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第126話 ノーベル賞と株(その2)

2018.10.24

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも興味を持ち、休日の雑談も投資の話につながったりします。 ノーベル賞の話から、ノーベル賞に関連する企業の株価上昇の話になり、さらに『裏ノーベル賞』があるという話に発展しています。


T:『裏ノーベル賞』というのは、イグノーベル賞という賞のことだよね?

A子:さすが、パパ!よく知っているわね。

S:どんな賞なの?

T:イグノーベル賞は、1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に毎年与えられる賞で、表のノーベル賞に対して、裏ノーベル賞とも言われている。

Y:わぁー、それ、面白そう!どんな研究が賞をとるの?

T:例えば、今まで、日本からは「カラオケ」、バンダイが発売したバーチャルペット「たまごっち」、現タカラトミーが開発した犬とのコミュニケーションツール「バウリンガル」といったものが受賞しているよ。

A子:ママが聞いたのはね、ハトを訓練してピカソとモネの絵を区別できるようにした(ハトの絵画弁別)功績。

S:それは、確かに変わっていて、笑えるね。

T:さらに変わっている例だと、床に置かれたバナナの皮を人間が踏んだときの摩擦の大きさを計測した研究、前かがみになって股の間から後ろ方向にものを見ると実際より小さく見える「股のぞき効果」を実験で示した研究、と様々な研究者が受賞している。

Y:日本人って、真面目なイメージがあるけど、ちょっと面白い研究も得意なのね!

T:今年受賞した研究内容は、座った姿勢での大腸内視鏡検査が苦痛が少ないことを実証した、というものだよ。通常、大腸がん検査等で行われる内視鏡は、横になった状態で肛門から管を入れて検査をする。受賞したお医者さんは痛みや不快感を減らす方法を探して、自らが患者役になり、座った姿勢で容易に挿入できるための試行を重ねたそうだ。

S:なんか、笑えるというより、立派な研究だね。

Y:お医者さんは、すごく忙しい仕事なのに、患者さんの立場になって検査を受けやすくするために自ら実験台にして工夫した、ということでしょう。尊敬しちゃう。

A子:「大腸がんをなくしたい」という思いで試行錯誤したそうよ。こういう話には共感して、今度検査を受ける時は試してみたくなるし、応援したくなるわよね。

T:患者さん、言い換えればお客様の立場に立って行動する。他の企業の製品やサービス開発ついても同じことは言えるよね。

S:こういう企業のいい話って、どうやって探すといいのかな?

T:企業のHPの中には、製品情報だけでなく、開発の様子等をわかりやすく説明しているものも多くなっている。最近では、投資家向けの情報も書類だけでなく、動画で決算説明会の様子を見ることができて、新しい事業や製品のQ&Aを含めた、突っ込んだやり取りも知ることができるよ。

Y:でも、どの企業のHPを見たらいいのかが難しいよね?企業はたくさんあるし、いい話も何か「まとめ」みたいなのがあると便利だけど。

T:証券会社の研究所等が発行しているレポートは参考になるよ。企業が発表するニュースリリースや決算に対してタイムリーにコメントが掲載されていて、注目の企業についての詳細なレポートもある。

A子:村上春樹さんのノーベル文学賞じゃないけど、来年と言わず、今年から是非!(笑)

T:何それ!?

(この項終わり。次回10/31「動画と株」を掲載予定)

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