第149話 半導体メーカーは買いか?(その1)

2019.04.03

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、春満開の公園で花見をしながら投資談義です。


T:桜が綺麗ですね〜。みんな一生懸命スマホで写真を撮っているなぁ。写真を撮っていないのは我々くらいですね。

神様:世が移り変わっても桜が我々にとって大切なものであるように、産業が移り変わっても重要なものがあります。何だかわかりますか?

T:(お花見気分なのにずいぶん重い問いだなと思いつつ)うーん、情報通信技術、いわゆるITでしょうか?

神様:近いですが、正解ではありません。ITの象徴、スマホですら新しい何かにとって変わられる可能性もあります。一方、新しいデバイスが登場しても、おそらく変わらず必要とされるものがあります。

T:あっ、半導体ですか?

神様:さすがですね。当たりです。

T:ただ、2019年1月の世界半導体売上高は、2年半ぶりに前年を割り込んだと報じられています(米半導体工業会:SIAが発表)。半導体製造装置(以下SPE)の方も、2019年の世界SPE販売額が596億ドルと、過去最高を更新した2018年推定の621億ドルから減少を予想しています(世界的な業界団体:SEMI予想)。日本製SPEの販売は高水準を維持する一方、前年比の伸び率は縮小傾向にあると聞きました。

神様:ほー、よく調べていますね。感心です。スマートフォンの販売不振や、データセンターの設備投資抑制などを背景に、メモリ価格の下落が続いていることなどが響いているようですね。

T:(褒められて嬉しそうに)ありがとうございます。

神様:一方で、半導体は民生用を筆頭に様々な分野に使用されています。足元では、パワー半導体やイメージセンサなどは旺盛な需要が続いている模様です。メモリ需要減退の一因であるパソコン用中央演算装置の供給不足も解消すると見込まれ、世界のSPE市場は2019年の踊り場を経て2020年に再び成長が加速し、前年予想比21%増の719億ドルと過去最高を大きく更新するとの予想もあります(SEMI予測)。

T:ただ、やはり半導体及び半導体製造装置がいくら産業界で重要といえ、栄枯盛衰はありますよね。半導体ですら、不変ではなく波があるようにも見受けられます。

神様:サイクルとして市況や収益の浮き沈みはあるでしょう。ただ、トレンドとして見た場合、『電気信号を制御することにより様々な電子機器や装置の情報処理機能の頭脳的役割を担う』半導体及び半導体製造装置は長期にわたってまだまだ需要があると見られます。

T:なるほど、わかってきました。スマホのような端末は10年〜20年で大きく取って代わられる可能性がありますよね。20年前にスマホはなかったわけですから、20年後に全く新しい端末が誕生している可能性もあるでしょう。でも、半導体は無くならないということですよね。

神様:そういうことです。半導体は、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、自動車の電装化、5G(第5世代移動通信システム)いずれの分野でも『頭脳』として必要になります。もちろん、今の半導体に代わり『頭脳的役割』を演じる発明があるかもしれませんが、それこそ桜の寿命のように50年以上、場合によっては100年以上、半導体は必要とされる可能性があると思います。

T:よく、理解できました。では、半導体や半導体製造装置関連に投資しておくとよいということですよね?

神様:ところが、ことはそう簡単ではないのですよ。

T:えっ、どういうことでしょう?

(この項つづく。次回4/10掲載予定)

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