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第185話 増加する「うつ病」患者 最も多い世代は?

2019.12.11

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。今日は、家族で天気の話をしているようです。


A子:ここ数日、雨模様が続いていて、憂鬱な気分ね。洗濯物も干せないし、すっきりと晴れてくれたらいいのに。

S:僕も、もううつ病なんじゃないかな。気分がすぐれないよ。

T:天気だけでうつ病にはならないんじゃないかな(笑)。それに、うつ病患者の数が最も多いのはどの年代か知ってる?

Y:中高年かな?仕事のプレッシャーとか大きそうだよね。

T:お、いいところを突いているね。でも一番多いのは、65歳以上のシニア世代なんだよ。

A子:特に男性は、定年退職で仕事を引退した人が家族や地域との関係で苦労すると聞くわ。生きがいも失って、部屋にこもりっきりになる人も多いんでしょう。

T:そうだね。何らかの病気を抱えて行動が不自由になったり、孤独感が増したり、経済的に困窮したり、高齢者をめぐる厳しい環境がうつ病の要因になっていると言えるね。65歳以上の次に多いのが、45歳から54歳の年代で、これがYが言ったような、仕事のプレッシャーや家庭内での子育てのストレスなどが関係してくると言われているよ。ちなみに、SやYの年代の患者数の割合は全世代の中で最も少ないんだよ。

S:もっと多いと思ったんだけどな。

A子:うつ病の患者数って増え続けているのよね。

T:厚労省が調査した「気分障害の総患者数推移」によると、2002年には約71万1000人だった患者数が、2017年には約127万6000人に増えているんだ。だからと言って、単純にうつ病にかかりやすくなっているとか、現代人の心が弱くなっているとは言えないと思うけどね。

A子:そうね。昔よりメンタルヘルスについてより気軽に病院で受診する人が増えているし、私の周りでも薬を処方してもらった人を何人も知ってるわ。うつ病は「心の風邪」と言われていて、気軽に受診して、薬を飲んで治るもの、というイメージがあるわ。

T:うつ病は重症になると自殺につながる恐れもある怖い病気だけれど、自殺者数で言えば、平成30年の自殺者数は2万840人で9年連続で減少傾向にあるから、うつ病の患者が増えていても自殺者につながっているわけではなさそうだね。

A子:メンタルヘルスって、投資先としてもいいのかしら?

T:う~ん。これから高齢者が増えていく中で、うつ病を誘発しやすい環境をいかに防ぐか。病院や薬局、その周りの製薬会社や医療機器メーカー、医師、看護師など、そういった人たちを中心として、どんな環境をつくることができるかを考えるのは大切だね。うつ病では治療の中で再発防止を考えることも、とても大切なんだよね。薬による治療だけでなく、再発防止や予防についても考えて活動している、そういう企業があれば、投資先としても良いんじゃないかな。

A子:そうね。まずは病院や製薬会社から調べてみようかしら。

Y:パパも、仕事を引退しても元気でいなきゃね。パパの生きがいは何?

A子:投資でしょ?

T:パパの生きがいはね、子どもたちだよ(笑)。

(この項終わり。次回12/18掲載予定)

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