兜のささやき兜のささやき

第106話 資産運用も二刀流

2018.06.06

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、スポーツバーで談笑しながら話は自然と投資の話となります。


T:今年から大リーグに移籍したエンゼルスの大谷翔平選手の活躍はすごいですね。アメリカン・リーグの週間MVPにも選ばれるほどの大活躍です。

神様:投打どちらもルーキーとして立派な成績です。それを日本以上にレベルの高い大リーグで両立しているのは、素晴らしいことですね。

T:ベーブ・ルース以来の二刀流(two-way player)として米メディアでも大きく取り上げられていますね。

神様:ベーブ・ルースは打者として通算714本塁打を記録している一方、投手としても通算94勝もあげています。改めてその凄さがわかります。

T:ベーブ・ルースは、1918年には2桁勝利と2桁本塁打を記録していますが、それ以来この記録を達成した人はいないですよね。大谷選手には100年ぶりの記録達成が期待されており、大谷選手のスケールの大きさに驚くとともに、日本人としては誇りも感じます。

神様:大谷選手のような「打ってよし、投げてよし」の二刀流は、資産運用にも必要です。

T:と言いますと?

神様:例えば、足元の金融市場は様々な問題を抱えています。米国のトランプ米政権が進める鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限や中国による知的財産権侵害に対する制裁措置をめぐり、緊張が高まる米中の通商摩擦。北朝鮮や中東リビアをめぐる地政学リスクも大きな問題です。

T:米国と中国、北朝鮮の関係は予断を許しませんよね。

神様:日本国内では、円高や政治の混乱など金融市場のボラティリティーが大きくなっているようです。こうしたボラティリティーの大きな市場では、攻めの投資、つまり、大きな値上がり益を追及するだけではなく、バランスのとれた資産運用が必要かもしれません。

T:リスクを分散させておく必要があるということですね。

神様:そうです。資産を①将来のインフレによる資産の目減りからの保全、②為替変動に伴う資産の目減りからの保全、③予想される資産価格の変動からの保全をするためには中長期の分散投資が重要です。

T:野球で言えば、投手というか守備側、守りの発想が必要ということですね。

神様:そうです。国内外の債券、株式、オルタナティブ(不動産、金等)や現預金に分散し、リスク水準や市場環境に応じて資産配分比率を変動させることで、中長期的に資産の保全を目指すような資産運用が重要と思われます。

T:大谷選手で言えば、ホームランを狙う前に、まず投手としての実績を作るということでしょうか。160キロを超えるストレートだけでなく、キレのある変化球を複数持ち、相手によって柔軟に投球を組み立てる手法が評価されているようで、今のお話に通じるところがある気がしました。

神様:複数の決め球があることは、リスク分散の資産運用と重なりますね。資産運用では、方法の一つとして投資信託を投資対象としたファンドラップも検討に値すると思われます。ファンドラップはご存知ですよね?

T:はい。資産をリスク許容度や投資目的に合わせて、専門の担当者が複数のタイプの投資信託(ファンド)を選び、金融資産の運用・管理を包括的に行うもので、リスク水準や市場環境に応じて資産配分比率を適宜見直し、資産の運用状況を定期的に報告するサービスです。

神様:将来大きく成長するベンチャー企業を見出すような攻める投資と、守りの資産運用を、大谷選手のような高いレベルで実現できるといいですね。

(この項おわり。次回6/13「国際貿易と投資」を掲載予定)

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