第416話 ”空前のペットブーム”下火も ペット保険が市場拡大する理由
株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町の甘味処で抹茶を飲みながら投資談義を行っています。
T:9月はまだまだ残暑が厳しいですね。
神様:暑さには体力を奪われます。最近は男性でも日傘を差している人が増えていますね。暑さ対策をしっかり行って、体調に気を配りましょう。
T:そう言えば、最近は犬の散歩も日が沈んだ後に行う人が多いようですね。夜の公園を歩くと犬の散歩をしている人によく出会います。
神様:ペットも連日の暑さには辟易していることでしょう。ところで、最近は「ペット保険」が注目されているのですが、なぜだと思いますか?
T:ペット保険ですか、なぜでしょう?そう言えば、コロナ禍では”空前のペットブーム”が起こりましたよね。ペットを飼う人が増えたのでしょうか?
神様:よくご存知ですね。コロナ禍ではペットブームが起こりました。一般社団法人ペットフード協会の犬猫調査によると、2020年以降では新たに飼育する人が増加し、2020年から2022年にかけて、毎年40万頭を超える数の犬・猫が新たにペットとして迎えられました。しかし、ここ最近はブームも下火になってきているようです。

T:少子高齢化が進む日本では、そもそも飼う人も減っていくわけですから、ブームも長くは続かないということですね。
神様:日本の総世帯に占める犬の飼育世帯数、総飼育頭数の推移を見ると、2011年ごろから右肩下がりで減少傾向にあることが分かります。
T:猫はどうでしょう?
神様:実は猫の飼育率、飼育頭数は右肩下がりではなく、横ばいが続いています。
T:猫より犬を飼う方が大変であるとよく言います。日本は2040年には約4割が単身世帯になると言われています。単身世帯の増加でペットがより家族同然の存在となる傾向は強まっていくでしょうね。
神様:ところで、犬や猫の平均寿命が延びていることをご存知ですか?2010年に犬の超小型、小型、中・大型を含む全体の平均寿命は13.87歳でしたが、2023年では14.62歳となりました。また、猫も2010年に全体で14.36歳でしたが、2023年では15.79歳となりました。
T:人間で言うと何歳になるのですか?
神様:犬の13歳は、小型・中型犬では68歳、大型犬では96歳とも言われています。
T:とすれば、大型犬で14.62歳と言うと100歳を超えますね。
神様:15歳でおよそ110歳程度と言われています。また、猫の15.79歳は人間の80歳近い年齢となります。寿命が延びると病院に通院する回数も増加する傾向にあります。動物病院には健康保険のような制度はありませんから、予防接種や病気による通院費用は大きくなりやすいでしょう。
T:なるほど。それで医療費を補償してくれるペット保険が脚光を浴びるわけですね。
神様:ペット保険の国内市場は大きく成長しています。2030年に向けた年平均成長率は13.9%との予測もあり、今後も大いに期待できるでしょう。また、日本のペット保険の加入率はペット飼育者の1割程度であり、海外と比べて低い状況です。ペット保険の認知度が向上し、長生きするペットが増えることで、ペット保険市場の成長がさらに拡大することが期待されます。

T:一時的なペットブームは去りつつありますが、ペットと過ごす時間が長くなり、より質の高いサービスが求められることにもなりそうですね。ペット保険を始めとして、関連企業がどのようなサービスを展開するか、注目していきたいと思います。
(この項終わり。次回9/25掲載予定)
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