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第195話 命を守る行動を!予想を超える豪雨災害への対策

2020.03.04

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、梅の花が咲く公園を散歩しながらの投資談義となりました。


T:今年は梅の花が咲くのが例年より早いですね。春の訪れはうれしいですが、暖かくなるにつれて心配なのは、毎年のように起こる豪雨災害です。今年も、6月、7月、8月とどうなるのでしょうか。

神様:そうですね。昨年もお話ししましたが (第164話 「防災・減災、国土強靱化」の注目企業は?) 、国は2018年度から2020年度の3年間で、約7兆円をかけて「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を実施しているところです。

T:そのため、ゼネコンをはじめとした建設会社や、交通インフラに強い防災・減災対策の関連企業に注目しましょう、というお話をしましたね。

神様:しかし、その対策で万全かと言えば、そうは思えません。実際には、これまで予想されてきた規模を越える水害が毎年のように発生しています。例えば、ゲリラ豪雨。ゲリラ豪雨発生の要因の1つは、都市の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象により巨大な積乱雲を発生させるためとされています。都市部では、地面がコンクリート等でおおわれているため、熱を蓄積しやすいのです。

T:だから都市部でゲリラ豪雨が多いのでしょうね。昨年の豪雨災害のとき、近所の避難所が定員いっぱいになっていたことを思い出します。

神様:また、大雨が長時間降り続くことで、豪雨災害となりますが、2018年に国内約1,300拠点に点在するアメダス観測所等では、24時間降水量が77か所、 48時間降水量が125か所、72時間降水量が123か所で、それぞれ観測史上1位を更新しました。

神様:今後はさらに、河川の堤防決壊数や台風による土砂災害発生件数が頻発し、激甚化する恐れがあります。国土交通省の有識者検討会によれば、21世紀末には20世紀末と比べて、全国平均で降雨量が1.1倍、洪水発生頻度が2倍になるとの試算結果が示されているのです。

T:洪水発生頻度が2倍ですか。それだけ、命の危険が増えるということですよね。

神様:それだけ予想を越える水害が今後発生するということですね。そういったものに対処するため、現在の治水計画から、予測される将来の降雨量の増加等を反映した治水計画へ急いで転換する必要があると思います。そのためには、国・県・市のみならず企業・住民等と連携し、流域全体でのハード・ソフト一体となった水災害対策を進めていく必要があるのです。関係する業界全体がこのような動きを加速化させていくでしょう。

T:昨年の台風・豪雨災害時、都市部でいつ河川が氾濫するか分からない不安は記憶に新しいです。投資先としても、こういった治水計画に携わる企業や、河川の治水工事等の防災対策に関連する企業は注目されるかもしれませんね。

神様:その他、地域の住民への情報発信も大切ですよね。現在の降雨状況がどのようになっているのか、どの河川が危険なのか、こういった情報を発信するサービスも、今後ますます重要になってくると思います。

T:まさに、命に関わる情報ですね。なんだか梅の花の美しさとはそぐわない話になってしまいました。穏やかな春の陽気のように、平穏な1年であることを祈りたいです。

(この項終わり。次回3/11「待機児童は減少も…少子化対策の問題点とは?」掲載予定)

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