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第162話 モバイルゲーム市場に投資すべきか?

2019.07.03

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は梅雨の合間の日差しに初夏を感じつつ、冷茶を楽しみながら投資談義です。


T:中学生の息子が高校受験を控えているのですが、期末テストが終わったらゲームに夢中で、もうすぐ夏休みなのですが、ちゃんと勉強するのか少し心配です。

神様:そういうあなたも、昔はテレビゲームに夢中になって、親に怒られませんでしたか?

T:そう言えば、そういう時期もありました(笑)

神様:ゲームも悪い面ばかりではなく、良い面もあります。『eスポーツ』はご存知ですよね?

T:はい。昨年の流行語大賞でもトップ10に選ばれていました。ゲームをスポーツとして捉えて、チームや個人で世界的に競い合い、賞金も獲得できるのですよね。

神様:『eスポーツ』のように、ゲーム好きがプロとして食べていけるようになる、つまり職業の幅が広がっていると捉えると少し見方が変わってくるのではないですか?

T:確かに。ITやAIの進展によって、人が仕事を奪われる面もあるけれども、新しい仕事が生まれる面もあると以前お話し頂きましたが、その一例とも考えられるわけですよね。
(第96話「AIと仕事の未来、そして投資」参照)

神様:その通り。『ゲーミフィケーション』という言葉はご存知ですか?

T:はい、ゲームの要素を応用することで、教育・学習や組織の生産性等を向上させる取り組みで、実際に効果もあると聞いたことがあります。

神様:他にも身近なゲームの効用で、位置情報を活用したスマートフォンのゲームを楽しむために、外へ出て歩き回っていたら、健康的になったという話もあります。

T:確かに、このように考えるとゲームの肯定的な面も多いですね。

神様:そして、投資分野として魅力的です。世界のゲーム市場は2019年中に1,500億ドルを超え、さらに今後も年平均成長率9.0%と高い水準を維持し、2022年に1,960億ドル、つまり日本円にすると21兆円を超えるマーケットに成長すると予測されています。中でもモバイルゲームが成長を牽引しており、世界全体市場の約45%を占めるとの見通しです。

T:やはりスマホやタブレットのモバイルゲームが伸びているのですね。日本でもそれは実感しますものね。

神様:国内でも、スマホやタブレット向けゲーム、いわゆるゲームアプリの市場は、2018年の前年比10.2%増の1兆1,660億円、国内ゲーム市場の約7割を占めています。

T:ただゲーム会社への投資は、今後どの会社がどんなヒット作を出すのかを予測するのが難しそうですよね。SNSの会社がゲームの大ヒットを出した例もありますし。それに、今ヒット中のゲームがいつまで続くのかわからないですし。

神様:私が注目しているゲーム会社のひとつは、アニメのキャラクターを活用したスマホゲームに強みを持ち、しかも国内だけでなく、海外展開を積極的に進めています。ヒット作が生まれる確率を高めたり、収益を確保し続ける工夫をしているわけです。

T:なるほど、そういう視点で見ていくといいのですね。

神様:ゲームの関連分野として、『ゲーミフィケーション』の考え方で教育や健康等にも役立つアプリを開発する企業等もリサーチしていくとより投資対象も広がります。

T:ゲーム感覚で勉強等、楽しみながら「役に立つ」という分野への投資は興味があります。
以前お話ししたように、今後は世界的に高速・大容量の通信ができる第5世代移動通信システム(5G)が普及していく中で、スマホゲームがより楽しみやすい環境が用意され、さらなる進化も期待できます。 (第157話「いよいよ5G時代到来」参照)

Tさんは、ゲームの悪い面だけでなく、良い面にもっとフォーカスし、ゲーム関連企業の動向を見ていこうと思いました。

(この項終わり。次回7/10「堅調に伸びる「暑さ対策」」掲載予定)

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