第152話 医療費抑制で活躍する企業

2019.04.24

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、春の温かい日差しと新緑眩しい公園で投資談義です。


神様:あなたは『2025年問題』をご存知ですか?

T:はい。団塊世代の高齢化で、2025年には国民の約1/5が後期高齢者という超高齢化社会を迎えることです。高齢になれば罹患率が高くなる傾向にあるため、医療費がさらに膨らんでいくことが懸念されています。

神様:その通りです。厚生労働省が発表した2017年度の概算医療費は、前年度比2.3%増の42.2兆円と過去最高額になりました。人口の13.8%を占める75歳以上の後期高齢者の医療費は、全体の37.9%で、前年度比4.4%増と伸長。高齢者の医療費の増加は現実的に大きな課題となっています。

T:医療費は国家予算の約半分を占めるまでになっています。削減は、喫緊の課題ですね…

神様:逆に言えば、医療費削減に取り組む企業の活躍や、最新のICT(情報通信技術)の応用で新しいサービスを提供するヘルステック市場の活性化に期待できる、良い投資対象になるということです。

T:先日、家族で義父の誕生お祝いをしたのですが、その時に、後発医薬品の普及の話になりました。 ( 151話「医療分野で期待の後発医薬品」 参照)

神様:後発医薬品の使用促進ももちろん医療費削減の有力な手段です。

T:うちの妻は、後発薬大手への投資に関心を持っています。

神様:それも良いですし、他にも活躍が期待される企業がいろいろとありますよ。あなたは、『医療費適正化計画』をご存知ですよね?

T:はい。国が医療費を抑制するために、6年を1期として定める基本方針です。後発医薬品の使用促進をはじめ、入院期間の短縮、糖尿病重症化予防等への試みが掲げられています。

神様:その通りです。具体的な計画は都道府県が決めて取り組みます。その計画作成を、自社開発のデータベースとシステムを活用して支援するデータヘルス関連サービスの会社も注目かもしれません。レセプト二次点検なども手掛けています。

T:そういう企業もあるのですね。

神様:マッサージ事業も面白いですよ。

T:マッサージ!?ですか?

神様:歩行困難などで通院できない人に、高付加価値の医療的マッサージや機能訓練を兼ねたマッサージを提供するサービスです。マッサージは国家資格の「あん摩マッサージ指圧師」が、医師の同意書の基で施術します。

T:なるほど、寝たきりになるのを防いだり、在宅医療や介護を支援する取り組みですね。

神様:『医食同源』の言葉通り、医療関連の食の分野も注目企業があります。自社及び委託工場で調理した食材を、フランチャイズ加盟店から在宅高齢者へ、自社から直接高齢者施設へ、そして同業他社にOEM供給と多様なチャネルで高齢者向けの配食事業を展開している会社への投資も一考の余地があるかもしれません。

T:妻は、食に関心が強いので、後発医薬品メーカーよりもそちらに関心を示す気がします。

神様:入院期間の短縮の施策との関連では、末期がんと難病患者を対象に、「看取り」ケアをホスピス住宅と在宅ホスピスサービスで提供する会社があります。ホスピス住宅はサービス付き高齢者向け住宅などで、看護師が24時間365日体制で緩和ケアをします。

Tさんは、医療費増加という子供達の未来に負担を残しそうな大きな課題に対して、後発医薬品に限らず、様々な領域で活躍しそうな企業を妻と幅広く調べてみようと思いました。

(この項終わり。次回5/1「東京五輪で期待の投資先(その1)」を掲載予定)

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