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第167話 がん治療の最前線に投資する

2019.08.07

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。今日は食事のだんらん後の会話で投資の話になったようです。


T:日本人の死因の1位は何か、知っている?

Y:「がん」よね。

T:さすが、その通り。国立がん研究センターによれば、日本人が生涯でがんにかかる確率は2人に1人とも言われているんだよ。

S:えー!そんなに多いの?

T:パパも驚いたよ。でもね、今、世界的にがん治療の研究がさかんに行われていて、新しい治療法が登場し始めているんだよ。

A子:昨年のノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授もそうよね。 (第125話 ノーベル賞と株(その1))

T:その通り。これまで、がん治療は手術、放射線や抗がん剤などが中心だったけれど、今、「ウイルス療法」と「免疫療法」という2つの治療法などが注目されているんだ。

A子:どんな治療法なの?

T:ウイルス療法は、がん細胞だけで増えるウイルスを体内に注入して、がん細胞をウイルス感染させることで、がん細胞を死滅させたり縮小させる治療法なんだ。そして免疫療法は、がん細胞によって働かなくなっていた免疫の力を取り戻す治療法だよ。本庶先生が製薬会社と開発している治療薬「オプジーボ」は、免疫チェックポイント阻害剤と言われていて、がん細胞が免疫を働かなくする仕組みに働きかける、免疫療法で重要な役割を果たす薬なんだ。

Y:難しそうだけど、新しい治療法によって多くの人の命が助かるようになれればいいわね。

T:そうだね。どちらもまだまだ研究の余地があって、例えばオプジーボでは効果が出る人が限られていたり、誰に効果があるのかが事前に分からなかったりと、課題も多いんだよ。

A子:地道な研究が必要ね。

T:今、医療や製薬業界では世界的にがん治療への投資が行われていて、激しい競争が行われている。そして少しずつ成果が出始めているんだよ。2017年から2024年までの全世界の医薬品売上の予測では、「抗悪性腫瘍剤」が売上高でトップになると見られているよ。

A子:私たちも、応援の意味も込めて投資しようかしら。

T:いいね。国内の製薬業界は世界的に見るとまだ遅れているところがあるけれど、大手製薬会社などでがんウイルス療法薬が活発に研究・開発されているよ。ぜひ応援したいね。

S:ぼくが大人になった頃には、がん治療もだいぶ変わっているかな。

T:そうなるといいね。がん治療の最前線がどのように変わっていくのか、これからも見守っていこう。

(この項終わり。次回8/14「良い政策と良い材料と良い投資の関係」を掲載予定)

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