兜のささやき兜のささやき

第112話 景気と株価

2018.07.18

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから役立つものながら、学校ではなかなか本当のところが学べるわけでもないため、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも興味を持ち、夕食時の話もいつの間にか投資の話につながったりするようです。


S:ニュースでよく景気、景気と話題になるけど、そんなに大事なものなの?

T:そうだね、景気が良いということは、経済がうまく回っているということで、多くの会社の売り上げが伸びて、お給料が増える人も多いので、世の中が明るい印象だよね。

A子:「景気は気の持ちよう」とか、「景気は気から」とも言われるから、何だか実際にあるような無いような、フワフワした感じもあるわよね。

Y:景気はどうやって測られるの?

T:景気の動向を示す指標のひとつに、内閣府が発表する景気ウォッチャー調査がある。この調査は「街角景気」とも言われていて、景気の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種や職種の中から選定した2,050人を対象に調査するもので、各地域の百貨店やスーパー、コンビニ等の小売、ホテルやレジャー施設などのサービス業、美容室経営者への調査を行い、毎月発表しているんだ。足元の景気実態を把握するのに良い指標だよ。

A子:今回は随分長く景気がいいのよね?

T:そうだね、今回の景気拡大は2012年12月に始まったんだけど、高度成長期の「いざなぎ景気」(1965年11月から1970年7月まで57カ月間継続)を昨年に超え、戦後2番目の長さになったんだ。このまま、2019年1月まで続けば、戦後最長の景気拡大(2002年2月から73カ月間継続)を抜くことになるね。

Y:景気がいいと株価も上がるの?

T:いい質問だね!今回を除いた過去の景気拡大局面14回の日経平均株価の平均騰落率は47.3%の上昇で、13勝1敗(13回上昇で下落1回)だったんだ。唯一の下落はオリンピック景気(1962年11月~1964年10月まで24カ月にわたって景気拡大継続)で、日経平均株価が3.7%の下落だったんだけど、他の時期の上昇率に比べると、下落率は小さいね。

S:景気がいいと株価はほぼ上がるということなんだね。

Y:今回も上がっているの?

T:今のところ(2012年12月から2018年4月末まで)、今回の景気拡大局面の日経平均株価の上昇率は2.38倍と、過去最大の上昇率であった岩戸景気の2.45倍に匹敵しているんだ。

A子:このまま、景気拡大も株高も続いてくれるといいわねー

T:国際通貨基金(IMF)では、世界景気は2018年、2019年と拡大すると予想しているけど、米国の保護貿易主義や朝鮮半島の動向など警戒すべきことも多いからね。景気拡大や株高が続くことに期待しつつ、世界や日本の政治や経済の動きをよく見て投資判断することが大事になるね。

(この項おわり。次回7/25「ハードとソフトどっちに投資?」を掲載予定)

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