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第196話 待機児童は減少も…少子化対策の問題点とは?

2020.03.11

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、お金の話は社会に出てから大切なので、家族にもその内容をわかりやすく伝えています。今では、奥様のA子さん、高校生の長女Y、中学生の長男Sも投資に興味を持つようになりました。今日は夫婦2人で話をしているようです。


A子:近所のE子さん、赤ちゃんができたらしいわよ。おめでたいわね。

T:E子さんのところ、共働きのご夫婦だったよね。これから大変だね。無事に生まれたら夫婦で育児休業を取るのかな。

A子:そうね。でも近くに頼れる家族はいないらしいから、夫婦そろって長期間の休業は難しそうね。

T:そうか。現行の雇用保険では、育児休業給付金は最長で2年間の受給が可能だけれど、それでも経済的な不安は拭えないよね。もっと給付期間が延長されるといいんだけどね。

A子:それに、保育所利用の問題も深刻よ。

T:確か、政府は2019年10月から、子育て世代の経済的負担軽減のために、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までの全ての子供たちの利用料を無償化したんだよね。保育所の整備も進められて、ここ最近は待機児童の数も減少傾向にあると思っていたけど。

A子:でもね、0~2歳の低年齢児の預け先が増えていないの。今は、待機児童の割合は低年齢児が一番大きいのよ。

T:ええ、そうなんだ。

A子:それに、国が定める保育士1人当たりの受け入れ可能園児数も低年齢児ほど少ないから、保育士の数も増やさないと、対応できないのよ。でも保育士の資格を持っていても「賃金が希望と合わない」という理由で就業しない人も多いから、保育士の待遇改善も必要よ。

T:なるほど。このままでは少子化対策、子育て世代の支援策としては中途半端だね。E子さんの家のような家族が安心して子供を育てられるようになるには、どうしたらいいのかな。

A子:給付金の期限延長、保育士の待遇改善、低年齢児の受け入れ先確保、これらの国による整備も必要だけど、民間の保育関連企業のサービスにも期待したいわよね。

T:以前にも話した (第134話 共働きと少子化で儲かる企業) けれど、託児所や学童事業を展開する企業のように、育児や共働きを支援する事業は少子化対策にとって必要となるところだよね。

A子:そうなのよ。週に数回ベビーシッターを活用しているママもたくさんいるわ。こういう少子化対策・子育て支援サービスがさらに充実するといいわね。

T:それから、最近の新型コロナウイルスの感染対策によって学校が休校になったことで、仕事を休まざるを得なくなった人たちもいるよね。働き方改革が進んだとも言われているけれど、子供たちを預けるサービスなどでも何か新しい工夫が出るといいよね。

A子:まさに、ピンチはチャンスね。

(この項終わり。次回3/18「健康増進への関心高まる フィットネス業界に注目」掲載予定)

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