第169話 サイバー攻撃対策に投資する

2019.08.21

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。今日は夕食後、テレビを見ながら投資の話になりました。


S:東京オリンピックまで、ついに1年を切ったね!

Y:来年の今頃は日本中が盛り上がっているよ。今のうちから心の準備をしておかないとね。

T:この前も東京オリンピックの話をしたけれど (第153話 東京五輪で期待の投資先(その1)) 、東京オリンピックに関連して、どんな企業に期待できるか、覚えているかな?

A子:テロ対策や訪日客の安全確保のために、警備やセキュリティ関連の企業への期待が高まる、という話をしたのよね。

T:そうだね。セキュリティに関連してもうひとつ、対策をしておかなければいけないことがあると思うんだけど、何だと思う?

S:警備会社のほかに?うーんなんだろう、サイバー攻撃とか?

T:その通り!よくわかったね。世界中から人が集まってくるオリンピック・パラリンピック期間中は、日本国内のインフラなどを狙ったテロ対策などが重要になるけれど、最近はサイバー攻撃、サイバーテロ対策も重要視されているよ。

S:今からハッカーをたくさん雇っておかないとね(笑)。

T:本当にそうだよ。国内のサイバー犯罪の検挙数は毎年上がり続けていて、情報セキュリティ対策の不備によって大きな損害を出す企業の事件も発生している。一方で、情報セキュリティの専門家や専門知識を持った人がまだまだ不足しているから、対策が追いついていないのが現状なんだ。

A子:需要に供給が追いついていないのね。きちんと投資しないとね。

T:その通り。僕らにとっても深刻な問題だよ。情報処理推進機構(IPA)が発表した情報セキュリティ10大脅威2019(個人)によると、1位はクレジットカードの不正利用で、2位はフィッシングによる個人情報等の詐取なんだ。身に覚えがないかな(笑)。

Y:え?あるかも!よく使うショッピングサイトからメールが来たと思って、よく見たら詐欺メールだったの。もう少しでクレジットカード情報を入力して送信するところだった!メールが本物そっくりなんだもん。

T:よく気づいたね、危なかったね。こういう不正は年々巧妙になっているから、気づかずに被害に遭ってしまわないよう注意しないとね。

A子:オリンピック・パラリンピックが終わった後もサイバーセキュリティ関連の企業は注目した方がいいのかしら?

T:東京オリンピック・パラリンピックの後も、引き続き注目したいと思っているよ。例えば、IoT機器へのサイバー攻撃はまだそれほど目立っていないけれど、将来日本で自動運転車が普及する (第159話 自動運転と産業社会の未来) と、IoT機器を通じた自動運転車へのサイバー攻撃もあり得るよね。誰かに車を勝手に操作されたり、交通システムがまひすることも考えられるから、サイバー攻撃への対策はいっそう重要になってくると思う。

A子:自動運転なんて夢みたいだわ。でも乗っている車が勝手に操作されたら、怖くて乗れないわね。

T:今、国内の情報セキュリティ市場の規模は、2019年度まで右肩上がりで伸びていくと予想されているけれど、オリンピック後も伸び続けるのか、市場がどのように変化するのか注目したいね。

A子:情報セキュリティ対策のサービスに取り組んでいる企業はもちろんだけど、IoTとか、将来の自動運転システムへ向けた対策に取り組んでいる企業も調べてみた方がいいわね。

Y:私は詐欺メールにだまされないように気をつけるわ(笑)。

(この項終わり。次回8/21「「モノ」から「コト」へ 訪日外国人の変化」を掲載予定)

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