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第170話 「モノ」から「コト」へ 訪日外国人の変化

2019.08.28

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は浅草の茶屋で冷茶を飲みながらの投資談義となりました。


T:さすが浅草ですね。外もお店の中も、あちこちで外国語が飛び交っていますね。

神様:今日は訪日外国人をテーマにお話しましょうか。

T:はい。よろしくお願いします。

神様:2018年の訪日外国人観光客数はどのくらいかご存知ですか?

T:確か、約3119万人で、過去最高を更新したのですよね。政府は2020年に4000万人を目標としています。

神様:その通りです。投資家のTさんなら、すでにどのような事業や企業に注目すべきか、調査済みですよね。

T:(不意に尋ねられたためやや驚きながら)ええ、そうですね。以前は中国人観光客による「爆買い」が目立っていましたが、最近は減少し、日本の古くからの文化を体験する旅など、「体験」が人気を集めているようです。 (第38話 日本の“強みを伸ばす”企業を見つける(その2))

神様:いい視点ですね。

T:それから、日本の強みを生かした企業にも注目したいと思っています。2013年には和食がユネスコの無形文化遺産に登録され、和食などの食文化体験のインバウンド需要も期待できますし (第69話 日本の「食」は成長分野(その1)~和食文化とインバウンド需要) 、アニメをはじめとした日本の放送コンテンツは海外にもファンが多いですよね (第161話 世界に広がるジャポニズム!海外で人気の日本のコンテンツ) 。アニメや映画の関連会社にも注目しています。

神様:素晴らしいと思います。冴えていますね。

T:(神様に思いきりほめられて照れながら)ありがとうございます。

神様:訪日外国人観光客の消費動向調査を見てみると、訪日外国人観光客数が増加しているのもありますが、1人当たりの消費額が増え、娯楽やサービスへの消費志向が高まっていることがわかります。また、滞在中の行動を見ると、モノの消費がメインではありますが、次回の訪日時にしたいこととして、日本の伝統文化体験や日常生活体験などへの希望が多く、「体験」が存在感を高めていることがわかります。消費トレンドで言えば、「モノ消費」から「コト消費」へ変化しているのです。

T:「モノ消費」から「コト消費」へというのは、私達の消費動向だけでなく、訪日外国人についても言えるのですね。今後東京オリンピックや大阪万博へ向けて訪れる外国人は増えますし、さらに体験型のエンターテインメントなどが盛り上がっていくと考えると、その関連企業は期待できそうですね。

神様:訪日外国人もリピーターが増えています。体験型の消費も、最初は日本の伝統文化などが多いかもしれませんが、今後は強みを生かす意味においても、アニメなど今の日本の文化の体験へシフトしていくかもしれませんね。

T:最近、人気アニメのキャラクターとコラボレーションしたカフェが賑わっていると聞きました。世界中にファンがいる日本のアニメや映画とコラボレーションしたカフェやアミューズメント施設は、今後は訪日外国人の娯楽先として賑わっていくかもしれませんね。投資先としても、そのようなカフェ、エンターテインメント施設やレジャー施設の運営会社を調べてみようと思います。

神様:それから、「コト消費」の次の消費動向は何だと思いますか?ぜひ考えてみてください。私達と訪日外国人観光客の消費動向は同じではありませんが、同じ消費トレンドをたどっているのだとすれば、良いヒントになると思いますよ。

T:なるほどそうですね。考えてみます。

Tさんは、訪日外国人だけでなく、私達の消費動向の最新トレンドも考えながら、今後の訪日外国人向けの娯楽として何が注目されていくのかを踏まえて、投資したい企業を調べてみようと思いました。

(この項終わり。次回9/4「防げ!車の凶器化 「あおり運転」で注目の投資先」を掲載予定)

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