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第105話 投資の醍醐味(その3)

2018.05.30

株の神様の声が聞こえるというTさんは、「投資の醍醐味」について話しています。神様は「カルピス」の生みの親である三島海雲の人生から「投資の醍醐味」が学べると語っています。


神様:三島海雲の人生から学べる3つ目は、「国利民福」という大きな志。「国利民福」とは、国家の利益となり、人々の幸福につながる事業を成すこと。三島海雲の生涯をかけた目標でした。
大正12年の関東大震災の際に、焼け野原と化した東京で飲み水を求める人々に、私財を投げ打って、トラックをチャーターしたキャラバン隊により、「カルピス」を無償で配って人々を勇気づけたエピソードは有名です。

T:毎年のひな祭りに全国の幼稚園・保育園の園児たちに「カルピス」をプレゼントする取り組みを続けていましたよね。うちの子供たちも小さい頃、毎年楽しみにしていました。

神様:それも三島海雲の発案で、「白酒に似た白い色の『カルピス』で乾杯し、子供たちに楽しいひなまつりを過ごしてほしい」との願いから始まったそうです。

T:もちろん広告宣伝の狙いもあるでしょうが、50年以上、1億人以上の子供たちにカルピスを無償で提供したと聞きました。これは、やはりすごいことですよね。

神様:三島海雲は、晩年(昭和37)には、全財産を投じて人類の福祉に寄与することを設立の趣旨とし、自然科学・人文科学の研究を助成する「三島海雲記念財団」を設立しました。設立に際して、三島海雲は、『私が今日あるのは、先輩、友人、さらには国民大衆の方々の「カルピス」に対する惜しみないご声援によるところのものであると思った。したがって私の得られた財物は、ひとり三島海雲の私するものではない。あげて社会にお返しすべきものである。そして、お返しする方法として、財団を設立することが望ましいとした』と語りました。「私欲を忘れて公益に資する」という志を実行し、生涯に渡り貫いたことがわかります。

T:そのような志を持った経営者を応援することが投資の醍醐味にもつながるのですね。

神様:三島海雲から学べる4つ目は人との交流です。三島海雲は、有名なところでは、与謝野鉄幹・晶子夫妻のような文化人から、ジャーナリスト、学者、政治家、宗教家、実業家、資産家など多岐にわたる分野のいずれも一流の人物と親しい交流を持ち、常に各分野の専門家の意見を聞くことを信条としていました。

T:経営者の人脈は会社や事業の成否を分けますよね。

神様:当時、三島海雲と関わりのあった日本を代表する企業の経営者がこう語っています。『三島さんは何事によらず、こうしようと思ったことには熱心だ。それが人の心を打つ。それからすこぶる正直である。それで人は三島さんを応援したくなる。一言でいえば三島さんの人徳ということです』

T:よくわかりました。単に人脈が豊富なだけでなく、各分野の一流の方々に応援されるような経営者を見出すことがポイントなわけですね。

神様:その通りです。

T:失敗にも諦めず試行錯誤を重ね、新しいことに敏感な感性挑戦する勇気、そして私欲を超えて社会に貢献する志を持ち、各界の一流の人々にも応援されるような経営者を見つけ、投資することが醍醐味につながるのですね。

神様:そうです。三島海雲のような経営者を早くに見出し、一緒に事業の成長を楽しみ、社会にも貢献する、これこそが投資の醍醐味と言えるでしょう。

(この項おわり。次回6/6「資産運用も二刀流」掲載予定)

【参照】カルピス 公式ホームページ
カルピスの想いと歩み カルピスの生みの親 三島海雲
http://www.calpis.info/story/developer/

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