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第191話 需要回復へ 半導体分野の新ビジネスチャンスに期待

2020.02.05

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、寒空の日差しの中、公園を散歩しながら投資談義をしているようです。


T:この公園は昨年も来ましたよね。

神様:ええ。そうですね。昨年は桜の花が満開の頃に訪れました。そのときの話を覚えていますか?

T:はい。スマホの話をきっかけに、半導体や半導体製造装置分野の話 (第149話 半導体メーカーは買いか?(その1)) をしたのを覚えています。半導体分野はAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)、自動車の電装化、5G(第5世代移動通信システム)など、どの分野にとっても「頭脳」として必要になるため、中長期的にも重要な分野である、という話でしたね。

神様:また、プレイヤーも多種多様なため、自分だけでリサーチするのは難しいので、信頼できるリサーチャーやアナリストのレポートの意見を読んだり、実際に聞いたりするとよい、ともお話しましたね。

T:2019年の半導体製造装置(新品)販売額は、過去最高額だった前年の646億ドルから10.5%減少し、576億ドルになったと推定されているようです(世界的な業界団体:SEMI予想)。

神様:一方で、2020年の販売額は前年比5.5%増の608億ドルと予想されています。さらに、2021年は668億ドルと、過去最高であった2018年を上回ると予想されています。

T:季節の移ろいとともに、冬の枯れ木も時期が来れば美しい花で満開になる。まるで桜の木のようです。しかも、業績の回復だけでなく、過去最高の2018年を上回る予想とは。

神様:冬が過ぎれば、新しい芽吹きが見られます。半導体製造装置業界では、半導体製造の後工程と電子部品実装工程において融合が進み始め、新たなビジネスチャンスが生まれています。表面実装機メーカーの中には、「バンプ」と呼ばれる突起上の端子によって実装基板上にチップを接続する装置「フリップチップボンダ」を手掛け、後工程部分もカバーしている企業もあります。こうした新しいビジネスチャンスが生まれることで、半導体分野がさらに進歩していくことになりますね。

T:今後の日本経済の成長にとって重要な業界ですから、メーカー各社による工夫や努力、変化のスピードも激しいでしょうね。

神様:メーカーなどの企業だけを見ていても、変化についていくのは難しいでしょう。半導体分野は、政府の施策や国全体の消費活動など、経済社会全体の動きとも密接に関係します。こうしたマクロ経済にさらに明るさが見られれば、半導体製造装置業界への投資もより拡大するかもしれませんね。

T:やはり、自力での勉強だけでは厳しそうです(笑)。この業界について見識のある、信頼できるリサーチャーやアナリストの意見が大切ですね。こうして神様に説明いただいて、面白さがわかりました。ありがとうございます。

(この項終わり。次回2/12「大都市圏のオフィス空室率が低下 今後も続く?」掲載予定)

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