兜のささやき兜のささやき

第3話 株はいつ売るのか?

2016.06.15

株の売り時はいつなのでしょう?株の買い時と共に、誰もが知りたいことです。売ってしまってから「もっと上がった」と後悔する、あるいは、売らずにいたら結局値が下がり売れなくなってしまったということが、とかくあるのではないでしょうか?
兜の神様はこの問いにどのようにお答えくださるのでしょう。


T :株はいつ売るのがよいのでしょうか?

神様:(微笑ながら)またまた、真っ直ぐな問ですね。でも、これも大事な問です。底値で買って天井で売ることはとても難しいことです。底値で拾おうとすれば買い時を逃したり、天井で売ることにこだわり売り時を逃したりするのが世の常のようです。頭のてっぺんから尻尾の先まで美味しくいただきなど都合よくいかないのが株の売り買いです。『頭と尻尾はくれてやれ』との心意気で、腹八分目が丁度よさそうです。
では、逆に質問しますが、あなたは『株』の語源を知っていますか?

T :いいえ、よく存じ上げません。

神様:『株』の語源をひもとくと、木を切り倒したあとに残った切り株のようにずっと残っている様子から、継続的に保持される地位や身分が『株』と呼ばれるようになったのです。具体的には、江戸時代、社会の各分野で、身分や格式、仕事が世襲継承され固定するとともに株は一つの権利となり、売買や譲渡の対象になりました。
例えば、武士の御家人(ごけにん)株。生活に困窮した武士が金銭を対価として商人や農民などに、家柄そのものを株化して売り買いをしていました。実際には、養子に入るというかたちで。
また、商人や職人などが共同の利権を確保するために同業組合をつくった組織を「株仲間」といいます。株仲間の構成員は限定されて、売買や譲渡で株を取得した人だけが仲間になれたようです。

T :なるほど…

神様:(微笑みながら)何が言いたいのか、という顔をしていますね。

T :あっ、すいません。顔に出ていましたね。

神様:いいですよ。つまり、株はもともと「継続的に保持される」「限られた仲間が持てる」という起源があり、安易に売り買いするものではないと先人たちは考えていたのです。

T :あっ、そういう意味があるのですね。

神様:もう一つ、武士の例からも読み取ってほしいポイントがわるのですが、わかりますか?

T :えっ、すぐには思いつきませんが、なんでしょう?

(つづく)

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