第332話 「サッカーe日本代表」も活躍 eスポーツ市場が今後成長する理由
株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内ホテルのラウンジで投資談義を行っています。
T:サッカーW杯、盛り上がりましたね!日本代表の試合だけでなく、3位決定戦や決勝の熱い試合展開に興奮しました。
神様:今大会ではテレビ放映だけでなく、インターネットテレビ局での試合放映もあり、多くの人が場所を問わず試合観戦ができました。新たなスポーツ観戦の形がまた一つ増えたようにも思います。
T:今までは家庭内のテレビで観る人が多かったと思いますが、スマートフォンでの観戦が可能となったことから、個人でW杯を楽しむことができるようになりました。これからはテレビだけでなく様々な形で映像を楽しむ時代になるのでしょうね。
神様:さて、今日はこんな話をしたいと思います。一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)によると、2021年の国内「eスポーツ」市場は、前年比で15.5%増となる78.4億円でした。市場は2018年以降、右肩上がりで伸び続けています。今後もファン数の増加に支えられ、2025年には179.6億円まで成長すると見込まれています。


T:確かに、最近はeスポーツ関連のニュースをよく見るようになってきましたね。
神様:Tさんはeスポーツとは何か、説明できますか?
T:要するにコンピューターのハードとソフトを用いた「ゲーム」ですよね。近年は世界中で大会が開かれており、企業による協賛や獲得賞金の提供も大きな魅力になっています。
神様:その通りです。日本eスポーツ連合によれば、eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略です。広義には、電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指します。コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の名称とされています。ゲームのジャンルも幅広く、アクション、格闘技、カーレースなどのほか、集団で戦闘を行うバトルロイヤルゲーム、それから野球やサッカーなどのスポーツなどがあります。
T:サッカーもあるのですね。
神様:サッカーは特に本格的に展開されています。日本サッカー協会(JFA)は「サッカーe日本代表」を結成し、「eスポーツ・サッカー」を盛り上げています。サッカーe日本代表は今年、アジア・オセアニア予選を勝ち抜き、7月にはデンマークのコペンハーゲンで行われた世界大会「FIFAe Nations Cup 2022」に出場しました。グループステージで敗退となりましたが、世界各国の強豪と熱い戦いを繰り広げました。
T:コンピューターのサッカーゲームでも世界各国に強豪がいるのですね。
神様:もちろんです。今年優勝したのはブラジルでした。コンピューターゲームといっても、選手たちはアスリートと同様に日々の鍛錬を積み重ね、技術を磨きます。試合中はチームワーク、勝利への熱意や諦めない心、さらに戦う相手に敬意を払うスポーツマンシップなどが求められ、eスポーツを通した学び、成長は絶好の教育機会ともなっています。これはeスポーツの大きな価値と言えるでしょう。
T:なるほど。確か、IOCもオリンピックに採用するか議論しているとの噂もありましたね。
神様:よくご存知ですね。国際オリンピック委員会(IOC)は2023年6月22日から25日にかけて、シンガポールで第1回オリンピックeスポーツウイークを開催することを決定しています。期間中には、フィジカルスポーツとシミュレーションスポーツのハイブリッドとしての「バーチャルスポーツ」を披露する予定です。来年はeスポーツが今年以上に盛り上がる年になりそうです。
T:バーチャルスポーツとなると、座ってゲームをするだけでなく、実際に体を動かすイメージがありますね。今後の「メタバース」の発展とも関連がありそうです。
神様:おっしゃる通りで、eスポーツがこれからどのように発展していくかを垣間見ることができる期間となるかもしれません。eスポーツは現在、大手企業による参画が進んでいます。Tさんがおっしゃるように、大規模なイベントが開催され、競技自体の放映や競技の勝者に対する報酬を協賛するスポンサーなどが増えており、ビジネスとしての裾野の広がりを見せています。eスポーツ世界市場は、2024年に16億1,770万ドルとなり2021年の10億8,410万ドルからの伸長が予測されています。日本の関連企業の活躍に期待しましょう。
(この項終わり。次回2023/1/4掲載予定)
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