株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、米中の貿易摩擦による株式市場へのマイナスのインパクトを心配するTさんに、それを超えて成長が期待できる分野も多くあることを神様が教えてくれています。

神様：例えば、2020年、次世代の通信規格5G（第5世代移動通信システム）の商用サービスが始まり、日本の通信インフラは10年ぶりに大きな転換点を迎え、私たちの生活や産業活動に大きな変化をもたらす可能性があります。

T：確かに5Gは、貿易摩擦に関わらず、国内で確実に成長が期待できる分野ですね。

神様：5Gの特色は、これまでの通信規格であるLTE（4G）に比べて通信速度が100倍以上に高速化し、通信容量が1000倍となることです。

T：高速でかつ大容量ですと、満員電車でのスマートフォンの繋がりにくさなんかも解消されるし、高画質な動画なども、ストレスなくやりとりできますよね。

神様：そうです。ライブ配信などで遅れがなくなる低遅延は、スマートフォンだけでなく、4K動画のような高精細動画のやりとりがストレスなく可能となることで、高精細画像を使った遠隔医療、ロボットなど様々な分野で応用されることになると思います。

T：そうかぁ、いわゆる携帯電話を中心とした通信分野だけでなく、かなり広く波及効果が期待できるわけですね。

神様：その通り。5Gでは、受信（ダウンロード）だけでなく送信（アップロード）の高速化や同時多接続が可能になり、大量の小型端末やセンサーとの間で情報のやり取りをするIoTにも適しています。

T：IoTというと、製造や物流、家電やセキュリティなどの市場も大きく拡大する可能性がありそうですね。

神様：関連企業の成長機会は想像以上に大きいと考えられます。ソフトウェア、計測機器、電子部品、半導体など、幅広い分野に恩恵をもたらすことになり、業績を伸ばす関連企業も多そうです。

T：なんだか、ワクワクしてきました！

神様：（ニッコリと微笑みながら）貿易摩擦は確かに心配ですが、それをただただ不安がるのではなく、意欲的に成長産業、成長企業を探す努力をしてゆきたいものです。

Tさんは、貿易摩擦を超えて成長しそうな産業や企業を、家族とも一緒にいろいろと探してみようと思いました。

（この項おわり。次回8/29「成長産業は歯？」を掲載予定）