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第219話 スマホカメラから広がる「イメージセンサ」活躍の場

2020.09.02

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、駅前のカフェで投資談義を行っています。


T:最近はiPhone12発売に関するうわさが飛び交っていますね。5Gに対応するとか、カメラが3眼から4眼になるとか。神様はいつ発売されると思いますか?

神様:私には次期iPhoneがいつ発売されるのかは全くわかりません。うわさはうわさですからね。

T:確かにそうですよね。失礼しました。

神様:しかし、以前もお話ししました (第180話 今年の話題商品に注目 スマートフォンから見える未来) が、スマートフォンのカメラの多眼化については面白い現象であると感じています。2019年だったと思いますが、Tさんは覚えていますか?

T:覚えています。2019年の11月でした。ちょうどiPhone11が発売された後ですよね。IoTや5Gの普及に伴ってスマートフォンのカメラが情報収集で重要な役割を果たす、というお話でしたね。

神様:カメラ業界について、近年どんな変化があったのかをもう一度振り返っておきましょう。まず、デジタルカメラの登場により、フィルムカメラの販売が減少していきました。その後はカメラ付き携帯電話(ガラケー)が、続いてスマートフォンが普及し、携帯で気軽に写真を撮り、SNSなどに投稿して楽しむ文化が浸透しました。一方でデジタルカメラの販売は減少していき、今では一般的に「写真を撮る」と言えばスマートフォンで撮ることが中心となっていますね。

T:1999年からのカメラの各機器の販売数の推移を見ると、この20年間で非常に激しい変化が見られたことがわかります。

神様:本当に、カメラ業界は激変の20年でした。

T:一方で、スマートフォンのカメラは今後も重要な位置を占めていきそうですね。

神様:スマートフォンカメラには画像を電気信号に変換するイメージセンサが搭載されています。センサにはCMOSセンサとCCDセンサの2種類がありますが、CMOSセンサは相対的にコストが安く、消費電力が少ないことからスマートフォンのカメラモジュールに採用されています。スマートフォンのカメラは一眼レフに比べれば画質は劣りますが、それを補うためにレンズの多眼化が進んでいます。

T:実際、CMOSセンサの世界への出荷台数を見ると、2020年まで右肩上がりで拡大を続けていますね。今後のスマートフォンでさらなる多眼化が進めば、さらに需要も増えるということですね。

神様:その通りですが、今後は、CMOSセンサのスマートフォン以外での活用が広がっていくと思います。CMOSセンサはスマートフォンだけでなく、例えば監視カメラでも使われています。そして今後は、車の自動運転や遠隔医療などで重要な役割が期待されています。これらIoTの活用にもイメージセンサは欠かせません。

T:確かに、自動運転用の車のデザインを見ると、人間の目の役割をするイメージセンサがたくさん活用されていることがわかります。車の安全を司る重要な機器でもありますね。

神様:さらに、今後はAIとイメージセンサの組み合わせも期待されます。顔認証や年齢判定など、AIを用いた画像処理は身近なものになりつつあります。これからは視野を広く持って、イメージセンサで技術を支える企業の活躍の場の広がりに期待しましょう。

(この項終わり。次回9/9「気候変動問題 世界で進む「脱炭素化」日本の今後は?」掲載予定)

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