兜のささやき兜のささやき

第23話 株と会社の応援(その2)

2016.11.02

兜町の株の神様に、株式投資の本質を教えてもらっているというTさんは、「お金や株のことを子供が早いうちから学んだ方が良い」と考え、高校生の娘Yと中学生の息子Sに、レクチャーを開始しました。二人は、父親が単純に儲けるための趣味ではなく、自分たちの将来のことまで考えて応援する会社を決めている、という話が初耳でとても興味を持ちました。


Y:パパは株を買う時に、他にどんなことに注意して決めているの?

T:一つ大事なことは、応援する会社を決めるわけだから、長くお付き合いしようと思っているよ。

S:Jリーグやプロ野球のチームを応援するのと一緒だね!プロ野球の広島カープは25年ぶりにリーグ優勝したけど、この間ずっとファンだった人も多いみたいよ。

T:その通り。本当のファンなら、ちょっと負けが続いたくらいでは、ファンをやめないよね。

Y:逆に励ますでしょ。本当のファンなら!

T:そう、株も同じで、短期的にちょっと下がったくらいでは、パパはあたふたしない。つまり買った株をすぐに売ったりしない。ただ、プロ・スポーツで監督が大事なように、会社の経営者が優秀かどうかはよく見るよ。これも気をつけている2番目のポイントだね。しかも、今の経営者だけでなくて、次の経営者も優秀な人になりそうかも注意して情報を集めている。

Y:いいリーダーがいるチームを長い目で暖かく見守るのね~。でも、それで儲かるの?サッカーや野球のチームを応援していてもお金はもらえないわよね?しかも、株をすぐには売らないのだったら、いつお金をもらえるの?

T:プロ・スポーツと違うところは、スポーツの場合はファンを続けると勝利や優勝という「喜び」を返してくれるけど、株の場合は、会社が良いビジネスをして儲かるとその一部を配当金という形で「お金」で返してくれるんだよ。今は、銀行にお金を預けてもらえる利息よりも、この配当金の方が多い会社がたくさんあるよ。

S:ファンを続けるとお金をくれるなんて、いいね!

T:それに良いビジネスをして儲けることを続ける会社は、長い目で見ると株価が何倍にも上がるんだ。そうするとファンをやめずに、一部の株を売るだけでも、ちゃんと儲かるんだ。

Y:なんか、いいことずくめね!私も株をやってみたくなってきた。

T:もちろん、会社が潰れてしまうリスクは必ずあるから、その会社が好きという理由だけでなく、その会社の懐状況、つまりどれだけ売上をあげてお金が入ってきて、どんなことに使っているのかも、ちゃんと見なきゃいけないよ。これが3つ目のポイントだね。

S:お金を預けた会社が潰れちゃったら、全然お金が戻ってこないんだよね。それは、大変だ!

T:あっそうそう、プロ・スポーツの世界でも、面白い例があるよ。FCバルセロナは知っているよね?

S:もちろん!メッシがいるチームだよねー

T:FCバルセロナはソシオという会員制度があって、ファンでありながら会社でいう株主のような役割もあるんだ。会費を払うと、年間シートの購入権や特典グッズをもらえるのは他のチームでもあることだけど、それに加えて経営を担う会長の選挙権が与えられる。自分が応援するチームの未来を決める経営者を選ぶ権利をもらえるなんて面白いし、バルサが強いチームであり続ける力の源泉かもしれないね。

家族の株についての会話は、夜更け過ぎても続くのでした。

※次回は、11/9(水)に「バーチャルリアリティと株」について掲載予定です。

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