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第153話 東京五輪で期待の投資先(その1)

2019.05.01

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。東京五輪の話も、投資の話につながるようです。


S:いよいよ東京五輪のチケットが売り出されるね!サッカーのチケット欲しいなー

Y:私、スケートボード観に行きたい!

A子:私は、観戦はテレビでいいから、五輪を機に伸びる企業の株を買いたいわ。

S:ママが、儲かったら五輪のグッズを買ってほしいな(笑)。

T:儲かるか、儲からないかは置いておいても、いよいよ五輪まで1年だから、代表選手やメダルの予想だけでなく、どんな企業の業績や株価が上がるかを予想するのも、社会勉強だし、面白いよね。

Y:海外も含め観光客が増えるから、飛行機や電車、タクシー等の交通機関は当然お客さんも売り上げも増えるよね。ホテル等の宿泊施設や飲食業も。

S:五輪で活躍が期待される有名選手の競技のスポーツ用品を作ったり、売ったりする会社もきっと伸びるよね。

A子:人が大勢集まるから、テロ等の事件が本当に怖いわよね。そうすると、セキュリティや警備の関連の会社への需要が高まるんじゃないかしら。

T:それは、よい目の付けどころだね。すでに、首都圏を中心とした再開発に伴う新築ビルの警備ニーズの高まりや、鉄道業界では安全性確保のためにホーム上に配置する警備員増員など、五輪を睨んで、あるいは五輪に限らず、警備やセキュリティ関連の企業への期待や需要は高まっているようだよ。

S:さすが、ママ、冴えているね!

T:ちょっと数字を調べてみようか(とスマホで検索し…)。全国警備業協会によると2017年の警備業総売上高が前年比1.5%増の3兆4,761億円と、5年連続で増加したそうだ。

また、非製造業の生産活動を表す第3次産業活動指数では、2011年5月以降、2019年1月までを見ると、警備業(116.5)が総合指数(106.5)を上回って推移している。伸びている業界と言えるよね。

Y:国際的なスポーツイベントと言えば、今年は、9月にラグビーW杯も開催されるよね。

T:そうだね。2020年の東京五輪の後には、2021年にワールドマスターズも開催される。さらには、2025年には大阪万博がある。国際的なイベントの開催は警備需要の拡大を促す。
足元では人手不足を背景とした警備業務外注の動きもあるから、警備・セキュリティ関連の企業への投資は十分検討の価値があるね。

A子:早速調べてみなくちゃね!

T:警備・セキュリティは、まず、常駐の警備員を派遣する人がメインのサービスがイメージできるよね。その中でも各社、オフィスや商業施設から、鉄道、イベント警備や交通誘導、輸送警備や要人警護等、駐車場警備や警備員による受付・案内業務等、それぞれ得意領域があるし、それぞれ地域基盤もある。

Y:警備と言っても、いろんな種類があるのね〜

T:そう。しかも最近は、ICT(情報通信)を利用した機械警備へのシフトが進んでいる。これも家庭向けのB to Cの分野とオフィス等B to Bの分野がある。そして、ロボットやドローン、画像認識技術を活用した高度なサービスも普及し始めている。

A子:技術革新や新規サービスで成長が続くと期待できる企業を探すといいということね。

T:機械警備は比較的大規模な設備投資と一定水準以上の事業規模が求められ、参入障壁が高いとみられるからね。先行した会社が有利と言えそうだね。一方で、セキュリティ事業を中核に、綜合管理・防災事業、介護事業といった周辺領域もビジネス展開の可能性がある

S:警備って、奥深いんだね。

T:そうだね。奥深いと言えば、もとの話に戻ると、『五輪で儲かる期待の会社』には、「風が吹くと桶屋が儲かる」のように、意外であまり知られていない業界もあるよ。

(この項つづく。次回5/8掲載予定)

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