兜のささやき兜のささやき

第26話 会社の通信簿

2016.11.23

Tさんの家庭では、株の神様に教えてもらった株式投資のポイントを、奥さんA子さんや高校生の娘Y、中学生の息子Sに定期的にレクチャーするようになりました。


T:上場企業では「四半期決算」と言って、1年を4回に分けて、定期的に業績を発表するんだ。投資家にとって、投資先の会社が計画通りに収益が上がっているか、今後の業績がどうなるか等を知る上で非常に重要なんだよ。

S:発表って、テレビか何かでするの?

T:「決算短信」と言って、決算結果をまとめた書類を、自社のホームページに掲載する企業が多いよ。決算短信は、企業の決算結果などをなるべく早く投資家へ知らせるために、証券取引所が各上場企業に対して作成を要請し、各企業が作成しているんだ。企業が期末に決算を締めた後、1~2カ月後に公表されて、パパのような個人投資家も入手できるようになる。この決算短信には、儲け具合(収益状況)や懐具合(財政状況)、株主への還元(配当の状況)、業績予想など株式投資の判断をするための重要な情報が網羅されているんだよ。

A子:決算発表の後って、株価が上昇したり、反対に下落したりと、株価が大きく動くことが多いみたいよね?

T:そうだね。ただ、面白いのは、好決算と思われる決算結果なのに株価が下落する場合や、大幅減益なのに株価が逆に上がる場合もあり、「なんで?」と言いたくなる様なこともあるんだ。

Y:それって不思議!

T:その鍵は、実績と予想にあるんだ。例えば、ある会社の四半期の実績と1年を通した業績予想を見た時、四半期の実績が利益増でも、1年通期の業績予想がこれまでの予想に比べて低く修正された場合には、決算発表後に株価が下がる傾向にある。反対に四半期の業績は減益だったけれど、1年を通した業績予想が高めに修正された場合では、発表後に株価が上昇することもあるんだよ。

S:ふーん、過去と未来の両面から、上がったり下がったりするんだね。

T:その通り。利益額が減っても、そのマイナスの額がそれまでの予想より小さくなっていれば、業績がこの四半期で底をうち、回復傾向が強まると予想されて、株価が上がることもある。また、通期の業績予想に対してこの四半期の実績がどの程度の達成率と成っているかも、大事な視点になるね。

Y:「決算短信」って、通信簿と合格予想の判定が組み合わさったものみたいね。

T:おー、そうだね。通信簿や合格予想と同じで、発表があったら、実績をチェックし、今後の対策を考えることが重要だね。

A子:特に、新しく投資を考えている会社については、決算短信をよく分析することが大事になるわね。私もちょっと勉強してみるわ!

Y&S:ママが勉強?本当に??(笑)

T:ところで、株価が上がる、下がるはわかりやすいけど、そもそも、その株がお買い得なのか、言い換えると割安なのか、それとも割高なのかは、どうすればわかると思う?

(次回「その株は割安か?割高か?」につづく)

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