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第495話 スマートフォンに欠かせない「MLCC」とは?AI需要で需給ひっ迫も

2026.04.29

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、都内の喫茶店でコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。


T:4月23日、とうとう日経平均株価が一時史上初の6万円台を突破しました。米国のトランプ大統領がイランとの停戦の延長を表明したことが影響したようですね。

神様:今後はさらに投資家に買い安心感が広がり、投資家の目線は中東情勢から企業業績に移る可能性があります。2026年度の良好な業績見通しが確認されれば、さらなる上値追いが期待できるでしょう。

T:日本及び世界経済の発展のためにも、このまま和平が進展することを期待したいです。

神様:さて、日本の電子部品が成長局面を迎えています。電子情報技術産業協会(JEITA)が発表した2026年1月の日本メーカーによる世界電子部品出荷額は、前年同月比で10.7%増となる3,950億円でした。前年比プラスは5カ月連続です。特にコンデンサや、コネクタの伸びが目立っています。

T:電子部品にはさまざまな部品があると思いますが、具体的にはどんな部品があるのでしょうか?

神様:電子情報技術産業協会(JEITA)によれば、電子部品とは電子回路に組み込まれる部品のことで、コンデンサや抵抗器などの「受動部品」、スイッチやコネクタなどの「接続部品」、センサやアクチュエータなどの「変換部品」などがあります。例えば、スマートフォンや自動車には多くの電子回路があり、電子部品も多く搭載されています。

T:なるほど。電子部品は日本のメーカーが力を発揮する分野でもありますよね。

神様:おっしゃる通りです。世界における日本の電子部品のシェアは約32%と、日本の電子情報産業の中では最も大きな割合を占めています。また、2024年の日本の輸出額の中では、半導体・電子部品は自動車に次ぐ2番目のシェアを占めています。

T:電子部品は今、なぜ成長局面を迎えているのでしょうか?

神様:大きな要因としてはAI需要の拡大、データセンター需要の拡大があります。特にAIデータセンターで用いられるサーバー向けに「積層セラミックコンデンサ(MLCC)」の需要が拡大しています。AIデータセンターのサーバーでは、高い容量で耐電圧値の高いMLCCが求められており、今後の需給ひっ迫が見込まれ、単価の上昇傾向が意識されます。

T:積層セラミックコンデンサとは、どんな役割を担っているのでしょうか?

神様:コンデンサは、電気を一時的に蓄え、電流の流れを制御するなどの役割を持っています。積層セラミックコンデンサは主にスマートフォンや自動運転技術等に必要な電気回路に組み込まれ、小型化、高容量化に貢献しています。その数はスマートフォンには約1,000個、電気自動車には約10,000個も搭載されていると言われています。

T:ものすごい数ですね。今後はAIデータセンター需要も加わり、日本の電子部品メーカーにとっては大きなチャンスです。そう言えば、AI需要拡大による世界的なメモリ価格の高騰のために、PCやサーバーなどの調達では価格の高騰や納期遅延も起こりそうだという話を聞いたことがあります。なんだかコロナ禍の半導体不足を思い出すようです。

神様:2020年から2021年にかけて新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークやオンライン授業等が急速に普及しPC特需がありました。一方で、2023年にはその反動や中国の景況感の悪化があり、在庫が積み上がることとなりました。PC・スマートフォン、産業機器向けの汎用部品も同様です。2024年以降は在庫調整が進展し、その後はAI需要がけん引する形で生産、出荷が増加傾向を辿っています。

T:コロナ禍のように、今後は特需の反動が来るのでしょうか?

神様:これまで何度も見てきたように、今後もAI需要は世界的に拡大を続けると見込まれます。今後はAIサーバー向けに加え、スマートフォン等の本体にAI機能を搭載する「エッジ端末」が普及し、MLCCの需要拡大をさらに促すことになるでしょう。スマートフォン、電気自動車・自動運転車、そしてAIと、電子部品の中長期にわたる成長局面を迎えることが期待されます。

T:日本の電子部品メーカーの新しい成長局面を期待したいところですね。今後に注目です。

(この項終わり。次回5/20掲載予定)

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