兜のささやき兜のささやき

第22話 株と会社の応援

2016.10.26

兜町の株の神様に、株式投資の本質を教えてもらっているというTさんは、「お金や株のことを子供が早いうちから学んだ方が良い」という妻のA子さんのアドバイスにより、子供達にその教えを伝えることにしました。高校生の娘Yと中学生の息子Sに、ある土曜の夕食後にレクチャーを開始しました。


T:『株』に対してどんなことを知っていて、どんなイメージを持っている?

S:う〜ん、お金儲けのためにするもの?

Y:上がったり、下がったり、賭け事みたいなもの?パパは競馬やパチンコはやらないけど、株は好きよね。

T:うん、そうだね。お金を殖やすことが目的で、会社に『賭ける』という側面は確かにあるけど、もっと大事なことは、ある会社が発行する株式を持つということは、その会社を所有するってことなんだよ。

Y:会社は、その会社の社長のものじゃないの?

T:株式を持っている株主のものなんだよ。社長や役員が株を持っている場合も、もちろんあるけど。大きな会社や有名な会社は、パパのような普通の人が多勢で少しずつ株を持って成り立っている場合も多いんだよ。

S:パパが会社を持っているの?すごいね〜、結構偉いんだー

T:上がったり、下がったり、買った会社の株価の上下に目が行きがちだけど、株主の本当の魅力は自分が株式を持っている会社の応援なんだよ。だって自分の会社なんだからね。

Y:へえー、じゃあパパは「どの会社を応援してみようかしら」と考えて株を買うんだ。

T:そうだよ!「この会社は自分がいいなと思う製品やサービスを提供してくれる、もっと頑張ってほしいな」という思いから株主になって応援するということなんだ。例えばN自動車とT自動車は二人とも知っているでしょ? 

S:テレビのCMでよく見るよ!

T:パパはどちらの株も持っているんだけど、それは両社とも、地球温暖化のひとつの原因とされる自動車の排気ガスを全く出さない電気自動車の開発に力を入れているからなんだ。

Y:ふーん、儲けるためじゃないんだ。

T:それ以上に、二人が大人になった時に、暑くて暮らせない世の中にならないよう取り組んでいる会社を応援したいという気持ちが強いんだ。

S:へえー、僕たちの将来のことまで考えてパパが株を買っているなんて、思いもしなかったよ。パパの趣味かと思っていた。
(つづく)

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