第131話 空き家と投資

2018.11.28

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも興味を持ち、休日の雑談も投資の話につながったりします。


A子:ニュースで空き家の特集をしていたわ。なんか深刻そうよね。

T:政府の調べだと、全住宅の7戸に1戸が空き家だね。空き家率も年を追うごとに上昇していて、民間調査によれば、2033年頃には、3戸に1戸が空き家になってしまうという予測も出されている。

S:空き家、うちの周りにはそんなに多くない気もするけど。

T:『空き家』と聞くと、草木が覆い、傾いて今にも倒壊しそうな廃墟を思い浮かべるかもしれないけど、誰も住んでいない戸建てだけでなく、賃貸アパートの空いている部屋や買い手のつかないマンションの1室も空き家、それに統計的な定義だと別荘も空き家になるんだ。

Y:買い手が見つかればいいだけなら、そこまで問題なの?

T:日本は少子高齢化が進むに連れ、世帯数も減少しているんだけど、一方、新築住宅は着々と供給されているから、相続等をきっかけとして空き家が拡大傾向にある。それに、過疎化が進んでいる地方は、より空き家の比率が高いことが問題となっているんだ。

A子:確かに、空き家があるのに、新築の家がどんどん建つのは、なんか無駄な感じよね。

S:周りが空き家ばかりだと何だか怖いしね。

T:海外と比べて見ると顕著だよ。住宅全取引に占める中古住宅の割合の国際比較を見ると、米国が9割、英国が8割強、フランスが6割強なのに、日本は15%程度なんだ。

Y:米国では新築の方が少ないって意外!それにしても日本人は新しい家が好きなのね(笑)

T:そうだね、政府が景気浮揚策としてたびたび重視してきたことも背景にある。ただ、政府も増え続ける空き家問題を解消するために、中古住宅・リフォーム市場を、2013年の7兆円から、年率約6%のペースで成長させ、2025年に12兆円と拡大させる計画だよ。キーワード的に言うと、新築住宅を生み続ける『フロー型』から、中古住宅をリフォームして活用する『ストック型』の社会を目指している。

Y:古民家を改装したおしゃれなカフェや雑貨屋さんが増えているし、古い家を自分好みに改装するのもなんかカッコいい気がする。

T:実際に、国土交通省住宅局の調査によると、現在は借家で、今後は持家が欲しい世帯のうち、「中古住宅が良い」「新築住宅・中古住宅どちらでもよい」という割合は2003年の31%から2013年には44%と上昇している。新築住宅にこだわらない人が増えてきているのは確かだね。

A子:政府としても重点分野で、住む人のニーズも増えているなら、今後は、中古住宅のリノベーション分野の企業が注目ということね!

T:そうだね。中でも、地方再生につながり、地方のリノベーションにも貢献する企業に目を向けてみるのは、投資の観点として面白いし、古くても日本の良いものを残すことは応援したいよね。

(この項終わり。次回12/5「成長が見込める医療関連分野 (その1)」を掲載予定)

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