第139話 教育の未来と株

2019.01.23

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、鍋と日本酒を楽しみながら投資講義を受けています。


T:今年、亥年は『亥固まる』で、過去の株価上昇率も高く、安定してかつ伸びる勢いもある年になると良いなと思っていますが、年末から波乱含みで、米中貿易摩擦など先行きも心配な点が多いですね…

神様:あなたは、特に年始は、全体を眺めて心配になることが多いですね(笑)。こういう時にこそ、期待される業界や企業を探すのが株式投資の醍醐味ですよ。私はこの春からとても楽しみにしている分野があります。

T:どんな分野ですか?

神様:教育分野です。

T:私も自分の子供たちのこともあり、とても関心がある分野ですが、そんなに成長が期待できますか?

神様:昨年2月、安倍内閣がデジタル教科書を正式な教科書に位置付ける学校教育法改正案を閣議決定したのはご存知ですか?

T:はい。教育課程の一部において、デジタル教科書を通常の紙の教科書と併用して使用できるよう、今年の4月1日の施行を目指していると思います。

神様:その通り。デジタル教科書はパソコンやタブレット等の端末向けの教材を指し、『指導者用デジタル教科書』と『学習者用デジタル教科書』に大別され、いずれも紙の『検定済教科書』の副教材として位置付けられています。

T:『指導者用デジタル教科書』は、黒板に替わり、電子黒板などを使用して授業を行うための学習内容を想定していますよね。

神様:さすがですね!『学習者用デジタル教科書』は、子供ごとにタブレット等を使用し、学習するための教育ツールです。動画や音声など多様なコンテンツが使え、学習効率の飛躍的向上が期待されています。私に言わせれば、決定や導入が遅いくらいですが、今後が楽しみな分野です。

T:ただ、教育は難しいですよね。先生方が新しい内容やツールを習熟するには時間もかかりそうですし。内容は良質なものが望まれ、一方で「教育で儲ける」というのは何となく憚られるイメージもあります。極めて重要な分野ですが、投資対象として魅力的と言えるのでしょうか?

神様:そういうところは、あなたは急に視野が狭くなりますね(笑)。教育分野を少し広く全体を眺めて観ると良いですよ。「部分の全体を観る」とでも言いましょうか。

T:と申しますと?

神様:デジタル教科書の本格的な普及のためには、教育コンテンツ自体はもちろんですが、LAN(構内ネットワーク)等の通信網や、電子黒板・タブレット端末といったハード面での整備のほか、デジタル教科書を機能させるためのソフトの導入も必要となります。

T:なるほど、広い裾野があって、ICT(情報通信技術)のノウハウに長けた、様々な関連企業にチャンスがあると。

神様:そうです。例えば、タブレット端末は「ICT教育の目玉」とされているので、そこでシェアを伸ばせる企業は当然業績や株価も伸びが期待できますが、私が注目しているのは、生徒が教育上望ましくないアプリのダウンロードや危険なサイトの閲覧に、制限を加えられるスマートデバイス向けWebフィルタリング製品を提供しているような会社です。

T:そういうことですね!具体的に例を示して頂くとよく理解できます。セキュリティや保守、トラブル対応、動画のような大容量コンテンツの高速化等、多くの分野がありそうですね。

神様:既に、民間企業等に遠隔地を映像と映像でつなげるリモートワークのシステムを提供している会社は、当然、リモート教育を大きな成長機会と捉えるでしょう。

T:教室の中をデジタル化するだけでなく、教室間を繋ぐと考えると、過疎地域や離島などこれまで教育上不利とされた地域の教育の充実にもつながりますね。

神様:そういう分野もありますし、海外を含めた最新の、そして一流のコンテンツを日本の子供たちがより身近に学べる機会も増えるはずです。

Tさんは、とても楽しみな気分になり、子供たちの未来のためにも、デジタル教科書の関連分野をよく調べ、応援する企業を探そうと心に決めました。

(この項終わり。次回1/30「宅配便と株」を掲載予定)

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