第266話 CO2排出量 日本は世界で何番目?急がれるエネルギー改革

2021.08.25

株の神様の声が聞こえるというTさんは、定期的にその教えを受けています。今日は、Tさんと神様は、海辺を散歩しながら投資談義を行っています。


T:今年も豪雨災害が頻発していますね。毎年のように浸水被害に遭っている地域もありますし、各地で命を守る行動が求められています。この災害が温室効果ガスによる地球温暖化が原因とすれば、早急に対応が求められます。

神様:まず、目の前の災害に対しては、早いタイミングで安全なところに避難することが大切です。毎年、豪雨や土砂災害などこれまでに経験したことがないような災害に見舞われています。日本のどこに住んでいても他人事ではいられません。その上で、地球温暖化対策は地球規模の課題です。日本も2050年までにCO2排出量を実質ゼロとする「脱炭素社会」を実現するべく、厳しい目標の達成に向かって進まなければいけません。

T:そのために、これまでもお話にありました水素エネルギー( 第228話 「2050年までに脱炭素社会」 日本に水素社会到来へ )や洋上風力発電( 第235話 2050年カーボンニュートラルの鍵「洋上風力発電」の未来 )などが注目されているのでした。

神様:その通りです。最近、政府は目標をさらに厳しくしました。4月22日、政府は2030年度の温室効果ガスの排出削減目標を、2013年度比で46%減とすることを決定しました。従来の削減目標では26%減としていましたから、一気にハードルを上げました。

T:そんなことをして達成できるのでしょうか?

神様:いずれにしても2050年度には排出量を実質ゼロにしなければならないのです。どうすれば達成できるのかを考えなければなりません。さて、温室効果ガスのうち大半を占めるのはCO2ですが、日本は世界で何番目にCO2排出が多い国だと思いますか?

T:そうですね、10番目くらいですか?

神様:正解は5番目です。1位は中国、2位は米国、3位はインド、4位はロシア。日本はその次で、以下ドイツ、韓国、イラン、カナダ、インドネシアと続きます。もう一つお聞きします。日本でCO2を最も多く排出している分野は何だと思いますか?

T:それは知っています。エネルギー分野、要するに火力発電などですね。

神様:さすがですね。正解です。CO2排出のうち4割は、発電に伴って排出されています。つまり、日本の電源・エネルギー分野の改革が日本にとっても世界にとっても急務なのです。日本の電源構成比率の推移を見ると、2010年と2019年で大きく異なるのは、原子力発電です。2010年には電源の25%ほどを占めていた原子力発電は、2019年ではわずか6%ほどです。

T:原子力発電の再開は遅々として進んでいませんが、その分を火力発電が補っているわけですね。再生可能エネルギーも2010年の1%から2019年には10%まで伸びていますね。2030年まであと9年しかありません。脱炭素電源となる再エネをどれだけ活用できるかにかかっているわけですね。

神様:加えて工場などの大幅な省エネも必要になるでしょう。政府は再エネの活用に強く期待しています。資源エネルギー庁では「エネルギー基本計画」で、2030年の電源構成比率の目標を掲げていますが、2021年7月の素案では、再エネの比率を36~38%と、従来の目標の22~24%から大きく引き上げました。これまで再エネの発電コストは割高とされてきましたが、それも変化しています。経済産業省は7月、太陽光発電の2030年時点のコストが1キロワット時あたり8円台前半~11円台後半と、11円台後半以上である原子力より安くなるとの試算を示しました。今後はこの根拠をもとに、太陽光発電など再エネの活用を推し進めていくことになるでしょう。

T:太陽光発電は産業自体が縮小しているとの話も聞きます。また、発電装置を設置していくに当たっての地域の理解、地域との共生も課題点としてありそうですね。どのように課題を解決していくのか、注視していきたいと思います。

(この項終わり。次回9/1「再エネの本命「太陽光発電」の現状は?今後の課題は?」掲載予定)

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