第267話 再エネの本命「太陽光発電」の現状は?今後の課題は?

2021.09.01

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海辺にあるカフェでアイスコーヒーを飲みながら投資談義を行っています。


神様:前回、私たちは日本の温室効果ガス対策、特に再生可能エネルギー(再エネ)を中心としたエネルギー改革( 第266話 CO2排出量 日本は世界で何番目?急がれるエネルギー改革 )についてお話しました。今日はその続きをお話します。

T:よろしくお願いします。

神様:再生可能エネルギーでは現在、太陽光発電が注目されています。なぜなら、経産省より2030年時点の太陽光発電のコストが原子力より安くなるとの試算がありそれをもとに今後の再エネ対策を進めようとしているからです。Tさんは太陽光発電のメリットとデメリットは何だと思いますか?

T:太陽光がエネルギー源ですから、太陽光が当たるところならどこでも導入できることはメリットですね。それから、屋根や壁など普段使っていないスペースを活用して設置できること、災害時に非常用電源として使えることも、メリットだと思います。

神様:デメリットはどうですか?

T:天気に左右されてしまうことはデメリットですよね。また、設置コストが高く、誰でも導入できるものではありません。

神様:なかなか良いところを突いています。太陽光発電にとって、今後はデメリットの克服が導入拡大のポイントとなることは言うまでもありません。ところで、再生可能エネルギーには「売電」という仕組みがあることをご存知ですか?

T:はい。「固定価格買取制度」のことですね。再生可能エネルギーで発電した電力を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度のことです。これは太陽光だけでなく、風力、水力、地熱、バイオマスによる発電でも適用されます。

神様:その通りです。私たちが売電制度を利用しやすいのは住宅用太陽光発電です。これは、高い設置コストに対して余剰電力を買い取ってもらうことで導入のハードルを低くする取り組みでもあります。ちなみに、住宅用太陽光発電で発生した余剰電力は買取期間が10年と定められています。その後は自家消費とするか、別途契約を結んで電気事業者へ売電するかを選択することになります。

T:売電のような仕組みがあっても、現在の日本の太陽光発電事業は縮小しているようですね。

神様:太陽光発電の導入件数を見ると、2012年をピークに2017年まで下がり続け、近年では年15万件程度の推移となっています。太陽光発電の売電価格についても、2010年から下がり続けています。しかし、売電価格は下がっていますが、近年は設置コストが安くなってきました。太陽光発電に投資した資金自体は回収しやすくなっている状況と言えます。

T:政府が太陽光発電を中心に温室効果ガスの排出削減目標を達成させるためには、今後の導入増加が必要ですよね。住宅用太陽光発電とは別に、法人や団体などの導入増加も課題ですね。

神様:そうですね。近年ではバーチャルパワープラント(VPP)という技術に注目が集まっています。VPPでは点在する小規模な再エネ施設を管理し、まとめて制御することができます。東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を機に、電力の供給バランスを意識したエネルギー管理の重要性が高まっています。太陽光発電も一つ一つは小規模でも、集約することで電力の需給バランスに貢献することができるでしょう。

T:なるほど。需給バランスを制御できれば天気に左右されることも少なくなるのかもしれませんね。

神様:また、太陽電池モジュールは2014年に出荷がピークになりました。太陽光パネルの製品寿命は25~30年とされていますから、2040年頃には2014年に設置した太陽光パネルの製品寿命が来ることになります。今後、太陽電池モジュールの廃棄や再利用等の準備も重要になるでしょう。こういった仕組み作りを整備していくことで、太陽光発電の導入が伸びていくものと思われます。今後の動向に期待しましょう。

(この項終わり。次回9/8「「iPhone13」発売はいつ?毎年iPhone発売が注目される理由」掲載予定)

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