兜のささやき兜のささやき

第25話 バーチャルリアリティと株(その2)

2016.11.16

兜町の株の神様に、株式投資のコツを教えてもらっているTさんは、今後の成長分野と期待されるバーチャルリアリティ(仮想現実=VR)関連株への投資の是非について聞いたところ「あなたが応援したい会社があるならば」と、Tさんが子供達に教えた株式投資の本質を逆に教えられました。話はまだ続いているようです。


神様:「邯鄲の枕(かんたんのまくら)」という故事をご存知ですか?

T:はい。確か、唐の「沈既済(しんきさい)」の小説「枕中記(ちんちゅうき)」でのお話です。趙の時代に「廬生(ろせい)」という若者が目的も定まらぬまま故郷を離れ、趙の都の邯鄲に赴きます。そこでも、人生の目標を見つけることができぬまま、たまたま出会った道士から授かった枕を使うと幸福な人生を送った夢を見ましたが、目覚めてみれば一瞬のことであった、というような内容だったように記憶しています。

神様:お詳しいですね。いろいろな教訓を含んでいるお話ですが、株式投資についても学ぶ点がありますよ。どんなことを学べると思いますか?

T:う〜ん、そうですね… それが、楽しい夢ならば、誰しも「邯鄲の枕」が欲しいことと思いますが、株式投資で言うと一過性のブームがよくあるということでしょうか。VRもそうなる可能性があるので気をつけなさい、というような教訓ですかね??

神様:そういう面はあると思います。

T:まとめると、VR関連への投資は、自分が応援したい会社があるわけではなく、一過性のブームに終わるリスクがあるから、控えた方が良いということでしょうか?

神様:そこまでは言っていません。VRの応用分野は幅広いといわれています。エンターテイメント、医療、教育、ツーリズム、自動車、広告、そして宇宙など様々な分野での応用も検討されており、関連企業の活躍が期待されています。あなたが大事にする「子供達に良き未来を創る」ためにVRを活用する会社もきっとあるでしょう。そういう会社を探すことが肝要でもあり、楽しくもあるということです。

T:なるほど!

神様:「邯鄲の枕」には、様々な教訓があると言いましたが、私は若者が自分で人生の方針を考え定めることなく、枕=他力に頼ることの戒めだと思います。あなたは、自分の投資方針をしっかり持っておられるのだから、自信を持って、それに則ってブレずに、実践すれば良いと思いますよ。

Tさんは、神様のアドバイスを心強く思い、早速「子供達に良き未来を創る」ことにVRを活かそうとする会社を探してみることにしました。

※次回は、11/23(水)に「会社の通信簿」をテーマに掲載予定です。

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