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第216話 テレワーク推進で注目される「SaaS」とは?

2020.08.05

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、閑静な住宅街にあるカフェで投資談義を行っています。


T:東京や大阪などで、新型コロナウイルスの感染者数が再び増えてきました。新型コロナ対策は、一筋縄ではいきませんね。

神様:全くです。7月26日には、西村経済再生担当大臣から経済界への”お願い”として、テレワークの70%実施、時差通勤、体調の悪い方は出勤させないこと、大人数での会合は控える等の協力が改めて呼びかけられました。とにかく感染予防を徹底するしかありませんね。

T:私は緊急事態宣言明けから会社に出勤していましたが、再びテレワーク中心の勤務生活に戻りそうです。そうは言っても、テレワークだけで完全に仕事を遂行することは困難ですし、今後の行方が悩ましいです。

神様:ここは楽観的に考えましょう。私たちがこれまで見てきたように、世界的にデジタル投資が進んでおり、データ流通量も増加しています。新型コロナウイルスの感染拡大を契機として、テレワークを導入する企業は増えています。今後はより一層「いつでもどこでも」仕事ができる環境が整っていきますよ。Tさんは「SaaS」というのはご存知ですか?

T:はい。「Software as a Service」の略で、ユーザーがインターネットを通じて業務用ソフトウェアを利活用する仕組みやサービスのことですよね。最近注目されているのか、よく耳にするワードです。

神様:その通りです。SaaS関連サービスは、インターネットに接続できる環境であればどこからでも利用でき、パソコンだけでなく、スマホやタブレットからでも利用できる。また、同一アカウントでログインすればどこにいても同じデータを共有することも可能です。テレワークなど場所にとらわれない働き方に最適な技術です。

T:わかりやすく言えば、クラウドサービスを活用したWebサービスであるとも言えますね。

神様:利用者のメリットとしては、システムを導入するにあたって大きなコストをかけずにすむことでしょう。企業にとって、システム導入とはシステムを「所有」することと同じことでした。ソフトウェアやハードウェアを購入し、自社に組み込む。大きなシステムにいたっては、外注や社内エンジニアによってサーバーやインフラの構築を行い、必要とされるシステムのための環境をゼロから立ち上げ、その上に要件に合ったシステムを設計し、動かしていました。大きな費用だけでなく、時間も手間もかかるものでした。

T:一方でSaaSのサービスは、アカウントを作成すれば月額利用料だけで利用できる。費用も手間も削減できるのは大きなメリットですね。

神様:世界のクラウドサービス市場規模の推移を見ると、右肩上がりで成長し続けていることがわかります。これからさらに伸びていくことでしょう。

T:経費精算、勤怠管理や社内チャットツールなど、すでに多くの企業で利用されていますが、最近ではWeb会議ツールもそうですね。

神様:メールシステム、オンラインストレージやグループウェア、それから最近サブスクリプション・サービス (第193話 映画見放題?話題のサブスクリプション・サービスとは?) として提供されているサービスの中にも、SaaS関連サービスがありますね。また、専門的な知識がなくとも、誰もが比較的簡単に使うことができるのも大きなメリットです。

T:5GやIoTがさらに普及すれば、魅力的なSaaS関連サービスもさらに登場しそうですね。今後の関連企業の飛躍に期待したいところです。

(この項終わり。次回8/19「レジ袋有料化スタート 廃プラスチック処理業者に注目」掲載予定)

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