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第166話 消費者が「省エネ」家電を求める理由

2019.07.31

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は駅前のカフェに立ち寄り、投資談義を始めました。


T:この前、エアコンを新調した( 第163話 堅調に伸びる「暑さ対策」 、または、 第165話 QRコード決済の普及を左右するのは…? )のですが、部屋の中がとても快適です。環境に良い機能を持ったエアコンを選んだので、使っていて後ろめたさがなくて(笑)

神様:長く、そして頻繁に使うものは、そうありたいですね。逆にそういった製品を作る企業が評価されます。「ESG投資」についてもご存知だと思います (第71話 ESG投資って何?(その1)参照) 。ところで、家庭からの二酸化炭素の排出量で一番大きい割合を占めるエネルギーは何だと思いますか?

T:電気ですか?

神様:その通りです。電気が家庭からの二酸化炭素の排出量のほぼ半数を占めています。

T:家電を選ぶ消費者の目もシビアになっていますよね。

神様:また、電力などのエネルギーが企業、車や家庭などで実際に使用されたエネルギー量のことを「最終エネルギー消費量」といいます。2016年度では、家庭では2013年度に比べて6.2%減少しており、家庭での最終エネルギー消費量は年々減少しています。

T:昭和の時代から比べても、電気を使う製品や商品は増え続けていますよね。最終エネルギー消費量も増え続けてきたと思いますが。

神様:それが2013年度以降は下がり続けています。この時期のことを覚えていますか?

T:あ、電気料金の値上げが実施された頃ですね。

神様:2011年に東日本大震災があり、各地の原子力発電所が停止しました。その影響で火力燃料費が大幅に増加したことなどにより、各電力会社の収支が悪化しました。東京電力、関西電力などで7%~9%の値上げが実施されたのは2013年度前後です。

T:環境対応だけでなく、家計的にも商品の「省エネ化」が求められている、ということですね。

神様:その通りです。環境の話に戻すと、省エネだけでなく、家庭ごみの分別やリサイクルの取り組みも進んでいますし、ごみを燃やすことによる有害物質の排出を抑えるため、企業側が製品の原材料を厳選するケースも増えています。

T:なるほど。家庭ごみにしても、レジ袋が有料化される方針が発表されましたし、環境と家計の結びつきはますます強くなりそうですね。令和は省エネがますます加速するのでしょうね。省エネの関連企業ではどのようなところがあるでしょうか。

神様:例えば「インバータ」という装置は、エアコンや冷蔵庫などの省エネ効果でよく聞きますね。モーターの回転を制御することで、効率よくエネルギーを使うために導入されています。それから、自治体などの省エネ政策もよく調べてみましょう。良い投資先が見えてくるかもしれません。

Tさんは、「省エネ」家電が求められる背景には、環境対応だけでなく家計との強い結びつきがあることを考えながら、今後のより良い投資先を選んでいこうと思いました。

(この項終わり。次回8/7「がん治療の最前線に投資する」を掲載予定)

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