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第172話 経済効果4,372億円 ラグビーW杯は「コト消費」に注目

2019.09.11

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は銀座のカフェで、アイスコーヒーを飲みながらの投資談義となりました。


神様:前々回に、訪日外国人観光客の消費動向について、買い物などの「モノ消費」から、日本の文化体験などの「コト消費」にシフトしている、という話をしました (第170話 「モノ」から「コト」へ 訪日外国人の変化) 。今回はその続きの話をしましょう。

T:もうすぐ日本で初めて開催されるラグビーワールドカップが始まりますね。

神様:鋭いですね。その話をしようと思っていました。ラグビーワールドカップが始まったら、訪日外国人の日本での滞在動向をよく観察してみてください。来年の東京オリンピック・パラリンピックのときの参考にもなるでしょう。ところで世界三大スポーツイベントは何か、ご存知ですか?

T:オリンピックとサッカーワールドカップとラグビーワールドカップですか?

神様:異論もありますが、そのように言われていますね。ちょっと漠然とした質問ですが、Tさんなら、この三大スポーツイベントを見比べて、ラグビーワールドカップで注目するとしたらどんなところを注目しますか?

T:注目すべき点ですか?競技種目数で言えばオリンピックが圧倒的に多いですから、オリンピックが一番集客数も多いでしょうし、経済効果も高いでしょうね。サッカーは単独競技ですが世界中で愛されているスポーツですし、私も大好きです。ラグビーは、実は私はしっかり見るのは今回が初めてです。そう聞かれると難しいですね。

神様:ラグビーも世界中に熱狂的なファンがいますよ。今回注目すべきなのは、開催期間です。ラグビーワールドカップは、9月20日から11月2日まで44日間にわたって行われます。一般的に、サッカーワールドカップは32日間、夏季オリンピックは17日間ですので、実は、ラグビーワールドカップが最も開催期間が長いのです。

T:なるほど。単純に訪れる外国人が増えるだけでなく、試合と試合の間の空き時間も多くなりますね。自由に使える時間も増えますし、訪れた外国人は、自国のチームが勝ち上がれば日本に長期間滞在することになりますね。

神様:その通りです。日本全国12の開催都市で、空き時間にどのように過ごすのか注目しましょう。公益財団法人RWC2019組織委員会によると、今回のワールドカップでの経済効果は4,372億円、そのうち開催による直接効果は1,917億円と予測しています。また、直接効果の内訳のトップは訪日外国人客による消費で1,057億円と予測しています。参考までに、国内の観光客による消費予測は160億円です。

T:外国人と日本人とで大きな開きがありますね。

神様:ですから、国内消費だけを見ていると、動向を見誤ることになります。この前もお話したように、今回の注目は「買い物」ではありません。宿泊や飲食、そしてエンターテインメントなどの「体験」に対して、日本を訪れた人々がどのようにお金を使うか、また、もてなす日本側も、訪日外国人のニーズにどのように応えられるか。この44日間は、私達にとっても熱い日々になりますよ。

T:「コト消費」ですね。民泊も含めた宿泊サービス、スポーツイベント中継ができる飲食店、キャラクターとコラボレーションしたカフェや日本の食文化を体験できるレストランなど、私も注目したいと思います。

Tさんは、ラグビーワールドカップが開幕したら、試合をテレビで観るだけでなく、街を歩いて訪日外国人客の様子を見てみよう、また、実際に競技場に行き、外国人ファンと一緒になって盛り上がってみようと思いました。

(この項終わり。次回9/18「少子化・ニーズ減少…鉄道事業の「変革」」掲載予定)

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