第283話 アフターコロナの2022年 働き方はスキルシェアの時代へ

2021.12.29

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町のお茶屋さんで投資談義を行っています。


T:2021年も今回で最後となりました。今年は2020年に引き続き新型コロナウイルスに翻弄された1年となりました。まだ終息への見込みは立たないものの、ワクチン接種が進んだことにより感染状況は抑えられています。来年はどう見るでしょうか。

神様:ファイザー製のワクチン追加接種は、オミクロン株への効果も期待できるとのWHO見解もあります。引き続きワクチン接種を進め、2022年は経済の正常化、そして日本の経済成長加速が期待できる年にしたいところです。

T:うまく行けば、アフターコロナが本格化することになりますね。神様はどの分野に注目しますか?

神様:やはりDX、デジタル化の進展に尽きますが、コロナ禍で大きく変化したことと言えば何でしょうか、Tさん?

T:ライフスタイルの変化、働き方が大きく変わりましたよね。

神様:その通りです。働く場所を選ばないリモートワークや在宅勤務が進み、働き方が多様化しました。通勤時間から解放され、ワークライフバランスの改善が進んだ例も多くあります。働き方改革はコロナ禍前から推進されていましたが、図らずも、コロナ禍により大きく進むこととなりました。

T:企業によっては、感染状況が落ち着けば在宅勤務をやめ、出社に切り替えるところもあります。今後はどうなるでしょうか?

神様:コロナ禍という目の前の危機は去るかもしれませんが、その後に我々が向き合うのは、日本の少子高齢化という根本的な課題です。ここ数年で進むデジタル化の中で、個人の生産性を上げる試みがさらに活発化するでしょう。

T:団塊の世代の引退はすでに過ぎ、今後は団塊ジュニア世代の引退が迫ります。定年年齢が引き上げられるとは言え、これまでの働き方が通用しなくなる時代が目前に迫っています。働き方がより多様化し、副業・兼業が活発になるということですね。

神様:その通りです。「スキルシェア」という言葉がありますが、個人の保有するスキルを資産として捉え、特定のスキルを必要とする雇い手と、そのスキルを保有する働き手とを繋ぐものを言います。労働人口が年々減少していく傾向の中では、今後は個人のスキルを複数の雇い手が求めていくことが想定されます。ひとつの企業だけに在籍して働くのではなく、複数の企業に関わり、複数のプロジェクトを扱う人が増えてくると考えられます。情報通信総合研究所の調査によると、2020年度のスキルシェアサービス市場は2,425億円でした。今後コロナ禍による不安の解消が進み、スキルシェアの認知度が向上した場合、2030年度には2兆6,625億円まで拡大すると見込まれています。

T:企業によっては新卒一括採用の見直し、個人の能力による採用を重視する傾向も出てきています。今後はより「スキル」による採用が強くなりそうですね。

神様:若い人たちにとってのスキルシェアはもちろんですが、現在第一線で働いている人たちにとっても、スキルシェアが大切な考え方となります。今はちょっとした空き時間を活用できる、自分のスキルとニーズとのマッチングの機会がサービスとして提供されるようになりました。場所や時間に縛られない働き方を求める人も増えています。

T:これまではフリーランスの人たちが仕事を獲得するためにスキルのマッチングサービスを利用するイメージでしたが、今後は企業に勤める人が利用する機会も増えていくのかもしれませんね。ITサービスに限らず、ひとりが複数の企業のプロジェクトを持ち、効率的に仕事をしていく時代が迫っているのかもしれません。そう考えると、自分のスキルの棚卸も必要ですね。これまでのキャリアを考え、ひとつの職場でのみ通用するようなスキルではなく、培ったスキルにどのような需要があり、他のプロジェクトの役に立てるのか、しっかり見つめる必要がありますね。

神様:スキルシェアの時代へ向かっていく2022年は様々な変化があると思います。良い一年になるように様々な分野にアンテナを張っていきましょう。

(この項終わり。次回1/12「働き方の多様化で急拡大するフリーランス市場」掲載予定)

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