兜のささやき兜のささやき

第20話 次世代技術への投資と投機

2016.10.12

「バイオ関連」「ロボット関連」「フィンテック」「人工知能(AI)」「自動運転」など、今後の成長が期待される次世代技術は夢の大きい有望テーマです。こうした次世代技術が有望テーマ株として人気化し、短期間で株価が大きく上昇する場合があります。
兜町の株の神様の声が聞こえるというTさんは、神様にこのような有望テーマ株に投資すべきか否か、単刀直入に聞いてみたくなりました。


T:「フィンテック」「人工知能(AI)」等の次世代先端技術に関わる業界や企業の動きが連日のようにメディアを賑わしています。率直に伺いたいのですが、神様であれば、このような株に投資されますか?

神様:(ちょっと悪戯っぽく)あなたは、まだまだ私のこれまでの話の本質を理解されていないようですね。

T:(バツが悪そうに)有望テーマというだけで、飛びつくのは拙速ということですよね。

神様:そうです。業績の裏付けのある場合はよいのですが、業績もよくもないのに夢を追いかけ、株式需給だけで、買うから上がる、上がるから買うとなると、企業の実体価値を離れた過大評価となりがちです。

T:確かに。有望テーマ関連の企業には、神様が重視される経営者の力量という点でも、まだまだ未知数なケースも多い印象です。

神様:株式投資は投機ではありません。企業の成長による収益に期待して資本を投じるのが投資(資本の資)で、中・長期にわたった収益の実現(値上り益と配当)を目指します。一方、投機(機会の機)は、短期的な価格変動をチャンス(機会)と捉えて資金を投じるものです。投資も投機も、どちらも株式市場には重要な要素ですが、あなたのような個人が将来のライフプランを考えて資産形成を目指すのであれば株式投資を目指すべきでしょう。

T:神様が繰り返し仰っている中長期の視点こそが、投資の観点からは重要なのですね。

神様:株価の値動きへ目が行き、短期投資のつもりで株式を取得したが、結果として高値づかみとなり、塩漬け(売るに売れず含み損を抱えた状態)となる場合が往々にしてあります。先端技術など将来の有望テーマ株への投資では、リスクを抑えるための企業実体の把握と株価が適正な水準なのかどうかの株価分析をしっかりと行うことが通常の投資判断以上に必要となるのです。

Tさんは、まだまだ自分は勉強が足りず、目先の動きに捉われる危険性があることを痛感し、自戒すると共に、神様の直言に感謝を感じるのでした。

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