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第69話 日本の「食」は成長分野(その1) ~和食文化とインバウンド需要

2017.09.20

株の神様に投資の本質を教えてもらっているというTさんの奥様A子さん。はじめは夫の投資熱を心配して友人のフィナンシャルプランナーB美さんに相談していたA子さんも、今ではその魅力にすっかりはまり、B美さんとお茶をしながら投資の話をするのが楽しみになっています。


A子:今年の夏は、何だか変な天気だったわね。

B美:蒸し暑くて過ごしにくかったわね。雨も多かったし。

A子:野菜やお米などの農作物の生育が心配よね。

B美:そうそう、日本の『食』は国の政策でも重点になるから、投資分野としても楽しみだし、お天気も後押ししてほしいわよね。

A子:国の重点って言えば、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたわよね。前からちょっと疑問に思ってたの。あれって、天ぷらや寿司が登録されているってことなのかしら?

B美:イメージだと、「和食の無形文化遺産」と言うと、料亭で食べるような懐石料理なんかを思い浮かべちゃうわよね。でも、今回の『和食』の定義には、どんなものかという詳細は記載されていないそうよ。

A子:え? そうなの? わたし、焼き鳥や蕎麦・うどん、お好み焼きとか、日本ならではのB級グルメが対象なのかなぁと考えちゃったわ(笑)。  

B美:そもそも、ユネスコの無形文化遺産は、民族文化や伝統技術など、形のない物の保護を目指しているの。日本から伝統的な日本食という食文化が消えつつある、そんな風潮の中で、日本人が和食文化について考え、良さを再認識するきっかけとすること、日本の食文化を次世代に向けて保護・継承する機運が高まることが狙いだそうよ。

A子:随分、高尚なお話なのね。

B美:大事なのは、社会的慣習を伝えること。お正月におせち料理を食べる文化や、おめでたいときにお赤飯を食べる文化、そういうものを大切にすることが主眼よね。

A子:和食の『おかず』やメニューの登録よりも、季節や慶弔の行事を大切にということね。

B美:日本は観光立国を目指しているでしょう。国内での食文化の継承に加えて、登録の意義のひとつに、海外の観光客へのアピール狙いという見方もあるのよ。

A子:へぇ~。確かに、登録されれば海外の方にも話題になるものね。

B美:いわゆるインバウンド需要という意味では、和食文化の体験のようなサービス、例えば地方の伝統的な節句の料理を食べくらべるツアーや、料理体験といったビジネスについて取り組む会社は注目よね。それにA子が言うとおり、日本のおかずやB級グルメも、地方によってとってもバリエーションがあるから、外国人がリピートしたり、様々な土地を訪れるきっかけになるわよね。

A子:都内でも外国人向けに寿司を握る体験教室が賑わっているみたい。そういうわかりやすい食体験はビジネスとして成長しそうよね。

B美:国内での食や観光の消費だけでなく、日本から農産物の輸出額を増やそうとしている動きもあるのよ。それも投資の観点で言ったら成長分野よ。

A子:食品の輸出!が成長ビジネスなの??

(この項つづく)

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