兜のささやき兜のささやき

第18話 株式投資の秘訣

2016.09.28

フィナンシャル・プランナーのB美さんは、友人のA子さんが、夫Tさんの株式投資への熱中ぶりを心配していたので、相談に乗ってあげました。株自体は投資する会社をきちんと選べば危ないものではないと安心させましたが、Tさんが兜町の株の神様に投資の秘訣を教わっていると言っているそうで、ちょっと怪しいなと思い、とある週末、ご自宅にお邪魔して直接話を聞いてみることにしました。


T&A子:いらっしゃいませ!

B美:お言葉に甘えて、遊びに来てしまいました。株の神様のささやきの話が気になってしまって。

T:そんなに興味を持って頂いているとは、びっくりです。

A子:まあ、食事でもしながらゆっくりお話しましょう。

B美:はい、と言いつつ、早速伺いたいのですが(笑)、株の神様の声はいつ聞こえるのですか?その内容は秘密じゃないのですか?私に話して大丈夫なのですか?

T:ははは、矢継ぎ早ですね。聞こえるのは、夜や目覚め時の、いわゆる“夢うつつ”状態の時ですよ。神様は、オープンな方で、皆に株の投資で成功してほしいと思っていらっしゃるので、その教えを他の人に伝えるとかえって喜ばれますよ。

B美:そうなのですね。これまでの教えで一番印象的だったのは、どんなことでしょう?

T:そうですね、どれもこれもためになっているのですが、最初に教えて頂いた「冬に麦わら帽子を買い、夏に火鉢を買いなさい」(第2話参照)は、インパクトがありました。

A子:何それ?今どき、火鉢を買う人いないでしょ。

B美:(A子を見て笑いながら)全体の動きと逆張りしなさい、というようなニュアンスでしょうか?

T:B美さんの言う通り。麦わら帽子は夏のものであり、冬には見向きもされず、季節外れで買おうと思えば安く買えます。夏の暖房具も同じです。株は、注目されてない時期、誰もが今は手を出さない・・・という時が、実は買い時のことが往々にしてあるということです。

B美:言うのは簡単だし、頭でわかっていても、なかなか実行が難しい真理ですよね。市場全体の動きに反して、『この時に買う勇気』、冬に麦わら帽子、夏に火鉢を買う度胸が試されますものね。

T:その通りです。しかも、もう一つ意味があって、麦わら帽子や暖房具のように、表面的には季節による要不要はあるものの、本質的には必ず必要とされる『根強さ』があるものは、なおさら、見向きもされない時に買っておくとよいということなのです。

B美:なるほど、企業の『根強さ』、真の実力を見抜きなさいということですね。深いわ~。
他にはどんなことを教わったのですか?

T:短期的に儲かりそうな話に安易に乗らずに、長期的視野で投資しなさいということかな。世界有数の投資の成功者バフェット氏も「株式投資の極意とは、良い会社を見つけて、良いタイミングで買い、良い会社である限り、それを持ち続けること。これに尽きる」と言っています(第9話参照)。

B美:それもシンプルな真理だけど、実行は簡単ではないですよね。それに、出発点となる良い会社を見つけることが難しいわ。

T:よくわかっていますね!その通り。良い会社を見つけるには、経営者をよくよく調べることが必要です。具体的には、事業と人材と双方にビジョンを持つ創業トップがいるか、それを支える創業トップと違う強みを持つNo.2の経営者がいるか、創業トップの後の経営者を意図的・仕組み的に育てているか、といったことを、メディア等を通じて把握することが大事となります。
・・・

話は尽きず、株の投資の秘訣が次から次へと話題となりました。B美さんは、Tさんが神様から教わったという話がどれも本質的で道理にかなったもので、安易で怪しい儲け話ではないと感じ、これならA子さんが心配する必要は無いな、とひと安心しました。もしかしたら、Tさん自身の経験や勉強したことが「神様のささやき」という形で本人に還ってきているのかも等と思いつつ、自分にとっても株式投資のポイントを再確認する良い機会となり、感謝しました。

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