第150話 半導体メーカーは買いか?(その2)

2019.04.10

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。春満開の公園で花見をしながら投資談義となり、半導体分野が、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、自動車の電装化、5G(第5世代移動通信システム)いずれの分野でも『頭脳』とし必要になるため、中長期的にも重要な分野だとの話になります。ただ、実際にいずれかの企業に投資となると簡単ではないと神様は言います。


T:それこそ日本人にとって桜が大切なように、半導体や半導体製造装置関連分野が産業全体で見ても長期的にも重要だということはよく理解できたのですが、個別の企業への投資は簡単ではないというのはどういうことでしょう?

神様:半導体及びその関連分野で、個別の企業への投資を考える場合は、プレイヤーが多様なため、よくリサーチし、動向をウォッチする必要があります。例えば、日本には、半導体製造装置の前工程で世界トップクラスの会社がありますが、その会社を主要顧客とする表面処理加工メーカーも注目です。溶射加工をコア技術として、半導体製造装置の部品に必要な表面の高機能皮膜を形成しています。

T:なるほど、その会社はよく調べたことがありませんでした。

神様:半導体製造の後工程でも、いろいろな会社があります。導体切断・切削用装置の大手メーカーで、ウエハを切り分けるダイシングソーの売上高世界首位の会社は、消耗品が安定収益源となっているため、好不調の波が比較的少ないかもしれません。

T:安定的な業績が期待できる会社は注目ですね。

神様:半導体や装置そのものではなくて、テスターの会社も面白いですよ。先端技術でリードし、DRAM分野で競争力の高い日本企業は、半導体の性能向上に伴い、テスター需要が拡大しています。その他にも、半導体向け洗浄装置や、空気圧制御機器、流体制御機器、半導体露光装置等、調べてみると投資に値する会社があると思います。

T:(神様の博識に感銘を受けながら)この分野は技術的に理解することが難しそうだなと思っていたので、正直言うと少々敬遠していました。これから勉強します!

神様:自力で勉強するのもよいですが、この分野の企業は、大手から中堅まで規模も多様ですし、海外プレイヤーの動向も抑えておく必要があります。

T:自分で調べるのも労力がかかりそうですね。

神様:事業展開も多様で、業績を安定させるために液晶製造装置、中古半導体製造装置、メンテナンス事業等の周辺分野に事業を広げている企業もありますし、リスク分散のため半導体に限らず自動車等、他分野の事業も幅広く展開している企業や、有機EL製造装置等の新規分野に注力している企業もあります。この業界のウォッチを続けている信頼できるリサーチャーやアナリストのレポートの意見を読んだり実際に聞いたりするとよいでしょうね。

(この項終わり。次回4/17「医療分野で期待の後発医薬品」を掲載予定)

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