓練士及び飼育管理員の養成
  3. 盲導犬育成に関する調査及び研究
  4. 視覚障がい者福祉諸団体との連携及び協力
  5. 視覚障がい者の社会的生活能力の改善・向上を図るための相談、指導、助言及び各種訓練
  6. その他この法人の目的を達成するために必要な事
公益財団法人日本盲導犬協会ホームページ
公益財団法人 日本盲導犬協会
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