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第115話 熱い!投資(その2)

2018.08.08

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも興味を持ち、夕食時の話もいつの間にか投資の話になることしばしばです。今も暑さの話題から、熱中症のタイプに応じた対策とそれによって業績や株価を伸ばしそうな会社の話になっています。


T:熱中症の4つのタイプのうち、2つ目のタイプは「熱けいれん」。大量に発汗した時、水分補給のみで対処しようとすると引き起こる。汗には塩分も含まれているのは知っているよね?

S:うん、帽子に白くシミができるよね。

T:汗で塩分が流出し、血液中の塩分濃度が低下すると筋肉に影響が出て、足・腕・腹部の筋肉に痛みを伴うけいれんが起こる。これが「熱けいれん」。

Y:だから、塩飴みたいに夏になると「塩」押しの商品が増えるのね。

T:3つ目は、「熱疲労」。大量の発汗により、水分、塩分ともに足りなくなり、脱水症状を起こした状態を指す。脱水によって脳などの重要臓器への血流が減るために脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などの症状がみられる。

S:これはもう水分をちゃんと取ることが大事だよね。スポーツドリンクも売れるだろうな。

Y:水分補給では経口補水液も人気よね。そのメーカーも売上伸びそう。

A子:いろんな業者がいて競争厳しいみたいだけど、家やオフィスに水を宅配するビジネスも今年は伸びそうね。

T:最後の4つ目は「熱射病」。これは最も重い症状だ。脱水症状が悪化し、体温が上がり続け、脳機能に異常をきたした状態を指す。体温調節機能が働かなくなるため、発汗もなくなり、体温が40℃を超える場合もある。意識障害に加え、中枢神経や心臓、肝臓、腎臓などの臓器に致命的な障害が起こり、最悪、死亡に至るケースもあるから深刻だ。

A子:熱射病になったらおおごとよね。そうなる前に、予防の対策がやっぱり重要よね。そう考えると、熱中症対策商品が全般的に揃うドラッグストアは、通常の夏以上に今年は儲かりそうね。

S:熱中症を予防する薬や、万一熱中病になっても治す薬を研究している会社ってあるのかな。そういう会社は将来的に伸びそうだよね。これから年々もっと暑くなるかもしれないでしょ。

Y:年々暑くなることを防ぐ産業に期待できないかしら。例えば地球温暖化を防ぐようなビジネスを展開している会社とか。

T:そういう中長期の視点はとてもいいね!実は、パパが株の神様に、「株をいつ買うのが成功するコツなのか」を聞いたことがあるんだけど、『夏に火鉢、冬に麦わら帽子』を買うと良いという教えがあった。(第2話「株はいつ買うのか?」ご参照)

S:ええー、それってどういうこと?まるっきり逆じゃない!

T:今までみんなが、例に挙げた水や飲み物をはじめ、熱中症対策の商品の関連では株価は実際に上がっている銘柄も多いけどね、今から買っても投資としては全てのケースが儲かるわけじゃない

Y:既に株価が上がってるから、今買ってもこれ以上どこまで上がるかわからないし、下手をすると下がっちゃうかもしれないってことね。

A子:だったら、今年の冬が寒いかわからないけど、冬に伸びそうな業界や商品を調べて、先読みして今から株を買っておくと良いというわけね。

T:その通り!さらに言えば、今年の冬よりももっと長い目で、熱中症予防・治療や地球温暖化防止に貢献しそうな会社を探すのは、自分たちの投資が社会の役に立つという意味でもとても良いことだと思うよ。夏休みの宿題じゃないけど、2人でそういう会社を探してみたら?

Y&S:うん、探してみる!

(この項おわり。次回8/15「貿易摩擦を超えて成長産業を探す (その1)」を掲載予定)

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