兜のささやき兜のささやき

第103話 投資の醍醐味(その1)

2018.05.16

株の神様の声が聞こえるというTさんは、眩しい新緑を眺めながら、「苦味」「塩味」「うま味」など「五基本味」の味覚を喩えに、神様と投資談義に花を咲かせました。まだ、余談があるようです。


神様:「五基本味」だけでなく、人間は味に対し様々な名称を付けてきました。例えば「醍醐味」という言葉がありますね。語源をご存知ですか?

T:仏教から、と聞いた覚えはありますが、詳しくは知りません。

神様:「大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)」中の「五味相生の譬(ごみそうしょうのたとえ)」に、「牛より乳を出し、乳より酪(らく)を出し、酪より生蘇(しょうそ)を出し、生蘇より熟酥(じゅくそ)を出し、熟酥より醍醐(だいご)を出す、醍醐は最上なり」という一節から来ています。これは様々な経典を経て、「大般涅槃経」こそ、最も進化した仏教の経典であることを、乳製品の製造プロセスになぞらえて説明したものです。

T:(神様の見識の深さに感嘆しながら)プロセスの最後が醍醐で、本当の素晴らしさを意味する醍醐味となるわけですね。私はまさに投資の醍醐味を教えて頂いているのですね。

神様:(そのお世辞には反応せず)そういえば、醍醐の一歩手前、熟酥を社名に取り入れている会社がありました。ご存知ですか?

T:いえ、知りません。

神様:熟酥はサンスクリット語で「サルピス」です。

T:あっ、「カルピス」ですか?

神様:そうです。「カル」はカルシウムの略で、それに「サルピス」の「ピス」を付けました。カルピス創業者の三島海雲は、仕事で北京から内モンゴルに行った時に、「カルピス」の原点である酸乳と出会いました。当地の遊牧民たちが愛飲している酸っぱい乳を口にしたところ、その美味しさと健康効果に感銘を受けたことが「カルピス」の誕生の原点です。三島海雲が仏教大学(現、龍谷大学)で学んだことも「カルピス」のネーミングに繋がったのでしょう。

T:「カラダにピース」が語源だと思っていました。

神様:カルピスから、あなたの言う「投資の醍醐味」が学べますよ。どんなことだと思いますか?

T:うーん、「うま味」の話から類推するに…(前話「第102話 味と投資(その3)」参照)
「カルピス」に含まれる乳酸菌の主な働きである、整腸作用、免疫賦活作用、美肌作用、安眠作用などが改めて注目されているようですよね…
高齢者に限らず、現代人の食習慣は不規則かつ、栄養が偏りがちで、長らくその悪弊が続くと病気になりがちです。おいしくて体に良い、まさしく医食同源を進めているような企業を応援すると良い、といった感じでしょうか?

神様:ひねり出しましたね!ただ、やや無理がありますね(笑)。
「カルピス」の生みの親、三島海雲の人生に「投資の醍醐味」が凝縮されているんです。そもそも、三島海雲は最初に乳酸菌で発酵させたクリームを商品化したのですが、その商品名が「醍醐味」なのですよ。

T:えっ、そうなんですか!それは、知らなかったです。ただ、それと「投資の醍醐味」とどういう関係があるのでしょうか?

神様:まあまあ、何でもすぐに聞かずに、ちょっとご自身で考えてみなさい(笑)

(この項つづく。次回「投資の醍醐味(その2)」を5/23掲載予定)

【参照】カルピス 公式ホームページ
カルピスの想いと歩み カルピスの生みの親 三島海雲
http://www.calpis.info/story/developer/

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