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第96話 AIと仕事の未来、そして投資 (その1)

2018.03.28

株の神様の声が聞こえるというTさんは、AI(人工知能)と投資について神様と何度か話しています。「いたずらに技術の進歩を心配するのではなく、AIを乱用しない社会と企業について勉強し、良い方向に活用しようとする企業を応援する投資を心がける」といったアドバイスをもらいました。
(43話~45話「AIと株式投資」、67話〜68話「ロボット×AIと投資」参照)

神様と桜を観ながら雑談していたところ、昨今もAI関連の報道が多いことから、今回も自然とそのテーマの話になっています。


T:AIの進化は予想を上回るものがありそうですね。昨年、グーグル傘下のDeepMindが開発した人工知能=AIを活用した囲碁ソフト『AlphaGo』の後継版『AlphaGo Master』が、世界最強棋士と謳われる中国の柯潔九段に完勝したことも衝撃でしたが、10月にはDeepMindが発表した最新のAI囲碁プログラム『AlphaGo Zero』は、「たった3日で世界最強棋士になった」と話題になりました。

神様:『AlphaGo』と『AlphaGo Master』がこれまでの人間の打ち筋を学習するディープラーニングの手法を用いているのに対し、『AlphaGo Zero』は自己学習のみで棋力を高めている点に進化がありますよね。過去のデータベースをAIに与えず、自身が相互対戦し、最善手を学習する手法を3日間に500万回繰り返させることで棋力を向上させ、『AlphaGo』、『AlphaGo Master』を凌ぐ強さを身に付けたそうです。

T:AIの急速な進化は、やっぱり人間に不安も与えますよね。2016年の「世界経済フォーラム」、いわゆるダボス会議では、まるで「AlphaGo」の進化を予見するがごとく、フォーラムの創始者であり会長でもあるスイスの経済学者のクラウス・シュワブ氏が『仕事の未来』というレポートを発表し、「AI、ロボット技術、バイオテクノロジーの発展で5年以内に約500万人の雇用が失われる」と予想しました。

神様:そうですね。その2年前の2014年に、オックスフォード大学のAI研究者のマイケル・A・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ研究員が、「雇用の未来 コンピュータ化によって仕事は失われるのか(原題:『THE FUTURE OF EMPLOYMENT:HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION? 』)」を発表した際も、広く世に衝撃を与えましたよね。

T:米国労働省が定めた702の職業のひとつひとつが何%の確率でAIロボットに取って代わられるのかを調べたものですよね。今後10〜20年程度で米国の雇用者の約47%の仕事が消滅するリスクが高い、との主張だったと記憶しています。

神様:さすが!よく知っていますね。

T:子供の将来にも関わることなので。投資のことだけを考えれば、AIによって成長が期待される分野に、そして良い活用を志す会社をきちんと調べて応援のために株を買うという神様の教えは理解できるのですが、子供達の将来の仕事がAIによって失われていくと考えると、やはり親としては心配になってしまいます。

神様:(微笑みながら)仕事についても心配する前に、まず調べたり考えたりと、勉強することです。

T:と、申しますと??

神様:「消える仕事」もあれば、「生き残る仕事」もあります。そして新しく生まれる仕事もあります。お子さん達の関心のある分野に関して、どんな仕事が消え、どんな仕事が残り、どんな仕事が新しく生まれそうか、一緒に考えてみたらいかがですか?

T:なるほど、その通りですね。

神様:お子さん達が関心のある分野で新しく生まれそうな仕事は投資のヒントにもなるかもしれませんし、そういう仕事を生み出そうとしている企業を応援する気にもなりますよね。

T:早速、家に帰って一緒に考えてみます!

(この項つづく。4/4掲載予定)

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