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第9話 株価が上がる会社を見つけるヒント(その2)

2016.07.27

「どんな会社の株を買うと良いのか」という問いに、株の神様が、決算やM&A など、いわゆる“材料”に頼るだけでなく、自分のお気に入りの商品の動きや過去の経験から深掘りする、あるいは連想することの重要性を説いてくれました。
一方で「近視眼的なうまい儲け話にはのらないのも重要」とささやいています。


神様:あなたは、ウォーレン・バフェットという方をご存知ですか?

T:ええ。世界有数の資産家ですよね。株に関心のある方であれば、名前は聞いたことがあると思います。

神様:バフェット氏は、世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの筆頭株主であり、同社の会長兼CEOも務めています。世界長者番付の常連で、今年(2016年)の発表では世界第3位で、推定資産は608億ドル(6.9兆円)。以前、400億ドル近い寄付をしたことでも知られています。ところで、彼がどこに住んでいるかはご存知ですか?

T:いいえ、やはりウォール街(金融街)に勤めているのでしょうから、ニューヨークでしょうか?

神様:いいえ、出身地の地元ネブラスカ州オマハを拠点としており、敬愛の念を込めて“オマハの賢人”と言われているのですよ。ちなみに、生活は質素で、数十年前に3万ドルほどで買った家に今でも住んでいるそうです。どこかの国の政治家とは随分違いますね。

T:(神様が珍しく皮肉っぽいので、少々驚きながら)彼は一代で株によって財を成した人物として有名なのですよね?どのような考え方で株を売買されているのでしょう?

神様:そう、それが本題でしたね。
第1に自分が事業の内容を理解できること。事業が自分にとって複雑すぎる例えばハイテクのような分野にはあまり手を出さないと言っています。

T:わからないものは買わないということですね。神様が、先日お話くださった「自分のお気に入りの商品」のお話と通じるものもありますね(→第8話参照)。

神様:第2に、長期保有です。「株式投資の極意とは、良い銘柄を見つけて、良いタイミングで買い、良い会社である限り、それを持ち続けること。これに尽きます」と語っています。このため、経営者の能力を重視し、尊敬できる経営者とだけ付き合う。
投資する際は、その経営者が安心して運営できる環境づくりをサポートします。
「買うのは企業、株ではない」との言葉に哲学が込められています。

Tさんは、神様の話を聴いていて、他人の薦める儲け話に便乗し、バタバタと近視眼的に一喜一憂しながら売買するのではなく、自分が理解のできる商品やサービスを扱い、経営者が信頼するに足る企業への投資を、しっかりと腹を据えて行うことが肝要なのだな、と改めて感じました。

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