サステナビリティSustainability

人道医療支援プロジェクト

世界の医療団

いちよし証券がサポートするのは、プライマリーヘルスケア・ミッションです

いちよし証券は、2009年度から認定NPO法人 世界の医療団への支援活動を行っております。具体的には当社お客様の寄付活動(いちよしポイントサービスは、2013年3月で終了致しました。)、当社の収益の一部から定期的に行う寄付活動、そして当社役職員による寄付活動です。いちよし証券は寄付活動を通じて、世界の医療団が展開しているプライマリーヘルスケア・ミッションをサポートしています。

このミッションでは、ポリオワクチンやマラリアの治療薬など、ごく基礎的な医療の提供、保健機関の再構築、現地スタッフの育成などを行ないます。途上国では、予防や簡単な治療で助かるはずの命を落としてしまう人々がいます。このような人々に基礎的な医療を提供するのが、プライマリーヘルスケア・ミッションです。

医療支援の活動と同時に悲惨な状況を証言する

最も弱い立場の人々に、医療支援を行う上で「障壁となるもの・人権や人間の尊厳を侵害するもの」を、医療を通じて「証言」していくこと。
寄付活動を通じて、社会の中で弱い立場にある人々の状況とその支援活動を、一人でも多くの方に知っていただくことは、証言活動の大事な側面です。

そして時には、状況を改善するべく政治に働きかけることも、私たちの活動の一部です。世界には治療するべき多くの人々が存在すると同時に、証言を通じて知ってもらうべき惨状があります。

いちよし証券は世界の医療団を通じて、効果的な医療支援を実施するべく、医療を超えた「証言」という手段で世論に訴える“ アドボカシー活動” に参加しています。

いちよし証券が支援するプロジェクト

現在進行中のプロジェクト

ラオス小児医療プロジェクト

プロジェクト背景

ラオスは、ベトナムやタイ、中国など周辺を5か国に囲まれた小さな内陸国です。5歳未満児の死亡率は依然として高く、1000人中63.9人に上ります(日本では同3人)*。
下痢や肺炎などある程度予防が可能で、また治るはずの病気で命を落とす子供が少なくないのです。*WHO World Health Statistics 2018

理由は様々です。地方では病院が特に少なく、さらに大人も病気に関する知識が乏しいために、子どもが体調を崩しても医療施設へ行くという考え方が一般的ではありません。病院にかかる費用を払えないという事情もあります。また、医療機関側は、住民の信頼を得るに足るサービスが提供できているとも限りません。

5歳までに受ける保健医療サービスは、人生において最もリスクの高い時期を生き延びると共にその後の人生を通じた健康の基盤づくりでもあります。医療施設スタッフの知識の向上とその実践、住民の健康に対する意識など、時間をかけてでもじっくりと取り組むべき課題です。地道で着実な活動が、この地に小児医療を根付かせることにつながり、子どもたちが軽微な病で命を落とすリスクを減らせるのです。

プロジェクト活動報告

2014 - 2015 第1期

2012年10月より現地保健当局との連携のもと、5歳未満児とその家族を対象にした小児医療プロジェクトを開始。

1年目は、対象医療施設の水道設備の設置改善、小児科医療器具の充実。抵抗力の弱い子どもにとっては重要な感染症予防対策を進め、医療スタッフ本格育成に向けた準備を整えました。加えて、子どもの養育に関連した健康トピックを伝える紙芝居型教材の製作に着手し、各村から選ばれた村落健康普及員への教育を開始しました。村落健康普及員は、村民への意識啓発・知識普及を進める重要な役割を担います。

2013年は、対象地域すべての5歳未満児の医療サービスがほぼ無料になる医療費減免政策の運用を開始。村民への情報提供を並行して進めた結果、診察のために病院や保健センターを訪れる家族が増えました。村民の経済的負担を軽減することで、格差なく子どもたちが医療サービスにアクセスできる環境が整いました。

しかし、医療サービスを無料化しただけでは住民がサービスを利用し続けてくれるとは限りません。住民にいざという時に医療機関を頼ってもらうには、満足できる医療サービスが提供されることと、家庭への予防意識・疾病知識の普及のバランスが取れることが必要です。住民の意識が健康に向き始めた今、住民の受け皿となる医療施設では、より住民のニーズに合い、信頼に足る医療を提供する必要があります。

写真:上/ラオスの子どもたちに手洗いの習慣を 下/早川小児科医の指導をうけ、木田看護師をモデルに喉の診察を練習する現場スタッフ。子どもには笑顔で接します。

ミッション名称 ラオス小児医療プロジェクト 第1期
活動時期 2012年10月(当社支援2014年1月)~2015年12月
地域 ラオス チャンパサック県スクマ郡・ムンラパモク郡
目的
  • 医療施設のスタッフ育成による小児医療基盤の構築
  • 村落健康普及啓発を通じた、住民による医療サービス利用促進
  • 診療および治療の無償化政策導入支援による貧困が原因の未受診削減
  • 医療保健政策持続性担保のための県保健省・郡保健省・村長らとの継続的対話
活動内容
  • ① 保健医療人材の育成
  • ② 村落への啓発活動
  • ③ 5歳未満児医療費減免
  • ④ 医療基盤整備
活動の成果

5歳未満児の外来受診件数は2郡平均で、2014年実績では介入前2012年の4倍近くに上がりました。2015年は11月末時点で2014年実績を上回ることができました。

医療費が減免されることは大人が子どもを受診させる動機にはなりますが、医療施設で受けるサービスに満足できなれけば、再び医療施設の利用者は減少することが予想されます。従って、大人が医療施設を利用する意義を理解しただけではなく、受けるサービスにもある程度の満足が得られているということを裏付けています。

サービスの質向上のための医療スタッフに対する研修では、最終年度は各施設を巡回し、日々の実践環境で実践観察とフィードバックをし、またロールプレイを積極的に採用しインタラクティブな現場研修になりました。チャンパサック県病院の小児科医と共同で研修を企画・実施したため、研修の機会が少ない現場スタッフにとっては、今後に繋がる県病院との関係構築の機会にもなったと思われます。

村落における健康教育活動に関しては、村落健康普及員の活動意義と継続の仕組みについて保健当局と根気強く協議してきた結果、本事業終了後も県保健局主導でこの仕組みを維持強化していきたいとの意向を聞くことができました。今後も地域による自主的な活動が継続されていくことに期待します。

写真:上/住民の身近な医療を受ける拠点となるヘルスセンターで、子どもの健康診断を実施。呼びかけに多くの子ども達が集まりました。下/村落健康普及員が主催した「村落健康教育集会」の様子

2016 リサーチミッション

2015年末まで実施していたチャンパサック県スクマ郡およびムラパモク郡のプロジェクトでは、小児の検診・受診率が向上し、地域の保健局や村落健康普及員による自主的な活動が継続されるまでになり、資金援助にとどまらない技術支援を重視する事業への高評価から他県での展開に話題が及び、候補県でのリサーチ実施に向けて協議が進みました。

写真:村落健康普及員と村長に聞き取りをする県保健局、郡保健局、MdM(世界の医療団)チーム

ミッション名称 ラオス小児医療 新規プロジェクト・リサーチミッション
活動時期 2016年1月~ 2016年12月(1年間)
地域 ラオス フアパン県 ソン郡 ・ フアムアン郡
全体目標 将来的に地域による主体的で持続可能な小児医療研修や健康普及活動が継続していくこと
具体的な目標 2012年から約3年間、ラオス南部のチャンパサック県スクマ郡・ムンラパモク郡において実施してきた小児医療の基盤強化プロジェクトのノウハウを活かした活動を新たに展開する活動地域の選定。
期待される成果
  • 医療施設スタッフの小児医療診療技術の向上
  • 村落健康普及員の知識の向上
活動内容・実施状況
1月
  • 新規事業に向けての情報収集、対象地域の絞り込み
  • 東京事務所にて打ち合わせ
2月
  • 新規事業候補地(フアパン県・ポンサリー県)訪問・基本情報収集(他団体事業地域の訪問、保健省との話合い他)
  • 新規事業候補地リサーチ、チャンパサック県事後モニタリング実施のための諸手続き
4月
  • 新規事業候補地フアパン県(ソン郡)にて第1回医療調査実施(小児科医および現場スタッフ)
5月
  • 東京事務所にて方針決定会議:フアパン県での事業実施
  • フアパン県保健局への第1回リサーチレポート提出
6月
  • 新規事業候補地フアパン県(フアムアン郡)にて第2回医療調査実施(県・郡保健局および現場スタッフ)
  • フアパン県保健局への第2回リサーチレポート提出
7月
  • 事業内容提案書(案)をフアパン県保健局に提出およびディスカッション
  • 東京本部スタッフによるフアパン県視察訪問・県保健局/県副知事表敬訪問
  • 郡保健局の訪問およびディスカッション
8月
  • 活動内容具体化のための県保健局・郡保健局(2箇所)の訪問
  • 郡知事への表敬訪問と進捗報告
9月
  • MoU(ラオス保健省・外務省とのMemorandum of Understanding)の起案
10月
  • 県レベルでのMoUドラフティング会議(フアパン県)
  • 県レベルのMoUドラフト承認書発行
11月
  • 中央保健省にMoUドラフト提出
  • 新規事業のスタッフリクルート完了
12月
  • 中央保健省・外務省とのMoUドラフティング会議(ビエンチャン)

写真:①ヘルスセンターの訪問風景(フアパン県) ②病院での記録管理がどのように行なわれているかを確認(フアパン県) ③村落健康普及員の自宅を訪ね聞き取り調査や管理する医療品類をチェック(フアパン県) ④村落の水道普及の状況なども確認(ポンサリ県)

活動の成果

2016年の前半から調査で活動地域の選別を行い、最終的に県保健局等との話し合いを経て、活動実施地域をフアパン県フアムアン郡とソン郡に決定することができました。また、2017年1月には中央外務省よりMoU 最終承認、県・郡保健局とプロジェクト開始ミーティングを開催し、2017年2月に活動を開始することができました。

2017 - 2019 第2期

新たな支援対象地域に選ばれたフアパン県は国内でも貧困率が高く、子ども達の栄養状況の悪さも指摘されています。当然、栄養状態は病気への抵抗力や病気からの回復力に大きく影響します。また、両郡での調査の結果、地域の子ども達が病気になった時に連れて行く、村の「ヘルスセンター」では、スタッフの数も小児医療技術も足りていないことが分かりました。このソン郡とフアンムン郡はとりわけ貧困率が高いほか、村々が山岳地帯に散在していることから、住民達の医療はただでさえスタッフが不足しているヘルスセンターなどからの往診に依存しています。

ミッション名称 ラオス小児医療強化プロジェクト 第2 期
活動時期 2017年2月~ 2020年1月(3ヵ年)
地域 ラオス フアパン県 ソン郡 ・ フアムアン郡
上位目標 小児医療サービスの供給側(医療施設)の技術が向上し、村落健康普及員等の健康啓発活動を通じて、小児医療に関する正しい知識が住民に定着することで、5歳未満児の死亡率・疾病率低減に貢献する。
期待される成果
  • フアパン県ソン郡・フアムアン郡における医療施設の医療従事者の小児医療に関する知識、技術の向上を通じ、適切な小児医療が小児(5歳未満児)に提供される。
  • 住民の小児疾病、疾病予防に対する理解が高まり、適切な受診行動が促される。
  • 関係者全員が問題を把握し、解決手段を考え実行する。
活動内容

当プロジェクトは大きく分けて2つの活動に分かれています。ひとつは「遠隔地のヘルスセンターや郡病院で提供される医療の質の改善」、もうひとつは「村での保健教育の促進」です。私たちは、現地で活動する医療従事者に小児医療についての研修を実施し、研修後にはきめ細かなフォローアップを行なっていきます。同時に、自立発展性の観点から小児医療研修の講師を務めることのできる人材も育成していきます。村では、村落健康委員会メンバーを中心として、子どもの成長や栄養、病気の予防などの知識が住民の中に浸透するように活動していきます。

写真/県病院スタッフ(左端)が、ヘルスセンタースタッフに代わり、健診後の母親への説明をデモンストレーションしている様子。

写真:①外部小児医療専門家によるスーパービジョン(高次の医療施設が管轄区内の病院やヘルスセンターを巡回し管理・指導を行なう活動)が実施されました ②県病院にて保健医療スタッフへの研修 ③村落健康普及委員会への研修の様子 ④MdMコミュニティヘルスワーカー(CHW)2人が、フアパン県病院の母子保健センターで実習を受けました。フリップチャートで子どもの予防接種について説明する様子。

活動目標

遠隔地に配置される医療従事者の多くは、過去に学んだ知識や技術をアップデートしたり、疑問を解消したりする機会が圧倒的に不足しています。人員不足の中、たった一人でヘルスセンターに配置されることも多く、相談できる同僚や上司がすぐそばにいないためです。新しい技能を身につけるための研修に出席できることも稀です。そういった医療従事者に対して小児医療についての研修を実施していくことによって1人でも多くの子どもの命を守ることが可能になります。また、村々での子どもたちの健康状態の改善が期待できます。

緊急支援:ラオス大豪雨

2018年夏、20年ぶりの降水量を記録したラオス。プロジェクトの活動地フアパン県も大きな被害を受け、通常のプロジェクトを中断し豪雨被害対策活動を行なっておりました。

フアパン県は、降り続く雨で山々の地盤が緩み、8月後半には全域で主要道路が土砂崩れに見舞われ、さらに同月30日には川が氾濫し、県内各地で洪水を引き起こしました。フアムアン郡の被害は大きく、川沿いの村が浸水し、数か所の村では仮設家屋に多くの家族が生活。これらの村で死者が出なかったことは不幸中の幸いですが、電気・水供給の完全復旧には時間を要するとみられ、県・郡保健局は、仮設家屋がある村の衛生状態の悪化、これに伴う感染症の蔓延を懸念していました。これを受け、世界の医療団は一時的な活動の休止を経て、一部の活動を県・郡保健局の豪雨被害への支援活動に振り替えることを決定。物資配布などの緊急支援を行っていました。

動画は、活動地の中でも最も被害が大きかった地域にあるソプラオ・ヘルスセンターの看護師による災害当時(2018年10月)の現地レポートです。

世界の医療団HP「ラオス大豪雨から5ヵ月 ソプラオ・ヘルスセンターの今」(2019年1月30日掲載)

プロジェクト活動報告は今後お知らせ致します

過去のプロジェクト活動報告

アフリカ

アフリカ
アンゴラ共和国 ウィラ州

プロジェクト背景

アンゴラは2002年より平和を取り戻し、真の復興を進めているものの、30年に渡る内戦が社会全体に大きな傷跡を残したことで、いまだに不利な状況が続いています。一方で大きな経済成長(年15%以上)を遂げるなど、アンゴラはUNDPによる2007年の人間開発指数では177位から162位に躍進しました。しかしながら、アンゴラでは教育、保健医療、飲料可能な水道水などの生活の基礎的部分については国民にゆきわたっておらず、5歳以下の子供の死亡率の高さでは、世界2位であり、妊産婦死亡率に関しては、世界で最も高い国の一つとなっています。また、5歳以下の30%は栄養失調で母子死亡の主な原因は予防や治療によって命を落とす事はないマラリアや急性の下痢あるいは急性呼吸器疾患となっています。

HIV/エイズに関しては、住民のおよそ3%が感染しています。その割合は近隣国に比べて高くはないものの、十分に懸念すべき高さであり、感染増加も考えられ、社会経済発展への大きな脅威となっています。住民が保健医療に容易にアクセスできないのは、特に地方で医療施設が不足していること、保険医療従事者の技術、医療、そして適切な設備が不足していることが原因と考えられます。

プロジェクト活動報告
ミッション名称 アンゴラ、ウィラ州における保健医療サービス、妊産婦医療機関の能力強化、及びHIV/エイズ治療、予防活動の強化
活動時期 2009年10月~2010年1月
地域 ウィラ州北部3自治体 カルクンブ、カコンダ、チコンバ
目的
  • ① 世界の医療団が展開している、アンゴラ、ウィラ州北部3自治体で母子死亡率及びHIVウィルス感染を原因とする疾病率や死亡率の減少させること
  • ② 良質の母子医療サービスとHIV感染予防法を導入して、地域医療サービスの促進と現地医療機関の能力向上を目指したミッションをサポートすること
活動内容
  • 現地スタッフのトレーニング
  • 市民社会活動団体による地方のイニシアティブの援助
  • 地方の人的リソース強化

より良い医療提供のためには、技術および能力を強化することが重要です。
今回のいちよし証券の支援プロジェクトは、保健システムの改善です。
乳幼児や妊産婦の死亡率減少、HIV/エイズ対策に焦点を合わせ、国民の医療環境改善のため、医療機関、医療従事者、地方の市民社会活動団体の活動を発展させ、その技術の強化を図りました。

ニジェール共和国 マリ共和国 ブルキナファソ共和国

アフリカ サヘル地域
ニジェール共和国 マリ共和国 ブルキナファソ共和国

プロジェクト背景

サヘル地域は、アフリカ中西部にあるサハラ砂漠南縁部を東西に走る地域です。北部は乾燥地帯、南部は多湿地帯というサヘル気候に属しており、今回の活動地域であるニジェール共和国の首都ニアメの平均気温は約29℃、最高気温は43℃にものぼります。地球上で最も暑く、最も降水量の少ない地域です。

降水が不安定なため旱魃(かんばつ)が発生しやすい状況にあり、1914年に降水不足からの旱魃とそれに伴う飢饉が広範囲にわたりこの地域に被害を与えたほか、1968年に始まる大旱魃ではモーリタニア、マリ、チャド、ニジェール、ブルキナファソを中心に100万人が命を落とし5000万人が影響を受けるなどさらに深刻な事態に陥っています。

マラリアの汚染地域

サヘル地域は、8・9月の雨期にマラリアの大流行に見舞われます。この時期、罹患率が上昇し、病院を訪れる患者の30%~70%がマラリア患者です。また、5歳未満の幼児の死亡原因のトップに挙げられる病の一つであり、これによる社会的、経済的損失は計り知れません。とりわけブルキナファソ、マリ、ニジェールのような貧しい国々にとっては重くのしかかる深刻な問題です。

プロジェクト活動報告
ミッション名称 5歳未満児と妊産婦のための基礎的な医療へのアクセス向上を目的としたプロジェクト
活動時期 2010年1月~2013年12月
地域 サヘル地域(ニジェール、マリ、ブルキナファソの3地域)
目的

【全体】
アフリカ サハラ砂漠の南縁に位置するサヘル地帯住民の健康状態の改善

【具体的な目標】
ケイタ地区(ニジェール)、コロ地区(マリ)、ジボ地区(ブルキナファソ)の3地区に居住する社会的弱者、中でもとりわけ、妊産婦及び5歳未満の乳幼児を対象に、プライマリヘルスケア(基礎医療サービス)へのアクセスを改善し、強化すること

活動内容
  • マラリアや脳膜炎など繰り返し蔓延する感染症に対する予防と治療
  • 診療所、保健所、移動医療チームによる医療支援
  • 妊産婦と栄養失調児を持つ母親に対するカウンセリングなどを通した栄養不良改善に向けた取り組み
  • 各国政府や国際社会への働きかけなどを通した地域医療システム改善に向けた取り組み
  • 地域の医療従事者の育成のための取り組み
写真:プロジェクト関係者のカンファレンス
マラリアと戦う世界の医療団~いちよしの支援対象活動
「マラリアの治療と対策」

マラリアと戦う世界の医療団は、プライマリーヘルスケア、母子/新生児医療、及びHIV/エイズプログラムの一環としてマラリア撲滅のための活動を実施することが2009年に承認され、マラリア戦略の方向を示す重要な指針となりました。これは、最新の科学的知識と国際社会をバックにマラリアと闘う行動との集大成によるものです。

ニジェール

ニジェール(ケイタ地区)

ケイタ地区マラリア感染者の月別推移2010年~9月(出所:世界の医療団)

ケイタ地区での活動は、2006年から開始した地域医療の年間活動計画、中でも伝染病対策、未来志向戦略への支援、患者に対する衛生指導と人材能力開発に対する財政支援等を通して前期の活動を更に推し進めることです。

マラリア対策についても既に実施中の治療プログラムを引き継ぐ形で活動が続けられました。
2010年1~9月中のデータでは、衛生指導の対象となる地域全体で44,000人のマラリア感染者が報告されています。月ごとの変化を見ると8、9月の雨期に感染者の数がピークに達しているのが分かります。(右グラフ参照)治療可能な他の病気も含めた新規患者のデータでは、マラリア患者の占める割合は平均して全体の40%、9月のピーク時には70%を占めています。

マラリアとの闘いを成功に導く鍵は、診断と治療との適正な組み合わせに焦点を置く医療教育を実施し、医療職員や看護師を育成、その能力を向上させることです。
即時診断検査薬(Rapid Dianognostic Test)を組織的に採用することは、政府のマラリア対策実施要領にも規定されていますが、実際には余り功を奏していない状況でした。

抗マラリア剤(ACTアルテシミン)による治療機会と即時診断検査薬(RDT)利用率の増加を重点課題とし、活動を続けた結果、2013年には即時診断検査薬(RDT)の利用率が前年の33%に対し、44%に増加。抗マラリア剤(ACTアルテシミン)と注射による治療薬の供給配備もプロジェクトを通じて促進されました。

写真:マラリア治療薬をミルクに混ぜて母親が飲ませている様子

マリ(コロ地区)

マリ(コロ地区)

写真:コロ地区保健センター マラリア治療の規準
についての決議書調印のイベント

世界の医療団は、長年に渡ってこの国で活動してきましたが、サヘローサハラ地域独特の不安定な治安のため、活動地を変更せざるを得なくなってしまいました。2009年の終わりにサヘルゾーン内のマリとモーリタニアで西欧人の誘拐事件が相次いで起きたことから、マリの北部、ゾーンの北端に位置するドゥエンツァは危険という判断。地域状況調査ミッションの結果に基づき、マリ医療当局との相談の上、より安全だとされるコロを選ぶことに決定しました。これにより、活動開始が大幅に遅れて最終的には2010年7月の開始となりました。

最初の仕事は、地域の医療職員、看護師、医療管理委員、市長や役人を集めてのモニタリングワークショップの開催でした。このワークショップは、より多くの人々にプロジェクトの目的を知らせると同時に、マリの医療やケアサービスの現状について量と質の両面から情報を得るための良い機会になりました。

マリは他のサヘル地域同様に雨期にマラリアの大流行に見舞われます。この時期、罹患率が上昇し、5歳未満の幼児にとって最大の死亡原因となります。
マラリア対策について、世界の医療団はマラリア撲滅国家プランの責任者やマラリアの権威オゴバラ ドゥンボ博士との話合いを通して、問題点を整理しました。

プロジェクトを通じて抗マラリア剤(ACTアルテシミン)と即時診断検査薬(RDT)の配備を進めました。その結果、2013年には即時診断検査薬(RDT)の利用率が、前年の42%に比べ増加し61%にまで達しました。乳幼児および妊産婦のマラリア治療へのアクセス改善においては、世界の医療団とモプティの保健省の協動により研修が実施されました。この研修は保健センターの技術者、産科看護師、助産師などを対象に開催され、50名ほどを動員しました。

ブルキナファソ(ジボ地区)

ブルキナファソ(ジボ地区)

写真:研修参加証書を受け取る現地医療
従事者

当初の数ヶ月は主に、この国で世界の医療団を国際NGOとして登録することに費やされました。この登録に要した期間は、2009年12月に提出した書類が受理されたのが2010年6月と予想以上に長引きました。まず第一段階での活動では、特にジボとウワガドゥグゥに事務所を開設し、医療その他のサポートチームの現地採用が行われました。

プロジェクトの重点課題は、リプロダクティブヘルスの促進と妊産婦の死亡率の削減にありました。現地パートナー機関のキャパシティービルディングとして、帝王切開や中絶手術等の技術移転の研修が実施されたほか、衛生管理に関する研修が基幹病院で実施されました。マラリア治療と予防に関する研修は年間34回実施されました。

また、支援地区周辺10km圏内の30村落を周り、産前検診の促進、母子感染予防、産後検診の促進、家族計画の推進と栄養失調の乳幼児ケアなどについて、村落健康増進の一環として支援しました。これにより、妊産婦および乳幼児の基礎医療へのアクセスの増進が図られました。

写真:診療を受ける母子

世界の医療団 とは

世界の医療団(フランス語でメドゥサン・デュ・モンド)は、世界各地に医療・保健衛生分野の専門ボランティアを中心に派遣し、人道医療支援に取り組む認定NPO法人です。国籍、人種、民族、思想、宗教などのあらゆる壁を越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべています。その支援対象は、自然災害・武力紛争・疾病・外傷に苦しむ人々です。

世界の医療団ホームページ
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