第506話 食料品の消費税減税・免税制度変更「スマートレジ」普及に2つの追い風
株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海の見えるカフェでコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。
T:7月21日、高市政権は「経済財政運営と改革の基本方針2026」(骨太の方針2026)を閣議決定しました。令和9年度を「責任ある積極財政 元年」とするとして、「強い経済」の構築のための今後の経済政策の方針を明らかにしています。一方で報道によれば政権への支持率が低下してきているとの話もありますね。
神様:物価高騰による国民の暮らしが引き続き厳しいことを反映しているのでしょう。これまでの国会での議論を通して、本当に暮らしが豊かになる政策が実現されるのか、多くの人が注視しています。
T:総選挙での公約となっていた「飲食料品の消費税減税」についても注目ですね。骨太の方針では「今後予定されている社会保障国民会議の中間とりまとめを踏まえ、本年8月上旬までを目途に、その方針を決定する」とのみ述べられています。当初の選挙公約では食料品の消費税をゼロにとの話だったと思いますが、今は「消費税1%」が議論されています。なぜ1%になったのでしょうか?
神様:現在多くの店に普及している一般的なPOSレジは、「ターミナルPOSレジ」と呼ばれています。専用機器にパッケージソフトや独自ソフトを導入し、本部の基幹系システムと接続する形で使われます。そういったレジでは、「0」がシステム上特殊な数字として扱われるため「0」入力ができない場合があります。また、消費税が「0円」のものは非課税扱いとなり、0%対象の価格を記載したインボイスを発行できないなど、システム上の不都合な点が発生する場合があるのです。その場合、システム改修に1年程度の時間が必要になります。1%であれば、その改修期間を短縮することが可能となります。
T:なるほど。お店側も消費税の税率が変更になるたびにシステム改修に莫大なコストが発生するのは避けたいですよね。
神様:そういった意味でもレジシステムは今後大きな変革期を迎えそうです。政府は現在、「スマートレジ」の普及を推進しています。スマートレジとは、タブレットやスマートフォンなどをレジ端末として利用するクラウド型のPOSレジシステムのことを指します。スマートレジを導入することで、税率変更に柔軟に対応できるようになります。
T:スマートレジとPOSレジは違うのですか?
神様:スマートレジもPOSレジの一種ではありますが、システム構成が異なります。スマートレジでは、店舗にはタブレットやスマートフォンなどの汎用的な端末を使用し、POSレジシステムはレジベンダーのクラウドサーバー上にあります。お店の本部の基幹系システムを直接改修する必要はありません。レジシステムも最初から税率変更に柔軟に対応できるような設計になっています。
T:なるほど。
神様:さらに、免税制度の変更もスマートレジ導入にとって追い風です。外国人旅行者はこれまで、国内での買い物の際に消費税を払わずに商品を買える仕組みでした。しかし、2026年11月1日から一度消費税を含めた全額を支払い、後から消費税分のお金が返ってくる「リファンド方式」に移行します。
T:リファンド方式に移行するのはなぜでしょうか?
神様:外国人旅行者が国内で商品を購入した後、出国せずに転売することを防ぐ目的があります。外国人旅行者の消費が盛り上がる中で免税販売店も増加傾向にあります。スマートレジでは免税対象取引データも一元管理できますから、今後さらに導入の機運が高まっていくでしょう。

T:これまでPOSレジを導入していなかった中小規模の店舗でも、スマートレジ導入が進むかもしれませんね。
神様:おっしゃる通りです。POSレジはキャッシュレス決済との連携でも利便性が向上します。政府はキャッシュレス決済を推進し、2030年にキャッシュレス決済比率を65%まで引き上げることを中間目標としています。2025年時点でキャッシュレス決済比率は58%です。達成目前の最後の一押しとしても、これまでより導入が容易となったPOSレジであるスマートレジが活躍するでしょう。

T:日本全国のお店のレジ改革がどのように進んでいくか、注目したいと思います。
(この項終わり。次回8/5掲載予定)
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