兜のささやき兜のささやき

第119話 エアコンと注目株

2018.09.05

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも興味を持ち、夕食時の話もいつの間にか投資の話につながったりします。


S:今年の夏はほんとうに暑いね〜。部活していると辛いよ。

T:何回も各地で40度超えってニュースが流れていたよね。消防庁が発表する全国の熱中症による救急搬送人員は、前年に比べて3倍以上になる週もあったそうだよ。

A子:今年の猛暑は日本だけではなかったみたいよ。ポルトガルでは46度、米国カリフォルニアでは温度計が間違っているのではないかと一瞬思ってしまうような気温『52.8度』!を記録したってニュースもあったわ。

Y:世界的な温暖化現象のあらわれ、かもしれないんでしょ…

S:僕らが大人になる頃、どうなっているのか、心配…

A子:とりあえず、今、この猛暑の中で暮らすためには、エアコン頼みになるわね。でもエアコンを使えば使うほど、地球温暖化が進むような話も聞いたわ…

T:その話に関連したことで言うと、エアコンには『冷媒』と言われるものが使われている。冷媒は、室外機と室内機の間を循環しながら熱の運搬を行うガスで、1928年に冷媒として理想的な気体のフロンが発明された。フロンは燃えることがなく、人体にも毒性がない、熱をたくさん貯めて運べ、扱いやすいガスだったので、1960年代以降、先進国を中心に、冷蔵庫・車・空調機の冷媒だけでなく、半導体や精密部品の洗浄剤、断熱材等の発泡剤、スプレー等の噴射剤と、様々な用途に使われるようになったんだ。

Y:良いことばかりみたいだけど、フロンって害もあるんでしょ?

T:そうだね。1974年フロンが、我々を紫外線から守ってくれるオゾン層を破壊するメカニズムが解明され、1987年モントリオール議定書が採択されて、各国がオゾン層を破壊しない代替フロンの開発に取り組むことになって…

S:代替フロンは開発できたの?

T:開発できたんだけど、代替フロンは、オゾン層は破壊しない代わりに二酸化炭素の数百から数万倍の温室効果があるため、非常に大きく地球温暖化に影響することがわかったんだよ。

Y:それは、ダメよね…

T:そう。その後、1997年、世界が協力する具体的な温室効果ガスの排出抑制対策として「京都議定書」が採択された。さらに、2016年には代替フロンを新たに規制対象とする改正提案が、ルワンダの首都キガリで採択され、現在、各国はこれらに基づいた対策を実施しているんだ。

A子:そういう話を聞くと、うちのエアコンや冷蔵庫がどのような冷媒をつかっているのか、気になってくるわね。

T:その気持ちは大事!それらの機器には、『冷媒番号』というものが記載されている。Rから始まる数字と添え字がそれなんだけど、オゾン層が破壊されず、温暖化係数が低い冷媒、『R32』が今のところ一番環境に優しい冷媒だそうだよ。日本のエアコンメーカーの中にはこれを積極的に推進している会社もある。

S:そういう会社は応援したいね。

T:そうだね。R32を冷媒として使う場合、エアコンの動作圧を高くする必要があって、そのために、スムーズに圧縮機を動かす潤滑油がとても重要になってくる。この潤滑油の原料も日本のメーカーが頑張っているんだ。

Y:あまり知られていないかもしれないけど、身近な分野でキラリと光る日本企業はあるのね。

A子:学校も始まってみんな勉強や部活に忙しそうだから、私が『知られざるキラリと光る日本企業』、探してみるわ!あなたたちが生きる未来の地球のためにも、家の財産を増やすためにも(笑)

(この項おわり。次回9/12掲載予定)

投資・相続のご相談は
いちよし証券へ

全国の店舗にて、お客様の資産運用や相続についてのご相談を受け付けております。
お客様の人生設計に寄り添いながら、最適なご提案を行います。

PAGE TOP
PAGE TOP