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第178話 増税前駆け込み購入だけじゃない…パソコン市場の変化とは?

2019.10.23

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は海辺のカフェでコーヒーを飲みながらの投資談義となりました。


T:この前、家族でBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)について話をしました (第177話 人手不足・働き方改革…日本の企業に求められる変化) 。IT系のBPOサービスが今後も安定的に成長していくのだろうなと思っています。

神様:いい視点ですね。今後の人手不足の解消手段として、成長市場のひとつではないでしょうか。ところで、IT系に関連して面白いデータがあります。電子情報技術産業協会(JEITA)によると、パソコンの国内出荷実績は、2019年7月が83.4万台、そして8月が88.9万台で、それぞれ前年同月と比べて60%超の増加という傾向にあります。これはなぜだと思いますか?

T:やはり、10月の消費税増税前の駆け込み購入でしょうか。それに、2020年1月14日にサポート終了となるWindows7の切り替えもありますよね。

神様:ちなみに、消費税が5%から8%になった時期は覚えていますか?

T:確か2014年4月ですね。そう言えば、その時はちょうどWindowsXPのサポート終了の時期でしたね。

神様:面白いのは、2014年1月から3月期のパソコン出荷台数は、前年同期比で約30%の増加でした。今回と前回、何が違うのだと思いますか?

T:そうですね…企業でペーパーレス化が大きく進んだり、また、テレワークや副業・兼業が認められる企業も多くなりました。パソコンを使う頻度が増えて、5年前より買い替えた人が多かったのかもしれません。また、ITリテラシーの向上により、セキュリティ対策への認識が5年前より深まっていて、OS切り替えへの意識も高くなっていることも考えられます。

神様:そういう仮説を持って考えることが大切ですね。5年間で大きく変わった状況は何か、どのように変化したのか?そこにヒントがあると思います。ひとつ言えるのは、働き方改革が影響していることは確かであると思います。また、実際にインターネット利用時における不安についての調査では、「不安を感じる」または「どちらかといえば不安を感じる」と回答した人が、2016年から2018年にかけて右肩上がりで増加する傾向にある、という結果もありますから、セキュリティへの意識も高まっているかもしれません。他に、学校教育でも大きな変化がありませんか?

T:2020年度から小学校でプログラミングの授業が始まりますね。毎回必ずしもパソコンを使う授業ではないようですが、小学校への入学を期に、子供用のパソコンを揃える家庭も多いでしょうね。

神様:ところで、ランドセルの繁忙期はいつ頃か、ご存知ですか?

T:息子のランドセルを買ったのが冬頃だったと思いますが、お正月明けでしょうか?

神様:今は7月から8月頃が繁忙期のようです。ランドセルも色や材質などで多様化、差別化が進んでおり、できるだけ良いものを選びたいという買う側の心理が影響しているのかもしれませんね。

T:え、思ったよりも早いですね。子供用のパソコンも、余裕を持って夏頃から購入を検討する家庭も増えるのかもしれませんね。

神様:実際はどうなのか、パソコン売り場へ行くなどして、買う側の心理を考えてみると面白いと思います。また、文部科学省では、2025年度をめどに小中学校や高校でコンピュータを児童生徒が1人1台使える環境の整備を進めようとしています。教育現場のIT化がどのように進展するのかもイメージしてみましょう。

Tさんは、パソコン市場の過去5年間での変化、そして今後の変化について、実際に売り場を見ながら、また学校教育現場の変化も見ながら、考えてみようと思いました。

(この項終わり。次回10/30「防げ地球温暖化 「脱炭素」社会は実現できるか?」掲載予定)

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