第67話 ロボット×AIと投資(その1)

2017.09.06

株の神様に投資の本質を教えてもらっているTさんは、ロボットやAI、自動運転等、今後成長が期待される分野の話をした時に、その最新技術は平和と軍事、どちらにも利用されうるリスクがあると気づかされました。特に、ロボットとAIが、人間に近い思考や行動も可能になることが、本当に人類のためになるのか、神様と話してみたくなりました。


T:ロボットとAIの技術が発展していくと、昔、SF映画で見たアンドロイドのように、人間と似た思考や行動ができたり、人間と見分けがつかない存在が生まれる可能性が現実となってきますよね。便利になる面もあるのでしょうが、当然悪用されるケースもあるでしょうし、スターウォーズのようにロボットと人間が戦うなんてことも起きうるのかな、と心配になったりします。この分野への投資は利益が期待できるだろうと思いつつ、倫理的によいことなのか、最近、考えてしまいます。

神様:以前にAIへの投資については、「AIを乱用しない社会と企業について勉強しなさい」とお話しました(43話~45話「AIと株式投資」参照)。ロボットも同様、光と影の面があるわけで、それを勉強することが重要です。感覚的な判断で投資をするべきではありません。あなたはロボット工学者の森政弘氏が提唱した「不気味の谷」という概念ををご存知ですか?

T:はい。人間のロボットに対する感情は、ロボットの見かけや動きが人間らしくなるほど好意的になっていくものの、ある時点で突然強い嫌悪感に変わる。それからさらに進歩して、本物の人間と見分けがつかなくなるようになると、今度はまた親近感を覚えるようになるとの考えですよね。

神様:そうです。人間に完璧に似る前の、ロボットに対する好感度の曲線がガクッと下がるフェーズが「不気味の谷」です。

T:つまり、「不気味の谷」を超えて、いずれロボットが人間そっくりになれば、好感度も上がり、変な反感や嫌悪も生じず、心配や不安も消えるので、ロボット×AIには中長期的な目線で投資してもよいということになりますか?

神様:それが感覚的な投資ということです(笑)。投資については、もう少し合理的に考えた方がよいです。対象分野やロボット活用の原則や規範がポイントとなります。

T:あっ、対象分野はわかりやすいです。例えば、医療分野ですよね。「次世代手術支援ロボット」といったキーワードを聞きます。ロボットの精緻さを活用して手術の安全性を高めたり、患者の負担を軽減できるんですよね。

神様:そうです。手術の効率化や時間短縮により医者の負担を軽減したり、より治療効果の高い術式を生み出すことも可能となります。さらには、AIが組み合わさり、過去の膨大な手術等のデータや患者の詳細な治療データを分析・診断した上での治療が実現すれば、より多くの命が救われるのは間違いないでしょう。

T:アメリカでは「ダヴィンチ」という手術支援ロボが有名ですよね。グーグルと製薬会社大手がさらなる次世代ロボ開発に向けて共同開発に取り組むというニュースもありました。

神様:日本でも、産業用ロボットの大手メーカーと検査装置大手メーカーがタッグを組んで、それぞれの強みを生かし、数年以内に商品化を目指す動きがあります。こうした研究開発に取り組む企業に着目した投資は検討に値すると言えるでしょう。

(この項つづく。9/13掲載予定)

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