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第229話 コロナで苦境のエンタメ ライブはデジタル配信時代へ

2020.11.18

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、下町の喫茶店で投資談義をしているようです。


T:11月に入り、北海道で新型コロナウイルスの感染者数が急増しています。これから本格的な冬を迎える中で北海道の動向は非常に心配ですね。

神様:欧米でも新規感染者が再び増加していますし、欧州では行動規制が相次ぎ、景気回復の妨げになるとの懸念も広がっています。感染拡大防止と経済活動との両立が正念場を迎えています。

T:Go To トラベル、Go To Eatキャンペーンにより、観光業、飲食店、農林水産業者を応援する動きが広がっていますが、これらの応援の動きを止めるわけにはいきません。厳しい状況が続きますね。

神様:旅行や飲食の他にも厳しい状況に立たされている事業者があります。例えば、ライブ・エンタテインメント事業です。ぴあ総研によると、2019年のライブ・エンタテインメント市場規模は6,295億円を記録しました。これは統計開始後で過去最大の記録です。人気アーティストによる音楽ライブが牽引した形となっています。

T:昨今では音楽を聴くのはストリーミング配信サービスがメインで、消費者はCDを買わなくなっていますから、アーティストにとっての収入源はライブやグッズ販売にシフトしていると聞いたことがあります。いかにライブに来てもらうかが重要になっていることがわかります。

神様:しかしコロナ禍の2020年は、2月以降で多くのライブが開催中止や延期となり、市場は大幅な縮小を余儀なくされています。試算値によると、2020年は1,836億円と前年比で約3割の水準まで落ち込む見込みです。

T:3割とは…非常に厳しい。ライブの開催が困難な状況では、アーティストが収入を得て生活していくことも困難になりますよね。緊急事態宣言が解除された5月下旬以降、徐々にライブを行う機会も増えているようですが、人数制限をするなど小規模なものに限られていますし。

神様:打開策として、リアルライブの開催が困難な状況において、消費者の巣ごもり需要が拡大したこともあり、オンラインでのライブコンテンツの視聴や消費機会が高まりつつあります。2020年のデジタルライブエンターテインメント市場規模は140億円に達し、2024年には984億円規模にまで拡大すると予測されています。

T:確かにこの期間、多くのアーティストが有料で音楽ライブ配信を行っています。私もいくつか見ました。オンラインライブ配信は人数制限がありませんし、収益拡大を図る取り組みとして今後も重要な位置を占めそうですね。しかし、やっぱり生ライブにはかないませんよ。早くライブを楽しめる日常が戻ってほしいです。

神様:Tさんのおっしゃることもわかります。しかしそんな常識もいつか覆るかもしれませんよ。例えば、VR技術や3D映像配信技術は日々発展しています。いつでもどこでもリアルライブと同じ臨場感が楽しめる日が目の前まで来ています。こういったライブ動画配信技術は今後ますます重要になってくるでしょう。

T:確かに、VRでライブを見られるとまた違った風景に出合えるかもしれませんね。

神様:"新しい時代"というのは小さな変化からやって来ます。想像力を豊かにして小さな変化を見逃さないようにしたいですね。

(この項終わり。次回11/25「コロナ禍「巣ごもり消費」で?ホームセンター人気の理由」掲載予定)

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