兜のささやき兜のささやき

第142話 安全安心への投資

2019.02.13

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。天気の話も投資の話につながるようです。


A子:北海道は平年よりかなり寒くなることに警戒が必要で、沖縄や奄美は逆にいつもの冬よりもかなり暖かくなることが心配のようね。

Y:去年は北海道で地震があったし、沖縄や奄美は台風の被害が大きかったよね。その土地の人たちは本当に大変そう…

S:日本は自然災害が多い上に、これからますます異常気象が続くと思うと、怖いな…

T:政府も対策は考えているようだよ。2019年度の当初予算が前年度から3.7兆円増えて、一般会計の歳出総額は当初予算ベースで初めて100兆円を超えたんだけど、その内、昨年7月の豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震をはじめとする相次ぐ自然災害の教訓を踏まえて、国土強靭化関連予算案として約4兆円が計上されたんだ。

Y:『国土強靭化』というのも、すごいネーミングね。

S:国土が災害に強くなるという意味なんだね。

T:そうだね。2020年度までの3年間の防災・減災、国土強靭化のための事業規模は約7兆円にのぼるそうだ。

Y:7兆円って大変なお金よね?具体的にはどんなことに使うの?

T:内訳は、大きくは「防災のための重要インフラなどの機能維持」と「国民経済・生活を支える重要インフラなどの機能維持」なんだけど、高度経済成長期に集中的に整備された道路や橋、堤防といったインフラが老朽化していて、台風や地震によって壊れてしまう恐れがあるから、その対策などが盛り込まれているそうだ。

A子:ということは、建築や土木の会社は活況になるということよね?

Y:あっ、またママの目が光った。投資のことを考えているのね(笑)

T:国策を追い風に需要拡大が続くと期待されるね。この分野は、将来に向かって子供達の安全安心を守るための投資だからパパも注目しているよ。

A子:さすが、パパ!もうリサーチ済みなのね(笑)

T:まだ途中だけどね。国土強靭化・老朽化インフラ対策の関連企業は、大手ゼネコンを筆頭に土木工事、橋梁、道路などの施工会社や、関連資材メーカーなど幅広いから、その中でも災害に強い国土作りに貢献しようとしている企業をちゃんと選ぶことがポイントだと感じているよ。

S:パパは、どんな会社に注目しているの?

T:例えば、道路や橋などのコンクリート構造物の補修工事に特化している会社がある。専業というだけあって、補修用の資材や材料まで内部で作るような一貫体制ができていて、強いなと思うよ。

Y:そういう会社が台風や豪雨の時の復旧作業で活躍しているのね。

T:逆に「備えあれば憂いなし」と昔から言うけど、都市部で災害に強い建物や地盤作りを得意とする会社もあって、そういう企業の中で独自の高い技術を持っている会社には注目しているよ。技術を持っている会社は、防災のような安全安心の分野はもちろん、例えばリニア中央新幹線のような未来のインフラ作りにも貢献できるからね。

A子:いろんな投資候補がありそうだから、私もリサーチ手伝うわ(笑)

(この項終わり。2/20「お一人様と株」を掲載予定)

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