第165話 QRコード決済の普及を左右するのは…?
株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。今日はエアコンを買いに、 (第163話 堅調に伸びる「暑さ対策」) 家族で家電量販店に買い物に出かけているようです。
A子:(エアコンコーナーの前で)少し高いけれど、環境に良くて人気のあるエアコンがいいわね。
S:長く使うものだし、高くてもいいんじゃない?
T:ここはママを信じて、ママがいいと思ったものを買おう。
A子:じゃあこれに決めたわ。
Y:あ、ちょっと待って。現金で買うの?
A子:そうよ。お金下ろしてきたもの。
Y:私のスマホで支払いしてくれない?ポイントが貯まるの。
T:お、QRコード決済だね。いいじゃないか、使ってみようよ。
A子:QRコード決済って、最近いろいろ問題になってない?大丈夫なのかしら。
T:そこは気になるよね。まず、今なぜQRコード決済が増えているんだろう?
A子:確か、政府が日本のキャッシュレス決済を2025年までに4割まで普及させる、という目標を立てているのよね。それから、10月に予定されている消費税の増税で、キャッシュレスで買い物をしたら最大5%ポイントが還元されるのよね。

T:さすが、その通り。それから、前にも話した訪日外国人にも関係がありそうだよね。 (第138話 訪日外国人と株) 、QRコード決済は現金を持たない訪日外国人のお金の使い方にも影響を与えるから、これからますます重要になってくるよ。

Y:今年の2月には、安倍総理が商店街でQRコード決済を利用して買い物していたことがニュースになっていたよ。
T:導入するお店側にとっても、手数料がクレジット決済に比べて安く、手続きもシンプルで使いやすい。だから量販店だけでなく、魚屋さんや花屋さんなど、個人の商店でも導入しているところが増えているんだ。
A子:でも、不正に利用されて勝手にお金を使われるのは怖いわ。
T:確かにそうだね。そこは、QRコード決済自体に問題があるというよりも、セキュリティ対策を怠ったサービス提供側にも問題があるよね。今後の教訓として、しっかりとしたセキュリティ対策を講じていくことが重要だと思うよ。
A子:(レジで支払いを終えて)へー、使ってみると便利ね。QRコード決済の関連企業も投資先として有望そうね。
T:そうだね。ママは投資にホントに熱心になったね(笑)。ポイントとしては、乱立している各社サービスを、これからより便利にしていけるかに注目しようと思っているよ。例えば、QRコードは各社で違うけれど、複数のQRコードをお店に設置するのは大変だよね。それをひとつのQRコードにまとめられるサービスを作っている企業があるんだ。
S:それならお店にとっても楽だね。
T:また、電子マネーやクレジット決済など他の決済方法とまとめて契約できると、支払いの手段も広がるからお店にとってうれしいよね。それから、不正に改ざんされたQRコードを検知してくれたり、安全面に力を入れている企業もある。QRコード決済を便利で安心して使えるための仕組み作りをしている企業には注目したいね。
A子:お店にどれだけ導入されるか、どれだけ私たちが使うようになるかは、より便利で安全に使えるようになることが大切よね。(Yにスマホを渡しながら)スマホありがとう。助かったわ。
Y:ママ、手数料は1,000円です。
T&A子:こら!(笑)
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
(この項終わり。次回7/31「消費者が「省エネ」家電を求める理由」を掲載予定)
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